【連載】春季リーグ戦開幕前特集『勇往邁進(まいしん)』 【第5回】梅村大和

野球

 昨年は代走や守備固めで大きく貢献した梅村大和(教3=東京・早実)。中川卓也(令5スポ卒=現東京ガス)が務めていた三塁手のレギュラーに名乗りを上げる梅村に、スタメンとして出場するに向けた取り組みや役割について伺った。

※この取材は4月7日に行われたものです。

「(守備では)100パーセントの自信を持って挑んでいかないと」

城西国際大戦で打席に入る梅村

――まず、この冬の練習についてお聞きします。冬の練習全体を通して重点的に取り組まれたことはありますか

 自分の課題はバッティングにあると思っていたので、バッティングを重点的にこの冬はやろうと思っていました。力強さやスイングスピードを上げていかないと駄目だなと思っていたので、そこを冬の期間に少しでも伸ばそうと思ってやっていました。

――冬の練習を通して手応えやご自身の中で変化したと感じることはありますか

 金森助監督(金森栄治助監督、昭54教卒=大阪・PL学園)が来られてからここまでの期間に何度も話したり指導いただいたりして、冬の間にやったことと金森さんに教わったことを組み合わせて、スイングの無駄な部分を省くというところを意識しながらやっていました。その中で今までよりはシャープでコンパクトなスイングになってきたのかなと思っています。

――金森助監督についてもう少し伺いたいのですが、金森助監督から具体的にどんなことを教わりましたか

 金森さんが来てからチームとして教わってきているのは「ボール球を振らないこと」と、「甘い球を打つこと」と「無駄な部分を省く」の3つです。個人的には速いピッチャーが来た時にそのまっすぐに振り遅れないスイングを身に付けていったほうがいいと教わったので、「下半身の部分も含めてとにかくコンパクトに」ということは金森さんに教わっていく中で今一番大事にしている部分だと思います。

――金森助監督が今年チームの助監督として就任されてチーム全体でも個人としてでも何か変わったことや効果を感じたことはありますか

 逆方向へのいい打球が増えているというのは金森さんがいらしてから顕著に変わった部分だと思います。バッティング練習でもそうなんですけど、金森さんは「ボールを巻いて打つのではなく、弾いて打て」とおっしゃっていて、コースに逆らわずにしっかりボールを弾いて打つ中で、逆方向の打球がオープン戦を含めてチーム全体で増えていると思います。

――今年はWBCがありましたが、野球部の選手の方々と一緒に見ることはありましたか

 あの時は沖縄キャンプ中だったのですが、日本でやってる時はちょうど夜ご飯の時間だったので、その時はみんなで見ながら食べるなどしていましたね。

――次は今の調子について伺いたいと思います。今のご自身の調子を100%を満点として表すとしたら大体何パーセントくらいですか

 50パーセントくらいですかね

――なぜですか

 キャンプの序盤の方はすごく体が動いていたこともあって状態も良かったです。でも後半にかけて関西や愛知遠征でいい投手と当たっていく中でまだ捉え切れない部分があって、ちょっとスイングに迷いが出たところがあり、なかなか調子が上がり切らなかったところがありました。だから50パーセントです。

――バッティング、守備、走塁について一つずつ伺います。まずバッティングの調子についてはいかがですか

 東京に帰ってきてからなかなか調子が上がり切らないというところがあり、金森さんと鈴木コーチ(浩文、平5社卒=東京・関東一)にもいろいろ指導いただいて、無意識のうちにちょっとずつフォームが変化していたとわかりました。教えていただいてそこを意識しながら振っていく中で、調子は上がってきたかなと思います。

――次に守備についてお願いします

 元々守備は自信がある方なんですが、この前のオープン戦で1個エラーしてしまいました。リーグ戦になった時にそういうミスというのは1個でも致命傷になってくるのでリーグ戦を迎える中でもっともっと上手くなっていかなくてはいけないですし、数を受けて100パーセントの自信を持って挑んでいかないといけないなと思っているのでまだまだ満足はしていないです。

――冬の練習の間で先ほどはバッティングの話が多かったと思いますが、守備で何か意識されていたことはありますか

 冬の期間は守備に関してはずっとサードを守っていて基礎的な練習もたくさんやりました。冬の時点からリーグ戦をある程度見据えて、明治大学などは足の速い選手が多く、そういうバッターを想定して速いランナーをアウトにしていかないといけないので、打球への入り方や送球の投げる位置とかも意識していかに早くアウトを取るか、速いバッターをアウトにするかを意識してやっていました。

