第58回関東大学女子選手権 5月1日 千葉・キッコーマンアリーナ
4月20日に関東大学女子選手権(トーナメント)が開幕した。春を迎え、新体制となったチームにとって初めての公式戦だ。早大は4月29日の初戦で東京女子体育大に123ー58で快勝。続いて同じシード枠である江戸川大との一戦に臨んだ。序盤から積極的に速攻を仕掛け、さらにF菊地実蘭(スポ2=愛知・桜花学園)がスリーポイントで得点を量産する。チームディフェンスで相手の留学生選手を抑えつつ順調に得点を重ね、前半を61ー27で終えた。しかし後半に入ると江戸川の勢いに押され、シュートの成功率が低下。徐々に差を縮められたが、要所要所でスリーポイントやバスケットカウントを決めて持ち直す。江戸川大の追い上げを振り切り、89ー62でベスト8進出を決めた。
スリーポイントを決めた菊地
Ⅽ中野雛菜(スポ4=神奈川・東海大相模)が「初戦はあまり入りが良くなかった」と振り返るように試合の入りが課題だった早大。試合開始直後にF江頭璃梨(スポ4=宮崎・小林)が先制点を奪い、続けてジャンプシュートを決める。さらに菊地がスリーポイントを沈め、順調な滑り出しを見せた。江戸川大がタイムアウトを取った後も早大の勢いは衰えず、速攻を中心に得点を重ねていく。菊地は第1Qだけで4本のスリーポイントを決め、大量リードに成功。31ー14で第1Qを終えた。第2Q、早速菊地が5本目のスリーポイントを決め、ドライブからも得点。相手もスリーポイントを決めて対抗するが、F西ファトゥマ七南(スポ3=千葉・昭和学院)の力強いドライブを皮切りに早大が4連続得点。激しいディフェンスで相手の得点を抑えつつ点差を広げていく。G衣川璃来(スポ2=埼玉栄)が連続得点し、江戸川大は前半2回目のタイムアウトを要求。その後も早大は攻撃の手を緩めることなく得点を重ね、61ー27で試合を折り返した。
シュートをする中野
このままさらに差をつけたいところだったが、後半は江戸川大の連続得点でスタート。早大はシュートを放つもなかなか決め切れない。第3Q中盤、衣川のスリーポイントやG山宮好葉(スポ2=東京成徳)のジャンプシュートで持ち直すが、江戸川大がリバウンドからのシュートやスリーポイントで差を縮めていく。第3Q終盤に山宮がバスケットカウントを成功させ、72ー45で最終第4Qへ。ゴールを狙うものの、なかなか前半のように得点を重ねられない。しかしG中村真都(教2=長崎西)がスリーポイントに続けてジャンプシュート決め、早大に勢いをプラスする。さらに中野がバスケットカウントをもぎ取り、意地を見せる。シュートを決め切れない苦しい時間帯もあったが、最後まで粘り強く戦い89ー62で勝利を収めた。
連続得点の衣川
課題であった試合の入りは好調だったが、後半にかけて得点が伸びず失速してしまった。今日の試合を受けて、中野は「前半の良かったところを明日は一試合通してできたら」と語った。次戦の相手は昨年度の全日本大学選手権を制した白鷗大。スタートダッシュを決め、その勢いのまま女王を打ち破れるか。チーム一丸となって今回のトーナメントにおける最大の山場に挑む。
(記事 権藤彩乃、写真 田中瑠花)
第58回関東大学女子選手権 5月1日(vs江戸川大)
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
早大 | 31 | 30 | 11 | 17 | 89 |
江戸川大 | 14 | 13 | 18 | 17 | 62 |
♦早大スターティングメンバー♦
F#1 菊地実蘭(スポ2=愛知・桜花学園)
PG#13 山宮好葉(スポ2=東京成徳)
C#22 中野雛菜(スポ4=神奈川・東海大相模)
F#32 江頭璃梨(スポ4=宮崎・小林)
G#35 衣川璃来(スポ2=埼玉栄)
コメント
C中野雛菜(スポ4=神奈川・東海大相模)
――大きく差をつけた前半を振り返っていかがですか
いつも課題として挙がっているんですが、初戦はあまり入りが良くなくて。また今日は初めて留学生選手がいるチームとの対戦だったので、まず留学生選手を止めようと話していました。
――留学生選手への対策はうまくいきましたか
うまくいきました。相手は裏へのパスがあまり無くて、全部フロントをとって、パスをもらってターンしてシュートという形が多かったので、早稲田は前を守って裏へのパスを多くして3線がカバーするようにしました。新入生が入ってきても、そういうところをみんなで徹底してできたので良かったと思います。
――後半は前半に比べて失速してしまいました。振り返っていかがですか
前半は実蘭(菊地)がすごく点数を決めてくれてくれたんですが、みんなそれに頼りすぎてしまいました。実蘭がそこまで点数を取れなくなった時に相手がアジャストしてきて、「誰が攻める?」と前半(菊地選手に)頼ってしまった分人任せになってしまって、パスを外で回してというようなプレーが多くなってしまいました。そういう時に誰か1人に頼るのではなく、みんなでどんどんゴールにアタックしていったほうが良かったのかなと思います。
――今日の収穫を1つ挙げるとしたら何ですか
前半は留学生のところをうまく守れていたことです。明日は身長は低くてもパワーが強くて点数をたくさん取る選手がいるので、前半の良かったところを明日は一試合通してできたらと思います。
F菊地美蘭(スポ2=愛知・桜花学園)
――今日の試合を振り返っていかがでしたか
前半の入りが良かったところは、チームとして1つ良かった点だと思います。ですが前半で点差を離した後の後半の入りが少し失速してしまって、徐々に相手にも点を取られてしまい自分たちのミスも多くなってしまったことが課題点だと考えています。
――スリーポイントがすごく決まっていましたが、個人的な感触はどうでしたか
相手のディフェンスもズレができたところで味方からのパスも多かったので、ノーマークで気持ちよく打つことができました。自分としてもいつも練習しているリズムでできたことがすごくよかったと思います。
――後半が始まってから押されてしまう展開でしたが振り返っていかがですか
後半の入りのところで全員が攻め切れなくなってしまったのもありますが、相手のダブルチームやディフェンスで攻撃が止まってターンオーバーができてしまいました。なので後半の入りも点差があったとしても攻めを忘れないことと、ダブルチームに対してのパスのつなぎのところは明日以降改善していきたいと思います。
――最後に明日の試合についての意気込みをお願いします
次の相手は留学生も強いし、周りも体も強くてシュートもうまい人が多くいるチームなので、今日以上に入りから気持ちをもって入るってことと、あと後半失速しないように、40分間ずっと全員がリングに攻め続けられるように意識したいと思います。