【特集】秋季リーグ戦開幕前スタッフ特集 第1弾 安齋優大アナリスト×大坪蓮弥アナリスト

野球

 スタッフ特集第1回に登場するのはアナリストを務める安齋優大(文4=東京・成蹊)と大坪蓮弥(スポ4=北海道・札幌第一)だ。データというかたちでチームを支える二人。普段の仕事やアナリスト目線でのチームの分析などさまざまな話を伺った。

※この取材は9月2日に行われたものです。

「チームにどう関われるかを考えた」(安齋)

――安齋さんから大坪さんの紹介をお願いします

安齋 大坪は「データスタジアム」でバイトをしていたり、大学でデータの勉強をしていたり、本当にデータのことについては詳しいので、これからデータの道に進んでいくと思いますが、大坪が入ってきてくれてデータ班が一段階、二段階レベルアップできたので、すごくありがたい存在だと思いながら接していますし、「データルーム」というものがあるのですが、そこでも大坪がみんなを盛り上げるようなことを言って、1年生など下級生がたくさんいる中でもみんなが作業をしやすいように雰囲気づくりをしてくれているので、すごくありがたいですし、ついていこうと思っています。

大坪 絶対思ってないでしょ(笑)。

――逆に、大坪さんから安齋さんの紹介をお願いします

大坪 安齋は、この見た目からしてめっちゃご飯を食べると思われると思いますが、あまり食べているところを見たことはなくて。自分一人では仕事も回らないので、そういうところも全部やってくれたり、ちゃんと後輩にも指示を出したりしてくれていて、ちゃんと仕事もやってくれているので、すごく助かっているな、というところと、あとは「データルーム」で休憩時間にクイズ大会をしたりしますが、その際にも一番物知りというか頭が良いのが安齋なので、知識が多いところなどはすごく尊敬しているので、自分も安齋みたいな人になれたらな、と思って勉強を頑張っています。

――アナリストの仕事について教えてください

安齋 自分がほかの五大学のバッターの分析、大坪がピッチャーの分析といった形で完全に分業していて、自分はバッター(担当)なので、他の大学の選手が、特にどういう打球方向なのか、といったことや初球にどれくらい振っているか、ですとかどういった球種を打っているか、ですとか、そういったことを分析しています。

大坪 ピッチャー(の分析)は、カウント別の球種の割合ですとか、対右打者、対左打者でどういう風に配球が変わっているのか、といったことをソフトを使いながら分析している感じです。それをデータミーティングで資料にまとめて選手に還元しています。

――お二人がアナリストになった経緯は

安齋 自分はケガもありますし、すごくレベルの高いところなので、自分は一般(入試)で入っていますし、自分の野球の実力も考えて2年生の時ですが、アナリストになりました。これからチームにどう関われるかを考えたら、選手をやっているよりアナリストになった方がいいかな、と。「自分たちの代からアナリストを作ろう」という話がちょうどあったので、そのタイミングも重なって「自分がやろう」という形でアナリストになりました。

大坪 自分は、2年生の春に部を一度離れましたが、その時に一つ上の先輩たちの代でデータを担当されていた方に「ちょっと手伝ってくれ」と言われて、もともとデータ関係、アナリストに興味があって大学を志望したので、その関係もあって去年の秋からすこしずつ手伝い始めて、今年新チームになってから監督さん(小宮山悟監督、平2教卒=千葉・芝浦工大柏)に「正式に部員として戻ってこないか」と言っていただいて。そこで自分も「データを自分でやってみたい」ということがあったので、そこで「勉強にもなるしいい経験にもなるな」と思ったのでデータ班に戻ってきた、という形です。

――部を離れている間にも自分でデータの勉強をされていたのですか

大坪 「データスタジアム」でバイトをさせていただいて、どういう風に分析しているのか、といったことや分析項目を見たり、「データスタジアム」で働かれている方とZoom(ズーム)で話を聞かせていただいたり、といったことを何度かさせていただきました。

――分析に興味を持ったきっかけは

安齋 自分は、勉強の方でも文系ですし、数学は一番できないので、分析には正直今でもあまり興味はありませんが(笑)、本格的な分析は大坪が得意ですしやってくれるので、自分は分析にはあまり興味はありませんが、チームに関われるという点でやっている意義ややりがいはあります。他の形もありえましたし、たまたま分析という形になった、というだけですが(笑)。

