【野球】下級生の完封リレーでオープン戦連勝 一方で課題も山積/日大戦

野球

夏季オープン戦 7月27日 安部球場

TEAM 合計
日大
早大 ×

 日大との夏季オープン戦に臨んだ早大。試合は投手戦の様相となり、6回までは両者無得点。7回に早大が押し出し四球をもぎ取り先制すると、8回には岡西佑弥(スポ3=智弁和歌山)の適時打で追加点を獲得する。投手陣は5回を無失点に抑えた安田虎汰郎(スポ2=東京・日大三)をはじめ、下級生の5人が日大打線を無失点に抑え勝利した。一方で、早大にとっては課題が浮き彫りになる試合にもなった。

 早大の先発マウンドには安田が上がる。初回から三者連続三振と素晴らしい立ち上がりを見せると、以降も得意のチェンジアップと速球をうまく使い分けて日大打線を翻弄(ほんろう)する。ピンチを背負ったのは3回。先頭はやや緩い三ゴロとなるが、髙橋海翔(スポ2=山梨学院)の送球がやや乱れ、前田健伸副将(商4=大阪桐蔭)も一塁を踏み切れずに出塁を許す。この走者を三塁まで進め、1死一、三塁とされるが、この場面でも落ち着いていた安田は、2番打者をファウルフライに打ち取ると、次打者にはチェンジアップを振らせて三振を奪い、無失点に抑えてみせた。結局、この日の安田は5回を投げて8奪三振、無失点の投球となった。また、いつも気にしているという四球は1つも出さず、「成長の兆しが見えた」と登板を振り返った。

先発した安田

 打線は初回、尾瀬雄大(スポ4=東京・帝京)の安打と犠打でチャンスを作るが、後続が倒れて無得点。その後も、6回までは毎回走者を得点圏に進めるが、あと1本決めきれず、点を奪えない状態が続く。7回には先頭の椎名丈(教4=東京・早大学院)が四球を選ぶと、相手投手の制球が定まらない状況が続き、4つ目の四球が押し出しとなり、何とか先制点にこぎつけた。

この日2安打の尾瀬

 8回には尾形樹人(スポ2=宮城・仙台育英)の四球、椎名の内野安打でチャンスを作ると、途中出場の岡西が中堅の頭を越える二塁打を放ち、貴重な2点目を獲得した。

8回に適時打を放った岡西

 投手陣は6回から継投に入る。7回には1年生の平井大翔(政経1=東京・早大学院)が登板。四球を1つ出したものの、変化球で2つの三振を奪い、リーグ戦でのベンチ入りに向けアピールした。そのほかにも齋藤士龍(文2=東京・早実)ら下級生が登板すると、いずれも無失点で守り切り、夏季オープン戦は2連勝となった。

7回に登板した平井

 ただ、この日は課題が明確になる試合でもあった。8回の攻撃で残塁は13。さらに、平凡なゴロが失策となる場面もあり、4失策を記録した。試合後のミーティングでは厳しい声が飛び、尾瀬も「これではリーグ戦は勝てない」と苦しい表情だった。春の屈辱を払拭するべく、早大は8月4日から行われる南魚沼キャンプを前に、残り5試合を戦っていく。

(記事 西本和宏、写真 本谷理彩)

コメント

◆尾瀬雄大(スポ4=東京・帝京)

ーー今日の試合を振り返って
 見ての通りエラー、不注意のミスが多かったので。これでは多分リーグ戦は勝てないので、そこはしっかり締めないといけないなと思う試合でした。

ーーご自身は2安打でしたが、打撃を振り返って
 今この時期はリーグ戦まで時間もあるので、打席の中でしっかり振ろうというか、当てに行くというよりは、自分のスイングを強く振っていって、その中で結果を出そうと思ってやっています。まだ試合は少ないですが、いい形でできたのかなと思います。

ーー8回には空振り三振に倒れて悔しがる場面もありました
 1ー0で追加点が欲しいという場面で、相手のピッチャーは1度代表合宿で対戦したことのある投手だったので、打ちたいなと思っていたので、悔しかったですね。

ーーこの夏の目標は
 個人的にもう1回、最後にタイトルをとって卒業したいと思っています。ベストナインだったり、首位打者だったりというところを目指してやっているので、そこに向けてパワーアップしていきたいです。

ーー次戦への意気込み
 レベルアップするだけだと思うので、練習も試合も、自分のテーマを持ってやっていきたいなと思います。

◆安田虎汰郎(スポ2=東京・日大三)

ーー今日の試合を振り返って
 今日は序盤のほうから試合のテンポも速かったので、またリリーフとは違って、先発のリズムをつかむのに最初は苦労するかなと思ったのですが、キャッチャーのリードや、野手の人がテンポを作ってくれたので、とてもいい感じで試合に入っていけたかなと思います。

ーー今日の試合の目標は
 今日の目標は、とにかくゼロに抑えること。5回1失点で満足したくなく、5回をゼロで抑えることが最優先だったので、達成できてよかったです。また、いつも気にしているのは四球の数なのですが、今日は5回でゼロだったので、成長というか、まだ手探り段階でこれからもっと上げていかなければいけないですが、その良い兆しが見えたかなと思います。

ーーストレートが効果的だったように感じますが、ご自身で振り返って
 春のリーグ戦や全日本選手権でも、変化球に合わせられることが多く、他のボールにもこだわっていかないといけないという課題があったので、今日はそこをキャッチャーの瑞樹さん(吉田瑞樹副将、スポ4=埼玉・浦和学院)も実践してやってくれたかなと思います。

ーーこの夏の目標は
 監督さん(小宮山悟監督、平2教卒=千葉・芝浦工大柏)からも言われているのですが、打たれないボールを投げないとリーグ戦でも投げられないので。いくら曲がる変化球を投げても、速いボールを投げても、打たれたら意味がないので、打たれないボールにこだわって練習していきたいです。そのために走りや投げ込みを人一倍やっていかないといけないと思っています。

ーー次回登板への意気込み
 いつも言うことは一緒なのですが、このようにマウンドに上がる機会をいただいたら、そこで最高のパフォーマンスをしなければいけないので、しっかり準備を怠らずにやりたいと思います。