第4回には齋藤正貴(商4=千葉・佐倉)と山縣秀(商3=東京・早大学院)の商学部コンビが登場。中継ぎエース、正二塁手としてそれぞれ活躍されているお二人に昨季の振り返りや東京六大学秋季リーグ戦(秋季リーグ戦)の意気込みを伺った。
※この取材は8月31日に行われたものです。
「結果にこだわって」(齋藤正)
――春季リーグ戦は4位という結果でしたが、振り返っていかがですか
齋藤 出だしが良かった分、後半から失速して、悔しい気持ちでいっぱいです。
山縣 勝てると思った試合を落とすことがあり、リーグ戦を通して自分たちの弱いところが見えた分、夏に課題を克服して秋のリーグ戦へ向けてというところで、ポジティブに捉えられる春のリーグ戦だったと思います。
――具体的に課題というのは
山縣 昨年、一昨年と1球や1試合に対する熱量、その1球で試合を落とすとか、1勝で優勝を逃すなどが秋のリーグ戦が終わった時にありました。ただ、春はそこを意識していても足りず、優勝はできなかったので、もっとそこにこだわってやっていかないとなと思います。
――個人として春季リーグ戦を振り返っていかがですか
齋藤 自分は試合の後ろで投げることが多かった中で、法大4回戦で9回に勝っている中でホームランを打たれて負けてしまいました。オープン戦を通しても失点があの2点だけだったというのはすごく悔やまれますし、あの敗北から明治にも2連敗して、慶応にも勝ち点を落としているので、正直自分のせいかなというのはありました。
山縣 自分は前半は調子が良かった分、後半の失速が目立ったなと思います。バッティングの面でも守備の面でも自分が思うようなプレーができなかったなと思います。持続力の無さ、継続力の弱さを感じたリーグ戦でした。
――現在までに行われた夏季オープン戦を振り返っていかがですか
齋藤 オープン戦は基本的に投手が崩れて負けることが多くて、全早稲田戦も投手の失点で負けていますし、ピッチャーの調子が上がりきってないなと感じます。チームに迷惑をかけていますし、どうにかしなければならないなというのをピッチャー全員で感じていると思います。
山縣 勝っている試合は点数が結構多く取れている試合で、ロースコアではなく打ち合いの試合だと思います。負けた試合は得点も1、2点で、そうなるとピッチャーも苦しいと思うので、打撃陣ももっと頑張らなければいけないなと思います。
――チームとしてどのような目的を持って夏季オープン戦に臨まれていますか
齋藤 ピッチャーはキャンプが終わるまでは、いろいろなことにチャレンジしながら課題を見つけてそれを課題をつぶすということをしていました。キャンプが明けてからは結果にこだわっていこうという感じでした。ですが、なかなか抑えられていないところもあるので、そこは課題だなと思います。
山縣 野手のほうは、まずは勝つことを意識しています。その中で夏季オープン戦が始まった当初は積極的なプレーをして失敗を恐れずにやっていくという感じでした。リーグ戦が近づくにつれて積極的なプレーはしつつも、その中でミスをしないようにと、段階を踏んでリーグ戦に向けて試合を運んでいくという感じです。
「チャンスこそ1本出せるように」(山縣)
質問に答える山縣
――山縣選手にお聞きします。この夏の課題や強化している部分について教えてください
山縣 この夏の課題はバッティングです。自分は長打を求められているというよりかは、相手にとって嫌なバッターになりたいと思って練習しています。ピッチャーが嫌がるバッターはスイングしてくるが、ボール球は振らないなどいろいろあるのですが、自分の中では嫌なヒットを打つバッターが嫌なバッターだと思います。「ここにしっかり投げたのに」と思わせたり、ボテボテのゴロでも三遊間を抜ければ安打になるので、相手は負荷がかかるので、そういうことができるように執念を持って夏の期間は取り組んできました。その中で強いスイングをするためにウエイトトレーニングをしたり、ピラティスをして体幹を鍛えたりしています。
――夏季オープン戦ではコンスタントに安打を重ねている印象なのですが、どのようなことを考えながら打席に立っていますか
山縣 今まではヒット1本で満足してしまっていたのですが、今は2本、3本ヒットがほしいなと思っていて、1試合1本だと物足りないですし、自分はチャンスに強くなく、チャンスに強い選手にこれからなっていかなければならないと思うので、秋のリーグ戦ではチャンスこそ1本出せるようにしたいなと思います。
――昨年の秋季リーグ戦からスタメンに定着して、1年が経とうとしていますが、この1年間で成長したことはありますか
山縣 守備だったら大事にいきすぎるところがなくなったというか、いい意味で慣れてきたところはあります。1テンポ早くファーストまで届けられるようになったと思います。バッティングは2年の秋は怖いもの知らずで大胆さだったなと思います。今は成長している途中なのかなと思います。何かきっかけがあれば昨年の秋よりも変わったバッターになれると思うので、今は成長途中です。
――秋季リーグ戦後には新体制となりますが、来年を見据えて取り組んでいることがあれば教えてください
山縣 来年はショートを守ることになると思うのでその練習はしています。ですが、とにかく今年優勝したいので今は今年のことしか考えていないです。
――夏のキャンプはどのようなことを考えて練習していましたか