大坪 自分は、高校1年か2年の時に『球辞苑』という、野球に関する一つのテーマに沿って、様々な数値を見ながら深堀りしていく番組があったのですが、その番組を観た際にスポーツアナリストという職業の方がいることを始めて知って、そこから「スポーツを科学的に、数値を見て分析していくこと」に対して興味を持ち始め、そこから「アナリストって面白いんだな」と思ったので、高2から大学選びでも「アナリストの勉強ができる所」、筑波大か早稲田のどちらかにしようかな、というところで、興味を持った形です。

――その中で早稲田を選んだ理由は

大坪 それはもう「受かったから」です(笑)。筑波大には落ちてしまったので。

(春季リーグ戦では)「六大学のレベルでも十分にバッターが勝負できることは分かった」(大坪)

質問に答える大坪

――アナリストの視点で春季リーグ戦を振り返ると、収穫はどこにあると考えますか

大坪 バッター陣が、序盤は打つべき人が結構打てていたので、終盤は疲れなどもあって身体のキレが落ちてきて球速に対応できていなかったかな、という部分はありますが、六大学のレベルでも十分にバッターが勝負できることは分かったので、そこを上手く、秋はシーズン通して体力を落とさない、(体の)キレを落とさない、というところを目指してやってもらいたいです。

――逆に課題はどこにあるとお考えですか

大坪 加藤(加藤孝太郎、人4=茨城・下妻一)が頑張ってくれて、第二先発も固定はされていませんでしたが頑張ってくれましたが、やはり数値的に見るとアウトを取れない、空振りが取れていないので、やはりそこ(が課題)ですね。空振りを取れないと打ち取れる球がないので、それでどんどんヒットを打たれてしまって失点がかさんでしまったので、そこをピッチャー陣が全体を通して上手くカバーしていけたらいいんじゃないかな、というところです。

――リーグ戦以外の期間はどういった活動をしていますか

大坪 春(春季リーグ戦)が終わってからは、自分と1年生で新しく入ってきてくれた伊藤(光輝、教1=埼玉・早大本庄)とでプログラミングをやっていて、トラックマンのデータがあるので、投手が投げたコースに沿って、サーモグラフィーカメラのような感じで投げたコースが赤くなり、投げていないコースが青くなる、というようなグラフを作ったり、あとは自分が個人的にゼミの先生に教えてもらってボールの軌道を再現する、というようなプログラムを作ったりしていましたが、それくらいかな。

安齋 上でパソコンの作業をするだけでなく、結局は「チームにどう貢献できるか」だと思うので、人が足りていなければ練習の補助などもしますし、なんでもやるように、という感じでやっています。少し綺麗事みたいですが(笑)。

――アナリストをやっていてよかった経験は何ですか

安齋 他の大学とのリーグ戦の前に、全5回ミーティングがあるのですが、そこでは選手だったり監督・コーチの前で話すので、絶対に正しい数字を出さなければいけませんし、分かりやすく伝えなければいけませんし、ということで人前でしゃべる、伝えるというところについてはすごく良い経験だったと思います。

大坪 同じようにみんなの前でしゃべるのはいい経験だったと思うのと、自分の出したデータにも少なからず責任があるので、そういった意味で「チームと一緒に戦えているかな」「勝ってほしいな」という思いがより強くなったこともありますし、「チームの一員になれた」ということが個人的には一番うれしいところです。

――アナリストをやっている中での苦労や難しいところはどこにありますか

安齋 自分が野球をやっている中でもデータはあまり見てきませんでしたし、数学も全然できませんし、そういった中でも毎日数字とにらめっこしながらやらないといけないので、そこは本当に気が滅入るといいますか、クラクラする感じはありますね(笑)。

大坪 正確なものを出さないといけないので、一つ一つ丁寧にやっていると人手が足りないというところで、自分はもっといろいろなことをやりたいと思いますが、どうしても自分と安齋とほか数人だけではリーグ戦のデータ修正、最初に試合で入力してもらったデータを正しいデータに入力し直す作業だけでも1カ月以上かかってしまったりしていたので、人数がもう少しいればいいな、とは思いますが、ね(笑)。

