東京六大学秋季リーグ戦 10月19日 神宮球場
TEAM | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
早大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
明大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | × | 1 |
◆バッテリー
●髙橋煌、香西ー吉田瑞
◆二塁打
前田健
◆三塁打
なし
◆本塁打
なし
前日の明大1回戦を大差にて落とし、4連覇へ後がなくなった早大。眼前での胴上げ阻止、そして逆転優勝へ、この日の先発マウンドには髙橋煌稀(スポ2=宮城・仙台育英)を送り込んだ。期待を背負った髙橋煌は7回6奪三振1失点と抜群の投球を見せたが、打線が明大投手陣を打ち崩せず。1点の差が重くのしかかり、0-1で無念の敗戦。明大の優勝を目の当たりにした早大は、4季ぶりのV逸が決まった。
テンポよくアウトを重ねていった。先発マウンドに上がった髙橋煌は、序盤から安定感あふれる投球を披露。4回まで投げて4奪三振、許した安打は内野安打2本のみと、明大打線を手玉に取った。しかし5回、先頭の光弘帆高(3年)が放った打球が三遊間を破り出塁を許すと、犠打で1死二塁のピンチを背負う。迎えた打者は主将・木本圭一(4年)。カウント1-2と追い込んだ後に低めへ変化球を投じたが、うまく合わされ打球は左中間深くへの適時二塁打に。二塁走者が生還し、痛恨の先制点を奪われた。

一方の打線は、勝負どころで沈黙。2回には前田健伸副将(商4=大阪桐蔭)のチーム初安打となる左越え二塁打、石郷岡大成(社4=東京・早実)の内野安打で2死一、三塁の好機を作ったが、あと一本が出ず、流れをつかみきれない。そして最大の好機となった4回、先頭の小澤周平主将(スポ4=群馬・健大高崎)が中前打で出塁すると、すかさずスタートを切って二塁を陥れる。四球と内野ゴロで1死一、三塁に好機を広げ、打席には田村康介(商4=東京・早大学院)を迎えた。しかし、打ち上げた打球はフラフラと一塁ファウルゾーンへと飛んでいき、二塁手・岡田啓吾(3年)がスライディングしながら好捕した。それを見た三塁走者・小澤がホームを狙ったが、タッチアウト。好機の芽はついえ、歓声が上がる明大応援席をよそに、早大ナインには重苦しい空気が漂った。
打線の援護がない中でも、髙橋煌は粘りの投球を続けた。7回の打席でも代打は送られず、その裏まで投げ切ってお役御免。7回99球を投げて6奪三振1失点と、負けが許されない大一番で堂々たる投球をしてみせた。8回には2番手・香西一希(スポ3=福岡・九州国際大付)がマウンドへ。前日から連投となったが、2三振を奪って上位打線を3者凡退に仕留めた。ベンチは逆転を信じ、最終盤の攻撃へと望みをつないだ。

しかし、打線の前には強力な明大投手陣が立ちはだかった。今季いまだ無失点投球を続ける菱川一輝(4年)や大川慈英(4年)らを打ちあぐね、初回からゼロ行進が続く。1点を追う最終回、1死から前田健副将が右翼後方へ大飛球を放ったが、逆風に押し戻されてフェンス手前で失速。同点弾を期待した早大応援席の声援もむなしく、打球はグラブの中へと吸い込まれた。続く田村も空振り三振に倒れ、試合終了。明大が5季ぶり44回目の栄冠を手にし、早大の4連覇は幻となった。

明大の強さが際立った今季の東京六大学秋季リーグ戦。「打倒早稲田」を掲げた明大は、開幕から8戦8勝と圧巻の成績で、賜杯奪還まで走り抜けた。この2連戦は、明大の気迫の前に屈し、投打で差を見せつけられる結果となってしまった。小澤主将らが目標に掲げてきた4連覇を逃した選手たちの悔しさは、計り知ることができない。それでも2週後には、最終カード・慶大戦が待っている。最後の晴れ舞台で早大らしい野球を取り戻し、宿敵撃破で「小澤早稲田」を締めくくる。
(記事 西村侑也、写真 藤井一成)
※写真は早スポ野球班のX、インスタグラムでもご覧いただけます。
※野球部クラウドファンディングページはこちらから
早大打者成績
打順 | 守備 | 名前 | 打 | 安 | 点 | 率 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | (中) | 尾瀬雄大 | 4 | 0 | 0 | .211 | 二ゴ | 見三 | 二ゴ | 左飛 | |||||
2 | (遊) | 渋谷泰生 | 4 | 0 | 0 | .250 | 右飛 | 空三 | 二飛 | 見三 | |||||
3 | (二) | 小澤周平 | 4 | 2 | 0 | .237 | 遊ゴ | 中安 | 中安 | 空三 | |||||
4 | (左) | 寺尾拳聖 | 3 | 1 | 0 | .205 | 空三 | 四球 | 遊安 | 遊ゴ | |||||
5 | (一) | 前田健伸 | 4 | 1 | 0 | .361 | 左2 | 三ゴ | 三邪 | 右飛 | |||||
6 | (三) | 田村康介 | 4 | 0 | 0 | .296 | 三ゴ | 二邪 | 遊安 | 空三 | |||||
7 | (右) | 石郷岡大成 | 3 | 1 | 0 | .467 | 遊安 | 見三 | 一直 | ||||||
8 | (捕) | 吉田瑞樹 | 3 | 1 | 0 | .310 | 遊直 | 見三 | 遊安 | ||||||
9 | (投) | 髙橋煌稀 | 3 | 0 | 0 | .200 | 遊ゴ | 二ゴ | 見三 | ||||||
投 | 香西一希 | 0 | 0 | 0 | ー |
早大投手成績
コメント
◆小澤周平主将(スポ4=群馬・健大高崎)
ーー今日の試合を振り返って
明治のピッチャーが良かったので、チャンスは作れていて、あと1本が欲しかったんですけど、明治のピッチャーが上回ったのかなという試合でした。
ーーこれで4連覇の道は消えたことに
そうですね。4連覇を目指してやってきて、それはダメでしたが、もう1つの目標として早慶戦の最終日にこのチームの集大成を持ってくという話をしているので。最後の早慶戦に負けるわけにはいかないので、また切り替えてやっていきたいと思います。
ーー早慶戦まで2週間。どんなことに取り組むか
4年生はもうやるだけなので、(現役)最後の人もいますし、このチームでできる試合も最短で残り2試合となるので、もう気持ちを全面に出して、3年生にはそれを後押ししてもらって頑張りたいと思います。
ーー2週間後の早慶戦に向けて意気込みを
4連覇できませんでしたが、直近2年間、秋の早慶戦では勝ち点を落としているので、この代ではしっかりと慶応に勝って、最後に笑って終われるように頑張ります。