今季から主将に就任した中川卓也(スポ4=大阪桐蔭)。昨秋は自身初のベストナインを受賞し殻を破った。名実ともに早大の顔となった今季、100名近くの部員を束ねる男の意気込みに迫る。
※この取材は4月4日にオンラインで行われたものです。
「不安半分、楽しみ半分」
オープン戦では途中チームを離れる時期もあったが、調整は順調だ
――リーグ戦開幕まで残り1週間に迫りました。現在の心境を教えてください
不安がないと言えば嘘になるのですが、楽しみでもありますし、今まで11月からやってきた成果を出せる場だと思うので、不安半分、楽しみ半分といったところです。
――チーム全体の雰囲気はいかがですか
技術面であったり、そういうところではいろいろ課題はあるのですが、部員144人全員が優勝を目指してやっているので、非常にいい雰囲気でやれていると思います。
――練習をされていないオフの時間の息抜きは、どのようなことをされていますか
基本はドラマを見たり、今やっているドラマとか、韓国ドラマとかを見たりしています。
――この冬の練習は打撃と守備、それぞれどのようなことを意識して取り組まれてきましたか
打撃の方は1年冬、2年冬とやってきたところのいいところを取り入れて、しっかり振り切るというところと、あとはインコースを裁く練習をより強化というか、この2年分のいいところを強化していったという感じですね。守備に関してはサードからセカンドに移ったということもあってなかなか最初は慣れなかったのですが、守備はやるだけうまくなると思うので、しっかり数をこなすということを意識してやっていました。
――セカンドには慣れましたか
だいぶ慣れてきて、落ち着いてプレーできるようになってきました。
――これまでのオープン戦を振り返っていかがですか
なかなか勝てなくて、苦しいときもありました。昨日は負けてしまったのですが、ここ何試合かいい形で、課題ももちろんあるのですが収穫もあった試合が多くありました。負けは多かったのですが、収穫のあるいいオープン戦ができているのではないかと思います。
――現在、打撃が好調の様に感じます。オフのトレーニングの成果が出ていると感じますか
とにかく自分は2番バッターなので。自分がつなげばクリーンアップ、いい打者がそろっているのでとにかくそこにつなげるという思いを持って打席に立っています。その思いの結果が出てきていると思うのでそこは継続していきたいです。
――打撃において具体的にいい部分や反省点はどのようなことが挙げられますか
最近になってなんですけど、少しだけタイミングの取り方を変えて、そこが今うまくはまっているのかなというところはあります。反省点は真っすぐが刺されるというか、変化球を待っているときの真っすぐの対応がまだまだ詰めが甘い部分があるので、そこを刺されないように詰まらないようにしていきたいというのはありますね。
「困った時の中川」
ラストイヤー優秀の美を飾るための挑戦が始まる
――(オープン戦の)結果を受けて、チームの全体的な雰囲気はいかがですか
さっきも言ったのですが、課題もあったし収穫もあったので、その課題を潰してその収穫した部分をどんどん強く太いものにしていこうということを言っているので、チームとしても統一してきていい雰囲気の中で試合も練習もできていると思います。
――具体的にチームとしての課題はどのようなものですか
オープン戦の前半中盤とピッチャーが打ち込まれることが多かったので、本来ならバッテリーだけのミーティングだったのですが、そこで自分が入ることによってバッター目線というか、セカンドで後ろから見ていて思ったこと、感じたことをピッチャー陣に伝えたりしているので、その辺は還元できているかなと思います。
――冬のオフシーズンの期間を終えて、オープン戦を行う中で主将としての意識の変化はありますか
冬場はずっと厳しいことを言い続けてきていたのですが、それだけではチームは絶対にまとまらないので、そこでオープン戦を通じていいところはいい、だめなところはだめというふうに言い分けることによって選手の気持ちというか、モチベーションも上がってくると思うので、その辺は意識してやっています。
――蛭間拓哉副将(スポ4=埼玉・浦和学院)とはチーム作りについて話し合っていますか