――アナリストという仕事の魅力はどういった点にあると感じますか

大坪 データが一番すごいのは東大さんになると思いますが、あくまで数字ではありますが、そこに人間の傾向が出ると思うので、例えばストレートの割合が多くなっている場合には、「その時に変化球が来ても仕方ない」と割り切ってストレートを狙って打てば、ノーチャンスだった選手が少なからずバットにボールを当てたり、ヒットを打ったりする可能性が生まれるというところで、パフォーマンスの向上に絶対につながると思うので、数字だからといってバカにできるものではなく、ちゃんと出したデータにはそれなりの根拠があるわけで、それに沿ってプレーをすることによって今までとは違う結果になるのでは、という点がデータをやっていて面白いところですし、見ていても面白いのではないかと思います。

安齋 自分も同じ感じですが(笑)、野球は「確率のスポーツ」だと思うので、今「(データには)根拠がある」と大坪が言っていましたが、その因果関係、「これがこうだったからこうなった」みたいなものは、データに触れてからは野球以外でもすごく強く意識するようになったかな、と思います。新しい野球の魅力に気づけたのはよかったのかな、と思います。

――東大の話が出ましたが、他大のアナリストとの交流はありますか

大坪 トラックマンの星川さん(星川太輔氏、trackman baseball日本法人代表)という方が六大学のアナリストの交流会のような会を開いてくださって、その時に全大学が集まって講義を受けて、その後にみんなでご飯に行った、という感じです。

――そこではどういった話をしましたか

大坪 自分はご飯に行っていないんですよ(笑)。他にいる伊藤が代わりに行ってくれて、その時は「あの選手がどうこう」というような話をしていたらしいです。

――データがあったからこそ生まれたプレーや勝利はありますか

大坪 「このプレー」というのはありませんが、去年からずっと監督の采配としてバントのサインが多く、今年の春も多かったのですが、監督と二人で話した際に「本当はバントではなく打たせたい、盗塁などを仕掛けたい」と言われ、「そのために必要なデータはありますか」と聞いた際に「こういうデータを出してくれ」と頼まれてデータを出した時に、最初の東大戦でエンドランやバスターを使ってくれたりするなど、リーグ戦の序盤はバント以外の戦術も多かったりしたので、「自分が出したデータを使って戦略を少し変えてくれているのかな」ということは感じたので、そこはすごくうれしかったですね。やはりデータを出しても「100パーセントこれ」というのは言えないので、というよりも自分たちが「これがこうなのでこうしてください」とはあまり言えないので、「ただ事実を言え」と言われているわけなので(笑)、「こういうデータがあります、あとは好きにしてください」みたいな。

――キャッチャーの配球のデータを示した場面などはあまりないのですか

大坪 一応、配球のクセなどは出したりしていますが…。明確に「この場面で」というのは難しいかもしれませんが、それこそ東大戦、立大戦ではみんなすごく打ってくれたので絶対役に立ったかな、という。あの4試合はすごく良い試合だったかな、と思いますね。

「早稲田を目指して、何とかここまでしがみついてきた」(安齋)

質問に答える安齋

――お二人は一般入試を経て入学されていますが、早大を目指したきっかけは

安齋 自分は、小学5年生の時に早慶戦を見て「めっちゃ格好いいな」と思い、「早稲田か慶応かどちらかで(野球を)やりたいな」と思って。でも高校時代は全然勉強をしていなくて、野球ばかりしていて2浪してしまいましたが、自分の性格的にも早稲田のほうが合うかなと思って早稲田を目指して、何とかここまでしがみついてきた感じです。

――大坪さんはアナリストの勉強以外に早大を目指した理由はありますか

大坪 大学のことを全然知らなくて、早稲田は有名なので一応知っていましたが。「どこに行こう」と考えた時に、最初はずっと筑波大を目指していて、(高校の)監督に「早稲田の指定校あるぞ」って言われて、「行けるなら行きたいな」と思って目指そうとはしましたが、他の、めちゃめちゃ成績の良い人がその枠を取ってしまったので「じゃあ無理だな」と思って、一度はあきらめかけましたが、高校時代の監督に「早稲田を目指してみろ」と言われて「じゃあ勉強を頑張ろうか」ということで野球が終わってから勉強を頑張って、たまたま早稲田だけ引っかかった、という感じです。

――筑波大と早大以外には受験しなかったのですか

大坪 いや、受けました。法政も滑り止めで受けて、落ちましたね(笑)。センター(試験)が良すぎて、気を抜いて勉強をしなくなったら全部落ちてしまいましたね。危なかったです。