山縣 一番はケガをしないようにということです。ケガをしたら試合に出られなくなりますし。あとはバッティングで、スイングの量が多かったので、強くスイングするということを意識して2週間やっていました。
「周りの人への感謝や恩返しの気持ちを強く持って」(齋藤正)
質問に答える齋藤正
――続いて齋藤選手にお聞きします。夏のキャンプでは課題をつぶすという目的を持って臨んだと仰っていましたが、どのようなことに重点を置いて練習に取り組みましたか
齋藤 投球の引き出しを増やすというか、投球幅を広げるために、ブルペンでバッターを立たせてインコースに投げる練習をし、自分の得意球をどのように生かすのかというのを考えて練習しました。また、リーグ戦の第3回戦を見据えて、キャンプでは結構走り込んで体を追い込んだ状態でピッチングをしたり、練習をしたりしました。
――夏季オープン戦全体の成績を振り返っていかがですか
齋藤 打たれた試合は明らかに球が高く、相手もレベルの高い社会人で少しでも甘くいくと打たれました。リーグ戦でも高い球を打たれた部分があって、そこを再認識させてもらえて、自分を見つめ直すいい機会になったと考えています。その反省を生かして低めに投げようというように、今は頑張って投げている状態です。
――この夏の期間を通して見つかった収穫はありますか
齋藤 自分は特に左打者相手には本当にアウトコース一辺倒で、アウトコースのストレートや変化球で打ち取るという感じでした。しかし、インコースに投げることによってもっと楽に打ち取れるというのが、実戦でインコースに投げてやっとわかってきたことなので、それが収穫です。
――一方で課題はありますか
齋藤 インコースへの制球は、アウトコースに比べてまだまだ悪いので、そこは改善していかなければならないと思っています。
――齋藤選手にとって今度の秋季リーグ戦が大学生活最後のリーグ戦になりますが、特別な思いはありますか
齋藤 大学に入り、この環境でいろいろ成長させてもらった部分もありますし、周りの人に支えられながらやってきたので、本当に周りの人への感謝や恩返しの気持ちを強く持って臨みたいと思います。
「4年生がいいかたちで引退できるように」(山縣)
取材に応じる二人
――続いて秋季リーグ戦について伺います。開幕が迫っていますが、現在の心境はいかがですか
齋藤 自分としては大学最後のリーグ戦が迫っているなという部分で、リーグ戦を意識しながらの練習に入っていて、緊張感も徐々に出始めていると感じています。
山縣 自分はまだそこまで実感がわいてないですが、ちょっとずつリーグ戦の話が出てくる中で急に緊張したりとか、そういう日もあったりします。
――意識している大学または選手はいますか
齋藤 法大の内海(内海貴斗)には春季リーグ戦で打たれて、周りからもよく言われるので意識している部分はあります。
山縣 特別意識している選手はいませんが、明大の堀内選手(堀内祐我)がセカンドのベストナインを取ったので、今季こそ堀内選手よりいい成績を残せるようにという意味では意識しています。
――チーム内で注目している選手はいますか
齋藤 投手になりますが、1年生の越井(越井颯一郎、スポ1=千葉・木更津総合)と宮城(宮城誇南、スポ1=埼玉・浦和学院)と森山(森山陽一朗、スポ1=広島・広陵)と香西(香西一希、スポ1=福岡・九州国際大付)にはものすごく注目していて、このオープン戦でも結果を残しているので、リーグ戦でも登板があるかもしれないと思っています。1年生だからというのもあるかもしれませんが、元気にのびのびと野球をやっているので本当に期待しています。
山縣 尾瀬(尾瀬雄大、スポ2=東京・帝京)だと思っています。尾瀬が先頭で出塁するかどうかで試合の進め方が全く変わるというか、尾瀬が出たら点が入りますし、そんなにプレッシャーをかけているわけではないですが(笑)、それくらい注目しています。
――秋季リーグ戦でのチームとしての目標と個人としての目標を教えてください
齋藤 チームの目標としては絶対リーグ優勝です。個人としては、後ろを任されることが多いと思うので、任されたイニングをしっかり全部0で抑えるというのを目標にして、優勝に貢献できるように頑張りたいです。
山縣 もちろんチームとしてはリーグ戦優勝で、個人としては打率3割とノーエラー、盗塁をできるだけたくさんといったところです。記録に残らないエラーも無くしていけたらいいかなと思います。
――最後にリーグ戦への意気込みをお願いします。
齋藤 大学最後のリーグ戦で集大成となるので、本当に結果にこだわって頑張っていきたいと思います。
山縣 4年生がいいかたちで引退できるように、優勝目指して頑張ります。
――ありがとうございました!
(取材・編集 沼澤泰平、近藤翔太)
同学部、同ゼミの二人の活躍に注目です!
◆山縣秀(やまがた・しゅう)(※写真左)
2002(平14)年5月1日生まれ。176センチ、77キロ。東京・早大学院高出身。商学部3年。内野手。右投右打。齋藤選手はスライダーのキレがすごいと話してくださった山縣選手。同学部の先輩の最後の雄姿のために、チャンスでの一打に期待です!
◆齋藤正貴(さいとう・まさき)
2001(平13)年4月16日生まれ。182センチ、75キロ。千葉・佐倉高出身。 商学部4年。投手。左投左打。山縣選手は守備がうまいという印象と話してくださった齋藤選手。バックと信頼し、左のリリーバーとして早大のブルペンを支えます!