【連載】秋季リーグ戦開幕前特集『復権』【第1回】原功征副将

野球

 今回登場するのは今春8試合に登板した原功征副将(スポ4=滋賀・彦根東)だ。厳しい投手事情に苦しんだ今春だったが、原は最上級生としてサポートをし続けた。大学生活最後のリーグ戦となる原、それにかける思い、そして優勝への思いについて話をしてもらった。

※この取材は9月3日に行われたものです。

なんとしても最後悔いなくやり切ってやりたい

ラストシーズンとなる原

――リーグ戦まで残り1週間ですが、現在の心境は

 最後のシーズンなのかと思うと、なんとしても最後悔いなくやり切ってやりたいと思いがあります。

――現在の原選手自身の調子は

 可もなく不可もなくと言ったところなのですが、オープン戦の成績自体はいいものも残っていると思うので、そのままリーグ戦でも同じように力を発揮できるようにと思っています。

――夏休みに特に取り組んだ練習はなんですか

 この力を伸ばしたというのではなく、自分の今持っている力を試合で発揮できるかに、試合で出てきた課題を潰して結果を残せるかに拘りを持ちましたか。

――オープン戦の結果はどうでしょうか

 初戦で失点してしまいましたが、その後は試合数が少ないのですが無失点で抑えていて、結果として抑えられているというのはあるのですが、その中でも自分が思ったところにボールが行かずに相手が打ち損じるということもあるので、リーグ戦までに狙ったところにボールを投げて打ち取るというところを詰めていきたいと思います。

――チームの調子はどうでしょうか

 勝てる試合は打者と投手陣が噛み合って勝てている一方、大敗する試合は投手が打たれるというよりは四球や投手のミスから広がった失点ばかりなので、色々調子の良し悪しがある中で勝ちが先行しているのも事実なので、そこをリーグ戦で出せればと思います。

――3年ぶりの合宿はどうでしたか

 実は合宿は参加できていなくて…でも、(チームは)一回りも二周りも逞しくなったというか、合宿から帰ってきた直後の試合などは打球音が聞こえてきましたし、チーム的にはいい合宿になったのかなと思います。

一人一人チームに貢献できる役割がある

役割は春から変わりはないだろう

――昨春の成績を振り返ってください。

 今までよりも試合に関わる機会が増えたというか、自分のプレーでチームに貢献する機会も増えたのですが、肝心なところで失点してしまうところは反省で、それだけ任されていただいたにも関わらず仕事できたのは数試合だったので、秋は1試合でも多く期待に応えられるようにしたいです。

――チーム成績はどのように考えていますか

 投打がなかなか噛み合わなかったというか、春のオープン戦は投手が中々成績を残せずに苦しんで、リーグ戦は野手が思うように打てず点が入らないシーズンだったので、そこに尽きると思うのですが、投手側からすると粘ることができれば野手の攻撃にもつながったのかなと思う時があるので、投球が打撃に影響を与えているということを理解して秋に入りたいです。

――夏を経たからわかる春の不振の原因は

 去年の秋に主力が抜け、経験値がない選手が出たシーズンで、緊張で経験のなさが露呈したので、春の経験を活かして優勝という目標に向かっていきたいと思います。

――これを受けて4年生として思うことはあったのでしょうか

 チームは4年生が形づけるものというのを言っていて、ベンチに入るメンバーがあまりいない現状で、それでも核は4年生ということで、サポートしてくれる方もいますし、一人一人チームに貢献できる役割があると思うので、そこを自分なりに考えてきました。

――チームとしての変化はあったのでしょうか

 メンバーが試合で勝てるようにということで取り組んでいますし、頑張りが報われるように練習をしっかりやるというサイクルができていて春から変わっていると思います。

――原選手自身は何か変えたことはあるのでしょうか

 自分としては何か特別変えたということはあまりないのですが、一つ一つの練習の意識や取り組む姿勢を詰められる部分があるかなと練習期間を経て思ったので、後少し頑張ろうというか、4年生もそうですし細かく練習してきたなと思います。

――一番成長したと思う選手は

 全体的に投手陣が崩れる試合が減ったので力はついていると思うのですが、鹿田(泰生、商2=東京・早実)はもともとポテンシャルも高く、オープン戦も先発として投げていて、調子の良し悪しもあるのですが夏のオープン戦を経て成長していると思います。