――安齋さんは2年の浪人を経ての入学ということですが、入部にあたってブランクがあることによる不安やためらいはありましたか

安齋 高校の1つ上の先輩が早稲田の野球部にいて「すごく走るよ、やばいよ」みたいな感じでめちゃめちゃ脅されていましたが、小5の頃から行きたいと思っていたこともありましたし、現役の頃と浪人の2年間、ずっと「早稲田の野球部に入りたい」ということで、それだけで勉強をしていたので、早稲田の野球部に入ることに対して不安はありましたがためらいは全然ありませんでした。

――「浪人していてよかった」と感じることはありますか

安齋 どうですかね(笑)。ストレートで入れるに越したことはありませんが、2年間、自分の学力が全然足りていない状態、早稲田なんて到底入れるような人間じゃなかった状態から、2年かかりましたが、2年間頑張り続けた事実は自分の中で自信みたいなものになっていますし、他人と話していても2浪している人はそうそういないので、「すごー」みたいになるのはありますね。話題になりますし、良かったのかなというのはありますね。

――アナリストになる以外にもトレーナーやマネジャーになる選択肢があったと思いますが、他の役職への興味はありましたか

安齋 マネジャーになる選択肢はありませんでした。すでに決まっていましたし、自分の性格的にも絶対に無理だと思っていたので。トレーナーかアナリストか、という感じでしたが、トレーナーとなると、自分は他人にトレーニングをさせるような体をしていないので(笑)、「俺が言っても説得力がないな」というのはあったので、「アナライザーのほうがいいかな」という、消去法的な感じでしたね。

――大坪さんは札幌第一高時代に甲子園に出場された経験を持つなど、選手としても一線級で活躍されていたと思いますが、アナリストとしてそうした経験が生きたことはありますか

大坪 自分がプレーしていた時にはデータというよりは来た球を打つ直感タイプだったので、選手がどういうデータを欲しがっているかは自分がプレーしていたころとは違う方向で見たりしていますが、小学校の頃は捕手をやっていたりしたので、(捕手の)印出(印出太一、スポ3=愛知・中京大中京)とかともよく話しますが、配球の傾向などを見る際にはプレーしていた時の経験が生かされていると思います。

――同期にはセンバツでも対戦経験のある野村健太選手(スポ4=山梨学院)がいますが、入部当初の印象は

大坪 入ってからしばらくしてから「あの時(※)は打ちすぎじゃない?」って言ったら「マジで早く終わってほしかった」って言われました(笑)。しょうがないよね。(※)2019年のセンバツでは、大坪の所属する札幌第一高と野村の所属する山梨学院高が1回戦で対戦し、山梨学院高が24対5で勝利した。

――他大学でも札幌第一高出身の方が多く活躍していますが、選手への未練はありましたか

大坪 ありますね。今でも試合に出られるなら出たいとは思いますが、いろいろあって一回辞めたので、それでも部に戻ってこられたことに感謝しているので、そこはもう割り切って、アナライザーとしてみんなのために頑張ろうと思っています。

――プライベートの質問になりますが、お二人はオフの日には何をされますか

安齋 オフの日には一人でドライブに行ったり、本を読むのが好きなので本を読んだりですかね。月並みですが。東京中をぐるぐる回って、「良い景色だな、大人になったな」と思いながらドライブをしたり、小説を読んだり。

大坪 「お気に入りの一冊」はないの?

安齋 「お気に入りの一冊」はない。いろいろ読みますね。なんでも読むという感じです。

大坪 自分は、何もない時には家から出たくない人なので、ご飯を食べるとき以外はずっとベッドの上にいる、というような感じか、マージャンをするか、という感じです。ラーメンを食べに行くのはすごく好きなので、ラーメンを食べに行く時以外はあまり家から出たくないかな、という感じです。

――お二人はプライベートでの交流はありますか

安齋、大坪 ないですね。

大坪 彼(安齋)の家が遠いので。全然遊んでくれないです(笑)。ドライブするなら連れていってくれよ(笑)。俺もドライブ好きだから。

安齋 (連れて)行きます。

「『自分たちがアナライザー、アナリストとして活動したんだぞ』というものを残せるように」(大坪)

笑顔で取材に答える二人

――アナリストの視点から、チームの印象はどのようにとらえていますか

大坪 今の状態は良いとは言えませんが、今日の試合もそうですけど。今日の試合は一見するとピッチャー陣に問題があるように見えますが、バッター陣も全然打てていないので。最近のオープン戦でも145キロを超えるようなピッチャーからは全然打てていないので、そういうところからも打者の調子ももう少し上げてもらいたい、投打ともに気合いを入れてほしいかな、という感じですね。