――走塁についていかがですか

 自分の一番の武器は足だと思っているので、どんどん塁に出たらチャレンジして先の塁を狙っていくのはいつもやっていることなので特に変化はないです。しかしその中でもリーグ戦というのはアウトになったら流れを向こうに持っていかれます。今までのオープン戦などに比べたら緊張感も出てきますし、そこでアウトにならずに先の塁に進むというのは今までよりちょっと変わってくるというか、どんどん先に行けばいいというものでもないので、そこは判断して、行く時はしっかり行ってチームに走塁で貢献できるようにやっていきたいと思います。

――次はオープン戦について伺います。オープン戦を振り返って率直にいかがですか

 この期間で試合にも出させていただいて打席に数多く立っていく中で、今までとは違ってピッチャーも変わっていくのでそこにしっかり対応して出塁するというところは難しかったです。オープン戦でいい大学に当たった時にいいピッチャーだと3、4打席の中でもそうそう塁に出れないので、そこでいかに塁に出るかというところから考えながらオープン戦を過ごしていました。だから自分にとっては大学生活の中で一番濃い期間になりました。

――オープン戦の中でのご自身の調子についてはどう考えていますか

 前半の方はいい形でバットを振れてたというところもありました。リーグ戦同様後半になってきたら疲労も溜まってきてその中でいかにチームに貢献できるかが大事だと思っているのですが、オープン戦では後半の試合でなかなか調子が良くなかった部分があったので、いい勉強になりました。もっと体力つけてやっていかないといけないと思いました。

「1点でも多くホームベースを踏めるように」

福岡工大戦で打席に入る梅村

――春季リーグ戦に向けて伺いたいと思います。まずチームとしての目標をお願いします。

 去年からベンチに入れさせてもらって、今の4年生の方々ともベンチに入っている方々とも長い時間を過ごしていて、4年生の方が優勝したいという気持ちを強く持ってやっているのを見ているので、その4年生の気持ちを無駄にしたくないです。チーム一丸となって優勝を取りたいというのは4年生の姿を見て思っているのでチームとしてまずはリーグ優勝を取れるようにという気持ちを持ってやっていきたいと思っています。

――個人としての目標をお願いします

 個人としての目標はやっぱりまず試合に出続けるというところが一番の目標です。そこは常に冬の時点から目標にしてやってきたことなのでぶれずにやっていきたいと思いますし、試合に出たからには自分の武器をチームのために生かせるように、まず塁に出てできるだけ先の塁に進むという部分をやっていきたいと思っています。

――今年は開幕スタメンなどチームの主力として期待される中で春季リーグ戦を迎えると思うのですが、今までの春と今年の春で気持ちの違いはありますか

 試合にここまで多く出させていただいて一試合出ることの大変さを経験したので、去年とは全然違う気持ちで開幕を迎えると思います。でも自分の立場としてはまだ固定されているわけではないので、リーグ戦中もそうですけど、なんとかアピールしてレギュラーをつかめるようにという気持ちでやっています。そこは去年とは全然違う気持ちだと思います。

――三塁手はポジション争いが予想されていますが、その中でスタメンを勝ち取るために必要なことやご自身の強みは何だと考えていますか

 他のサードの方とは違う武器としては足や守備というところがあると思います。また他の方々に負けないくらい打つというところも必要だと思うので、自分の長所を生かしつつ打撃面の方でも自分の今までやってきた力を出せれば大丈夫かなと思います。

――チームメートの中で、ライバルでも参考にしている方でもどちらでもいいですが、特に意識されている選手はいらっしゃいますか

 参考にしているという部分では熊田さん(熊田任洋副将、スポ4=愛知・東邦)です。守備でも隣で守っていますし、普段もよく話をするんですけど、熊田さんが練習中や練習後の自主練やトレーニングで人一倍真剣に取り組んでいるところは間近で見て本当に勉強になりますし、ああいう取り組み方をもっと自分もしなければいけないと熊田さんを見て思っています。

――今年は春季リーグ戦の応援も新型コロナウイルスの影響が緩和され、応援席の復活など今まで以上に活発な応援が予想されますが、それに関してはいかがですか

 応援があるのはすごくありがたいことだと思うので、応援のあるなしでやることは特に変わらないですが、応援の力を最大限にもらって戦いたいなと思っています。

――最後に春季リーグ戦に向けて意気込みをお願いします

 まずは新チームが発足してからリーグ優勝することをずっと目標にしてやってきたので、そこに貢献することが一番の仕事だと思います。とにかく試合に出て1点でも多くホームベースを踏めるように全力で元気だして試合をやっていけたらと思っています。

――ありがとうございました!

(取材・編集 梶谷里桜、写真 田中駿祐)

質問に答える梅村

◆梅村大和(うめむら・やまと)

2002(平15)年1月6日生まれ。170センチ、74キロ。内野手。東京・早実高出身。教育学部3年。寮に入る前は自宅から通っていたという梅村選手。オフの日は実家に帰ってご飯を食べたり、チームメートとサウナに行ったりするそうです!