――投手の原さんから見て野手陣はどうでしょうか

 軸となるのは中川(卓也主将、スポ4=大阪桐蔭)蛭間(拓哉、スポ4=埼玉・浦和学院)だと思うのですが、春からポジションを変えた人や春出てなかった中村敢晴(スポ2=福岡・筑陽学園)や山縣(秀、商2=東京・早大学院)、梅村(大和、教2=東京・早実)と言った後輩の力が伸びている印象で、選手の起用に厚みが出るというか、底力が上がっていると思います。

――プロ志望の二人である蛭間副将と中川主将はどういう様子ですか

 蛭間にしても中川にしても来年は上のステージでやりたいというのがある中で、二人とも最後に早稲田で優勝したいというのが伝わってきて、良くも悪くも二人のチームなのでそこに自分達がサポートできれば全力でしたいですし、自分も少なからずそういう思いは抱いているので、そこに向かって最後優勝という形で終えたいです。

最後は優勝すると報われると信じて

有終の美を飾るべく最後のシーズンに挑む

――チームの雰囲気はどうでしょうか

 春に比べてチームに貢献したいという意識が強く、いい雰囲気で試合ができて、いい形で試合に勝てることが多いと思うので、明日の試合も勝って万全の状態で試合に臨める形になっていると思います。

――3年生の同じ頃に行った対談との気持ちの違いの違いは

 春も同じようなことを言ったと思うのですが、3年生は4年生が優勝するためにどのように貢献するかを考えていたのですが、最後は自分が結果を残してチームに貢献することも大事ですが、後輩たちが結果を残せるようにどう言った形で能力を引き出せるかはわからないですが、試合の中で考えたことを後輩に還元できるようなリーグ戦にしていきたいです。

――キーマンは誰でしょうか

 中川と蛭間を上げるのは当たり前なので(笑)4年間で一番打ってもらわなかったら困るので(笑)投手から挙げたいなあと思うのですが…軸となるのは加藤と樹なので、この二人が本来の実力を発揮できればチームはいい形でリーグ戦を進めることができますし、今でもメンバー争いがある中で、4年生の雪山(幹太、教4=東京・早実)、佐竹(洋政、商4=東京・早大学院)、菅原(宗一郎、スポ4=山形・鶴岡南)が投げていてよかったり悪かったりあるのですが、最後のシーズンにかける思いが強いので、自分も含めた4人の頑張りということをキーマンに挙げたいなと思います

――今年のよう警戒のチームはどこでしょうか

 今春5位なので全部といえば全部なのですが、開幕戦勝てないと言われている中で法大戦が大事になってくるのではないかと思っていて、法大もメンバー変えてリーグ戦に入ってくると思うので、データ班を中心に準備してくれているのでそこを連勝して勝てるための準備をしたいと思います。

――法大戦で警戒するべきバッターは

 春のリーグ戦も同じことを言ったと思うのですが、齋藤大輝かなと。春は対戦することはなかったのですが、法大の軸となる選手なので警戒したいとおもいます。あとは海崎(遼)、自分が本塁打を打たれているので秋は気をつけたいとおもいます。

――今秋の目標は

 具体的な数値目標はなくて、任された場面を0に抑えてチームに貢献するのはもちろんなのですが、やはり自分がプレーで貢献することよりも後輩のサポートなど他の部分も含めて勝利に貢献できたといえるシーズンにしたいと思います。

――そのために取り組んでいることは

 後輩とのコミュニケーションはずっと取り組んできていて、野球の話だけでなくプライベートも少なからず色々話すことで信頼関係を築くことができるかなと思います。あとは登板するイニングは多くないと思うのですが、少しのプレーで後輩を勇気付けられるようにしたいと思います。

――最後に意気込みをお願いします

 六大学の集大成であるリーグ戦を迎えるということで、最後は買って終わりたいので、色々今まで辛いこともあったのですが、最後は優勝すると報われると信じて秋のリーグ戦までやってきたので、自分よりもチームが勝つことを意識して、どんな形であれチームに貢献して最後は笑って終わりたいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 芦沢拓海)

◆原功征(はら・こうせい)

2000(平12)年12月18日生まれ。169センチ。滋賀・彦根東高出身。スポーツ科学部4年。2年秋のリーグ優勝が大学生活の思い出だという原選手。今年優勝して、それを塗り替えることに期待しましょう!