安齋 受験期や小学生の頃など、外から見ていた頃と比べて、実際に中に入ってみて、早稲田の人たちの熱量、「リーグ戦で勝つことに対する熱意のようなものが強いんだな」と感じることはありますし、それは先輩たちもそうでしたし、自分たちの代でも主将の森田(森田朝陽、社4=富山・高岡商)、学生コーチの肥田(肥田尚弥、スポ4=大阪・早稲田摂陵)たちを中心に、他大に絶対に負けていないところだと思っています。

――この秋季リーグ戦での注目選手は

大坪 自分が今一番期待したいと思っているのはピッチャーの澤村(澤村栄太郎、スポ4=早稲田佐賀)ですね。4年生で、このシーズンになってAチームに上り詰めて、自分の力でしっかり投げ切って、今日も気合いを見せて三者凡退で抑えていたので、この秋も投げると思うので、4年生の意地を見せてもらって、ピッチャーを支えてもらいたいと思います。

安齋 自分は主将の森田かな、と思います。今日も代打でホームランを打っていましたが、自分たちの学年は1年生の頃からいろいろとつらいことなどがありましたが、その中でも森田が率先してみんなをまとめたりしているのを見てきて、今もキャプテンという立場になってチーム全体を引っ張っていっているのを見て、森田の状態がどうこうとは言えませんが、個人的には打って活躍してほしいとは思っています。

――警戒している他大の選手は

安齋 明治の上田(上田希由翔)選手です。この前の大学日本代表対高校日本代表の試合の時もそうでしたが、「違う次元でやっているかな」という感じのバッターなので、それをどうにかピッチャー陣には抑えてもらいたいと思いますし、自分も貢献できるように頑張ります。

大坪 打ってほしいという意味でも法政の尾崎(尾崎完太)投手ですかね。春は法政戦で尾崎投手にボッコボコにやられて、全然打てなかったので、リベンジ、法政戦で二つ取るという意味でも尾崎投手をボッコボコにしてほしいです。

――同期への思いは

安齋 さっきも言いましたが、自分たちは1年生の時から本当につらくて、それはそれはつらかった時期を、みんなで色々ありましたがなんだかんだで乗り越えて最後のシーズンになったので、月並みですがこのメンバーで優勝して、日本一になりたいと思っていますし、自分もそれに貢献できるように頑張りたいと思っています。

大坪 優勝は絶対にしたいと思っているので、試合に出ているメンバーは死ぬ気で目の前のことに一つ一つ、一球一球気合いを入れてやってほしいですし、試合に出られないメンバーもつらいとは思いますが各自ができることをやって、最後は全員で笑ってシーズンを終えられたらいいかな、と思っているので、みんなで勝てるようにみんなで頑張ってほしい、という感じです。

――個人的としてのラストシーズンへの意気込みをお願いします

安齋 データ、アナライザーというのは、これまでは4年生が選手と掛け持ちでやる形でしたが、自分たちの代からアナライザーというポジションを作って専門でやる人を作ろう、ということで自分と大坪がやっていて、まだまだ未熟と言いますか、形にもなっていませんが、これから早稲田はデータという側面でもっと強くなれる、今はデータといえば東大や筑波大ですが、「データといえば早稲田」と思われるくらいの組織づくり、爪痕や土台みたいなものを、このラストシーズンで大坪と一緒に残せたら、という感じですね。

大坪 もちろんリーグ戦のデータなどは自分たちができることを全力でやってデータを出して、そのほかにも手伝えることは手伝って、今安齋が言ったように「自分たちがアナライザー、アナリストとして活動したんだぞ」というものを残せるように、残り少ないですが毎日頑張っていきたいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 田中駿祐、星野有哉、林田怜空)

今秋はデータを用いた戦い方にも注目です!

◆大坪蓮弥(おおつぼ・れんや)(※写真左)

2001(平13)年4月29日生まれ。170センチ、64キロ。北海道・札幌第一高出身。スポーツ科学部4年。アナリスト。

◆安齋優大(あんざい・ゆうき)

2000(平12)年1月12日生まれ。174センチ、98キロ。東京・成蹊高出身。文学部4年。アナリスト。