明大・村田に完封許し、今秋初黒星/明大1回戦

野球
TEAM
明 大
早 大
(早)●加藤、原、伊藤樹-印出

※氏名に旧字体を含む場合は、原則として新字体に直して掲載しております。

 開幕節となった法大戦で2連勝を飾った早大。この日は東京六大学春季リーグ戦の王者・明大との1回戦に臨んだ。4季ぶりのリーグ戦制覇へ、先勝して勢いに乗りたい早大だったが、相手先発・村田賢一(3年)の前に打線がつながらない。わずか93球で完封され、今季初黒星。明大からの勝ち点奪取に向けて後がなくなった。

好機での一本が出なかった

 この日早大の先発を任されたのは、エース加藤孝太郎(人3=茨城・下妻一)。初回、先頭打者に四球を与えるなど厳しい立ち上がりとなった。その後も制球に苦しみながらの投球が続く。4回、宗山塁(2年)の二塁打と内野ゴロで1死三塁とされると、続く日置航(4年)の犠飛で1点を献上。さらに2連打を浴びるも続く打者は打ち取り、最小失点で切り抜けた。その後も走者は出すものの無失点に抑え、加藤は7回でマウンドを降りる。後を継いだ原功征副将(スポ4=滋賀・彦根東)も8回を三者凡退で抑え、打線の援護を待つ。

 投手陣の粘投に応えたい野手陣だったが、明大の先発・村田の前に決定打が生まれない。3回、チーム初安打を放った加藤が二塁まで進むが、後続が凡退。4回には走者を一塁に置いて中軸を迎えたが、4番・蛭間拓哉副将(スポ4=埼玉・浦和学院)が2球目、5番・野村健太(スポ3=山梨学院)が1球目を打ち上げ、チャンスを逸した。5回にはこの試合初めて先頭打者が出塁し、犠打で二塁まで進めるも、今度は併殺打で無得点。6、7回にも安打は生まれるものの後続が倒れ、本塁はおろか三塁を踏むこともできない。

原の好投が光った

 そんな中、最大の好機は8回に訪れた。この回先頭の山県秀(商2=東京・早大学院)が安打で出塁する。さらに続く二人の進塁打で2死ながらこの日初めて三塁まで到達した。そして打席には3番・中川卓也主将(スポ4=大阪桐蔭)という絶好機。中川卓は6球目を引っ張ったが、ライナー性の当たりは一塁手の正面へ。またしても無得点に終わり、流れは完全に明大に傾いた。

 9回表、1死を奪った早大は3番手に伊藤樹(スポ1=宮城・仙台育英)を送り込む。しかし、内野安打と犠打で2死二塁とピンチを背負うと、続く8番・簔尾海斗(4年)に初球を狙われ、打球は中前へ。返球は間に合わず、勝負を決定づける2点目を失った。9回裏の攻撃では、前多奨悟(基理4=埼玉・川越東)を代打に送ったが、反撃の兆しを見せることができずに三者凡退。打線は最後までつながらず、明大先発・村田に9回完封負けを喫した。

最終回の失点が決定的だった

 3回から8回まで毎回安打は出たにもかかわらず、ついに得点は奪えなかった。連打は一度もなく、犠打で走者を進めても後が続かない。さらに中軸が好機で倒れ、最後まで流れをつくることができなかった。ここまで3試合を終えて、3番・中川卓は11打数2安打、4番・蛭間は11打数無安打。早大の中心を担う二人に好機での一打が出れば、得点力は大きく上がり、チームは波に乗れるはずだ。復活のきっかけをつかみ、打線につながりをもたらすことはできるか。中川卓、蛭間をはじめ打撃陣の奮起に期待がかかる。次戦では完封負けを喫した屈辱を晴らし、勝ち点獲得につなげたい。

(記事 是津直子、写真 湊紗希)

                黄字は打点付き

早大打者成績
打順 守備 名前
(二) 熊田任洋 .125 中飛   中飛     一ゴ   三ゴ  
(左) 中村将希 .300 二ゴ     三ゴ   中安   一ゴ  
  松木大芽 .000                  
(三) 中川卓也 .182 中飛     右安   一ゴ   一直  
(中) 蛭間拓哉 .000   二ゴ   中飛   右飛     二ゴ
(一) 野村健太 .273   二ゴ   一飛     中安    
  梅村大和 .-                  
  生沼弥真人 .-                  
  前多奨悟 .000                 見三
(右) 吉納翼 .400   二ゴ     右安   投犠   遊ゴ
(捕) 印出太一 .333     遊ゴ   投犠   中飛    
(投) 加藤孝太郎 .250     右安   四球        
  森田朝陽 .000             三邪    
  原功征 .-                  
  伊藤樹 .-                  
(遊) 山県秀 .375     投犠   二併     左安  
早大投手成績
名前
加藤孝太郎 0.60
原功征 1 1/3 0.00
伊藤樹 0 2/3 3.86
東京六大学秋季リーグ戦星取表
順位   明 大 早 大 慶 大 立 大 法 大 東 大 勝ち点 勝率
明 大 ○2-0       △3-3
○11-7
○13-6
1.000
早 大 ●0-2     ○2-0
○2-0
  .667
慶 大     △0-0   ●3-4
○9-1
.500
立 大     △0-0 ●4-6
○6-5
  .500
法 大   ●0-2
●0-2
  ○6-4
●5-6
  .250
東 大 △3-3
●7-11
●13-6
  ○4-3
●1-9
    .250
コメント

原功征(スポ3=滋賀・彦根東)

――今日の試合の意気込みはなんだったのでしょうか

 法大にいい形で連勝できた流れだったので、他の大学の試合がもつれていて明大戦が山となるという認識だったので、この試合はなんとしても取るという意気込みだったと思います。

――本日は左打者4人相手に登板しましたが

 左打者のところで使われるので、あそこでしっかり打ち取って流れを持ってくる役割だと思うので、投げている球が全て良かったわけではないのですが、4人連続で斬れたのは、春打たれていたということもあり今回は結果を残せて良かったと思います。

――試合自体を振り返ってどうでしょうか

 投手陣の粘りは明大の村田投手の方が上だったと思うのですが、野手も歯がゆい思いをしているので明日はやってくれると思います。

――法大戦から足踏みしましたが、それについては

 連勝は止まったかもしれませんが、2勝すればこの負けが次の勝ちにつながったと思えるので、そういう形にチームでしていきたいと思います。

――明日の意気込みをお願いします

 優勝する上で間違いなく落とせない明日明後日の試合だと思いますので、自分の出番があったら役割を果たしたいのと、登板がなくてもチームを勝たせられるような行動をとって勝ち点取りたいと思います。