【野球】茨城で節目のオールスター戦 大量得点でローズドリームスが勝利

野球

東京六大学オールスター戦2025in茨城 8月23日 茨城・ノーブルホームスタジアム水戸

TEAM 合計
プラムウィングス
ローズドリームス × 14

 東京六大学野球連盟結成100周年を記念して、「東京六大学野球オールスター戦2025 in 茨城」が茨城県水戸市にて行われた。普段はしのぎを削って優勝を争うライバルたちと、この日は共に戦うチームメイトに。早大、法大、慶大は「ローズドリームス」、明大、立大、東大は「プラムウィングス」としてチームを組み、六大学の精鋭たちが新鮮な面持ちで熱戦を演じた。試合は序盤から得点を奪い合う展開に。6-3で迎えた5回には、早大が所属するローズドリームスが10安打を集めて一挙8得点と大爆発。最後は救援の伊藤樹(スポ4=宮城・仙台育英)が試合を締め、大差で勝利を収めた。

 野手陣が躍動した。ローズドリームスは野崎慎裕(法大4年)を先発マウンドに送ったが、酒井捷(東大4年)の安打をきっかけに、味方の失策も絡んで先制点を献上。しかし、その裏に2死から小澤周平主将(スポ4=群馬・健大高崎)が右前打で出塁すると、続く松下歩叶(法大4年)が左翼越えに2点本塁打を放ち、すぐさま逆転。強打を誇る4番打者が一振りで試合をひっくり返した。

 2回には、先頭の今泉将(慶大4年)から常松広太郎(慶大4年)、今津慶介(慶大3年)の慶大トリオが3連打で満塁の好機を演出し、内野ゴロの間に1点を追加。なおも1死二、三塁の場面で、打席には尾瀬雄大(スポ4=東京・帝京)を迎える。2ボールから強く振り抜いた打球は、右中間への2点適時打に。尾瀬は快足を飛ばして悠々三塁まで到達し、6-1とプラムウィングスを突き放した。

適時三塁打を放った尾瀬

 3回、4回に1点ずつを失って6-3で迎えた5回、ローズドリームス打線がこの日一番の猛打を振るう。相手左腕・松本慎之介(東大2年)を前に、先頭の小澤主将が中堅への二塁打でチャンスメイクすると、松下が中前適時打を放ってまず1点を挙げる。三振をはさみ1死一塁となったところから、打線は怒涛(どとう)の6連打。流れに乗って渋谷泰生(スポ4=静岡)も初安打となる2点適時打を放ち、小澤主将、尾瀬と合わせて早大勢のスタメン野手がそろって安打を記録した。打線はその後もさらに2安打を畳みかけ、終わってみれば打者13人で10安打8得点のビッグイニングに。鳴りやまない法大の応援歌『若き日の誇り』をBGMに、プラムウィングスのKOに成功した。

 6回以降には、ベンチスタートだった寺尾拳聖(人3=長野・佐久長聖)、石郷岡大成(社4=東京・早実)、吉田瑞樹副将(スポ4=埼玉・浦和学院)が続々と守備に就いた。7回には、11点リードのマウンドに田和廉(教4=東京・早実)が登場。オールスター初選出となったが、落ち着いたマウンドさばきで1回を1安打無失点に抑えてみせた。続く8回には、満を持して早大のエース・伊藤樹が登板。球場表示で最速151キロを計測した直球が光り、3人で相手打線を料理した。そのまま最終回のマウンドにも上がると、打球が審判を強襲する不運な安打も絡んで1点を失ったが、冷静に後続を断ってゲームセット。14-4と10点差をつけての勝利に、一塁側スタンドからは拍手が鳴りやまなかった。

7回に登板した田和

 「ローズドリームス」の大勝で幕を閉じた今季のオールスター。束の間の非日常は、東京六大学秋季リーグ戦(リーグ戦)を前に鍛錬を続ける選手たちに新たな活力を与えたに違いない。だが、神宮に戻れば再び緊張感に満ちた戦いの火蓋が切られる。この日集った精鋭たちの、リーグ戦でのさらなる飛躍に要注目だ。

集合写真

(記事 西村侑也、写真 黒澤秀真、中川晏結美)

コメント

◆小澤周平主将(スポ4=群馬・健大高崎)

ーーチームとして試合を振り返っていかがですか
 いいバッティングが沢山出たのではないかなと思います。

ーー3回目のオールスターの感想は
 早稲田と関係の深い茨城で試合ができたということが本当に嬉しいことなので、楽しみながらも真剣にやろうと思っていました。

ーー打撃の調子はいかがでしたか
 よかったのではないかと思います。

ーー他大学の選手と交流していて、印象深かったことは
 みんな凄かったので、早稲田に欲しいなと思いました(笑)。

ーー今後の意気込みをお願いします
 他大学にもこういう素晴らしい選手がたくさんいるので、負けないようにあと3週間練習して試合に臨みたいと思います。

◆田和廉(教4=東京・早実)

ーー試合全体を振り返って
 まず、六大学のオールスターということで、いい選手が集まっている中に選ばれたというのが、素直に嬉しく思います。今日1イニング任されたということで、吉田瑞樹(副将、スポ4=埼玉・浦和学院)とも話して真っすぐオンリーで行こうっていう話をしていました。その中でしっかり無失点で終われたっていうのは良かったかなと思います。

ーー初のオールスターでしたがいかがでしたか
 法政、慶応に知り合いがいない中で、仲良くなった選手も多くいましたし、六大学でやっている以上は、色々な選手と交流を持てたらいいなと思っていたので、積極的に話しかけていろんな話をできたっていうのは良かったかなと思います。

ーー淡々と打ち取っていたと思いますが、今日の調子はどうでしたか
 球速は149キロがマックスでしたが、150キロを出したいと思っていたのでそこには届かなかったです。ただ、しっかり真っすぐで色々な良い選手を抑えられたというのは一つ自信になったかなと思います。

ーー他のチームとの交流で何か印象に残ったことがあれば教えてください
 ピッチャー陣とは基本話したんですけど、野手の雰囲気とかは早稲田と他大は全然違っていて新しい刺激になりました。ピッチャー陣とは細かい話であったり、普段どういう練習をしているのかなどは話しましたが、野手とはあまり話せていないのでこれからのレセプションで話していけたらなと思います。

ーー今日の収穫と今後への意気込みをお願いします
 今日一番の収穫はまずいろんな選手と仲良くなれたということだと思います。リーグ戦を迎えた時に色々な選手と交流を持った中で楽しみながら対戦できるなという風に思います。あとは、真っすぐしか投げていない中で、抑えられたっていうのは一つ自分の真っすぐに自信を持つきっかけになったのかなという風に思います。