東京六大学秋季リーグ戦 10月4日 神宮球場
TEAM | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
法大 | 0 | 1 | 0 | 2 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 5 |
早大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 1 | 0 | 4 |
◆バッテリー
伊藤樹、越井、安田、●宮城ー吉田瑞
◆二塁打
石郷岡
◆三塁打
なし
◆本塁打
なし
東京六大学秋季リーグ戦は第4週を迎え、早大は折り返しとなる法大戦に臨んだ。ここまで2位につけ、優勝へ向けてまずまずの戦いを見せている早大だったが、この日は流れをつかみきれず。先発のエース・伊藤樹(スポ4=宮城・仙台育英)が5回3失点で降板すると、後を受けた越井颯一郎(スポ3=千葉・木更津総合)も1点を失い4点のビハインドを背負う。終盤に打線が奮起し同点に追いついたが、9回に4番手・宮城誇南(スポ3=埼玉・浦和学院)が勝ち越し打を浴び、4-5で初戦を落とした。
エースらしい投球とはならなかった。先発マウンドに上がった伊藤樹は、初回から好調の藤森康淳(3年)に10球粘られるなど、球数を要する苦しい展開に。2回には四球と犠打で1死二塁のピンチを招くと、暴投の間に生還を許し、無安打で先制点を献上した。さらに、4回1死一塁から4番・松下歩叶主将(4年)に変化球を完璧に捉えられると、打球は左翼フェンスを越えて追加点となる2点本塁打に。雨中でのマウンドに苦しみ、時折足元を気にするしぐさも見せていた伊藤樹は、5回86球を投じて3失点。裏の攻撃で代打を送られ降板となった。

後を受けたのは今季初登板の越井。悪い流れを断ち切りたいところだったが、1死から制球が定まらず四球と安打で満塁に。続く打者に右翼深くまで運ばれ、犠飛で痛い追加点となる4点目を奪われる。しかし7回、3番手としてマウンドに上がった安田虎汰郎(スポ2=東京・日大三)が圧巻の投球を見せた。直球とチェンジアップを軸にテンポよく投げ込み、法大打線をわずか8球で三者凡退に。ピリッとしなかった早大に流れを呼び込む投球で、打線の援護を待った。

一方の打線は、この日の空模様のように湿りがちだった。初回から3イニング連続で走者を出しながら、あと一本が出ず。ボール先行の投球が目立った相手先発・丸山陽太(4年)を打ち崩せず、6回までわずか3安打。淡々と凡打を重ねる展開が続いた。転機となったのは7回。丸山からマウンドを引き継いだ山床志郎(2年)の代わり端を攻め立て、無死一、二塁の好機を演出する。打席に入った吉田瑞樹副将(スポ4=埼玉・浦和学院)は一度はバットを寝かせたが、バスターで二遊間を破って反撃ののろしを上げる適時打に。1死の後に尾瀬雄大(スポ4=東京・帝京)が四球を選び満塁とすると、渋谷泰生(スポ4=静岡)の犠飛、小澤周平主将(スポ4=群馬・健大高崎)の適時打で1点差に詰め寄った。
一気に追い上げムードとなった早大は、攻撃の手を緩めない。8回、リリーフした助川太志(3年)から1死二塁の同点の好機を迎えると、打席には石郷岡大成(社4=東京・早実)が入る。フルカウントからの6球目を流し打つと、打球は左翼線へと落ちて同点の適時二塁打に。終盤に打線がつながり、見事に試合を振り出しに戻してみせた。しかし、続く勝ち越し機では決定打が出ず。4-4のまま最終回を迎えた。