2日前、3日前くらいもチーム作りに関して自分と富永と蛭間を中心に話をしていて、自分の意見だったり蛭間の意見、冨永(直宏学生コーチ、文4=東京・國學院久我山)の意見をしっかりマッチさせていいチームを作りたいと思っているし、作れてきていると思います。
――チームと自分の管理を両立するのは難しいですか
難しい部分はあるのですが、それがキャプテンの役割だと思うので、なんとか必死に食らいついてやってるし今後もやっていきたいと思っています。
――高校の時もキャプテンでしたが、そのときとチームをまとめる難しさの違いはありますか
高校のときは部員が1学年20人前後、3学年でも60人くらいしかいなかったし全員がスカウトされて野球でご飯を食べて生活をしていくんだという連中ばっかりだったので、まとめやすかったといえばまとめやすかったのですが、大学は勉強で入ってきたやつらもいるので、そこの価値観というか野球だけが全てじゃないというところがやっぱり難しいですね。
――内野の全ポジションを守れると思うが、どんな選手を目指したいか
いい意味で便利屋というか、なんでも卒なくこなせるというのが自分の一つの特徴だと思うので、困ったときの中川と言われるような選手を目指したいです。
――春季リーグ戦まで残り1週間を切りましたが、チームや個人として詰めていきたい部分はありますか
詰めていきたいというよりかはまだまだ発展途上なチームなので、ここからリーグ戦で試合を重ねていくごとに成長していかないと優勝はないと思っています。詰めるべき点はたくさんあるので、そこをもっともっと詰めて、個人としてもうまくなってチームとしても強くなって1試合1試合成長していきたいと思っています。
――ご自身が注目してほしいところはありますか
今年はセカンドにキャプテンが4人いるということで、そこのキャプテンのセカンドのベストナイン争いなども注目してほしいなとは思っています。
――他の5大学で特に警戒されているチームはありますか
本当にどこも強いし厳しい戦いにはなってくると思うのですが、どこが強いとかどこが弱いとか関係なくその1試合に全てを懸けるという気持ちでやりたいと思っています。
――他の大学には負けないような強みはありますか
一人ひとりのバッターではなくて打線としてこのオープン戦も機能しているので、打線には負けない自信はあるし、見てほしい部分ではあります。
――春季リーグ戦の中で対戦してみたい投手はいますか
一通り対戦しているとは思うので、誰ということはないのですが、本当に六大学は良いピッチャーがそろっているので、なかなか打つのも大変です。目の前の試合もそうですけど、目の前のピッチャーをどう攻略していくというのが大事になってくるし、そこを見てほしいです。
――主将としてというのもあると思いますが、ご自身としても大学野球のラストイヤーに特別な思いはありますか
過去3年間思うような成績が出なくて苦しんだ部分があったので、今のままいけば不完全燃焼の4年間になってしまうと思います。ここで一花咲かせていい大学生活を送れたと言えるようにやっていきたいと思っています。
――春季リーグ戦において、中川選手が目標とされている数字や成績を教えてください
チームとしてはもちろん全勝優勝を目標にしてやっています。個人としては本当にいい選手が多い中でのセカンドでのベストナインというのは価値があるものだと思うので、首位打者くらいの気持ちでいかないと、そこにはたどり着けないと思うので、そういうところを狙ってやっていきたいと思います。
――最後にリーグ戦への意気込みを教えてください
さっきも言ったのですが、リーグ戦中の成長なくして優勝はないと思っているので、1戦1戦、1日1日強くなってうまくなって、その結果優勝できたら優勝したいと思っています。1戦1戦目の前の試合、目の前のバッター、目の前のピッチャーと対戦して、成長していって優勝したいと思っています。
――ありがとうございました!
(取材・編集 臼井恭香)
◆中川卓也(なかがわ・たくや)
2000(平12)年7月28日生まれ。175センチ、75キロ。大阪桐蔭高出身。スポーツ科学部4年。内野手。右投左打。今年からセカンドへと転向した中川主将。現在、六大学ではセカンドに各大学の主将が多く集まるという中、ベストナイン争いが白熱します。激戦を制しベストナインを取れるよう、リーグ戦に望みます。