9回のマウンドには、8回から登板している宮城が続投。今季は思うような投球ができておらず、粘りの投球を見せたい場面だったが、1死からストレートの四球と右翼線への二塁打で1死二、三塁のピンチを招く。迎えた代打・浜岡陸(4年)に甘く入った直球を右翼まで運ばれると、これが勝ち越しの犠飛に。同点に追いついた直後の回で、痛恨の失点を喫してしまった。裏の攻撃では、渋谷泰生(スポ4=静岡)、小澤主将の連打で逆転の機運が高まったが、後続が倒れてゲームセット。早大は2カード連続で黒星スタートとなった。
終わってみれば一度もリードを得ることができず、苦しい試合運びを強いられた早大。優勝戦線に残るためには、この法大戦で勝ち点を落とすわけにはいかない。初戦こそ敗北を喫したが、窮地に追い込まれてからの粘り強さは昨季から幾度となく発揮してきた。明日の2回戦で流れをつかみ、連勝で勝ち点奪取を狙う。
(記事 西村侑也、写真 富澤奈央、植村皓大)
早大打者成績
打順 | 守備 | 名前 | 打 | 安 | 点 | 率 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
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1 | (中) | 尾瀬雄大 | 4 | 1 | 0 | .304 | 右安 | 見三 | 右飛 | 四球 | 空三 | ||||
2 | (遊) | 渋谷泰生 | 3 | 1 | 1 | .174 | 捕犠 | 二ゴ | 左飛 | 左犠 | 右安 | ||||
3 | (二) | 小澤周平 | 4 | 3 | 1 | .273 | 四球 | 左安 | 遊直 | 右安 | 左安 | ||||
4 | (左) | 寺尾拳聖 | 5 | 0 | 0 | .227 | 右飛 | 中飛 | 捕飛 | 中飛 | 中飛 | ||||
5 | (一) | 前田健伸 | 4 | 0 | 0 | .429 | 三ゴ | 中飛 | 二ゴ | 四球 | 二併 | ||||
6 | (三) | 田村康介 | 3 | 0 | 0 | .333 | 一直 | 左飛 | 四球 | 遊ゴ | |||||
7 | (右) | 石郷岡大成 | 3 | 2 | 2 | .579 | 四球 | 捕邪 | 左安 | 左2 | |||||
8 | (捕) | 吉田瑞樹 | 4 | 1 | 1 | .333 | 二飛 | 空三 | 中安 | 二飛 | |||||
9 | (投) | 伊藤樹 | 1 | 0 | 0 | .300 | 三ゴ | ||||||||
打 | 壽田悠毅 | 1 | 1 | 1 | 1.000 | 左安 | |||||||||
投 | 越井颯一郎 | 0 | 0 | 0 | ー | ||||||||||
投 | 安田虎汰郎 | 0 | 0 | 0 | ー | ||||||||||
打 | 黒﨑将太 | 1 | 0 | 0 | .500 | 捕邪 | |||||||||
投 | 宮城誇南 | 0 | 0 | 0 | ー | 四球 |
早大投手成績
名前 | 試 | 勝 | 負 | 回 | 安 | 四 | 振 | 失 | 責 | 率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
伊藤樹 | 4 | 2 | 1 | 5 | 3 | 1 | 6 | 3 | 3 | 2.48 |
越井颯一郎 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 2 | 1 | 1 | 1 | 9.00 |
安田虎汰郎 | 2 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0.00 |
宮城誇南 | 3 | 0 | 1 | 2 | 2 | 1 | 0 | 1 | 1 | 4.50 |
コメント
◆小澤周平主将(スポ4=群馬・健大高崎)
ーー今日の試合を振り返って
悪い流れで樹(伊藤樹、スポ4=宮城・仙台育英)、越井(颯一郎、スポ3=千葉・木更津総合)、誇南(宮城誇南、スポ3=埼玉・浦和学院)が点を取られてしまったんですが、そこから追い上げたことは良かったと思います。ただ、今日も1本が出なかったので。1本を出せるようにしたいっていう内容でした。
ーー走者をかえせない状態が続きましたが、チームとして意識したことは
1本が出ないって言うのはずっとで。難しいことではあるんですけど、なんとかみんなでベンチで(盛り上げて)打たせようっていう風に話はしていました。それが後半は少しは出てできてきましたが、さらにもう1本っていうところが出なかったです。明日はこういう展開にはしたくないですが、もしこういう展開になったら、今日の反省を生かして、なんとか1点もぎ取りたいと思います。
ーー小澤選手自身は4出塁でした。振り返って
ずっと調子が上がってこなかったんですけど、バットを振って調整して、いい形で試合に入れて、それが結果に出て良かったと思います。
ーー明日の試合への意気込みをお願いします
立教戦も1個落としてから2個取れていて。監督(小宮山悟監督、平2教卒=千葉・芝浦工大柏)からも1つとしてから2連勝っていうのは力のあるチームしかできないと言われて、それができたので、明日も自分たちがやってきたことを信じて、明後日のこと考えずに明日の1勝を目指してやっていきたいと思います。