西垣が9回131球無失点の熱投見せるも打線が応えられず…2戦連続の無得点引き分けで優勝厳しく/法大2回戦詳報

野球
TEAM
法 大
早 大
(早)西垣―岩本
◇(二塁打)中川卓

 東京六大学野球秋季リーグ戦(秋季リーグ戦)優勝に向けて負けられない早大は、前日に続いて法大との戦いに臨んだ。前日は奇しくも同じ横浜DeNAベイスターズに指名された徳山壮磨(スポ4=大阪桐蔭)と三浦銀二(4年)の両先発が一歩も譲らず引き分け。この日は、東北楽天ゴールデンイーグルスに6位で指名された西垣雅矢(スポ4=兵庫・報徳学園)が先発。雨の中粘りの投球で法大打線に得点を許さない。しかし、前日無得点の打線は東京ヤクルトスワローズに1位指名された山下輝(4年)ら法大投手陣の前に好機をつくるが得点を奪うことができず、2試合連続で双方無得点のまま引き分けとなった。

 


この日先発の西垣

 先発した西垣は初回から2つ三振を奪う上々の立ち上がりを見せる。その後、3回にピンチを招いたものの西村友哉(1年)を遊ゴロに抑えて切り抜ける。5回にも2死一、二塁とされるが西村を二ゴロに抑えて5回まで無失点で終える。しかし一方の打線は、法大先発・山下輝の前に2回以降は毎回走者を出すものの得点には繋がらない。4回に先頭の中川卓也(スポ3=大阪桐蔭)が左中間へ二塁打を放ち先制の好機をつくるが、後続が倒れ得点ならず。5回にも2死二、三塁とするが鈴木萌斗(スポ4=栃木・作新学院)が倒れものにできず、両軍無得点のまま試合は後半へ進んだ。

 


左中間二塁打を放つ中川卓

 西垣を援護したい打線は6回に、この試合最大の好機を迎える。中川卓の安打を皮切りに、疲労が見え始めた山下輝から四球を2つ選ぶ。二死満塁と先制の大きなチャンスをつくり、7番熊田任洋(スポ2=愛知・東邦)を迎えた。しかし一ゴロに倒れ、得点には結びつかなかった。7回には山下輝からマウンドを継いだ扇谷莉(3年)から2死二、三塁のチャンスをつくるも、3番・蛭間拓哉(スポ3=浦和学院)は初球をレフトに打ち上げてしまい、先制点を挙げられない。

 


開幕から6戦連続安打となる左前打を放つ福本

 援護がない西垣だったが、それでも粘りの投球を続けた。6回に1死一、二塁、7回にも一死二塁とされるが、「いつも6、7回に失点してチームに迷惑をかけていたので、しっかり自分が抑えてピンチを乗り切ろうと思った」と語ったように西垣はいずれも無失点で乗り切った。そして9回のピンチも見事に抑え、西垣は9回131球9奪三振無失点の熱投。2試合連続で9つの0をスコアボードに並べた。

 


ガッツポーズを見せる西垣

 何としても1点奪いたい早大打線だったが、8回は古屋敷匠真(4年)、9回は篠木健太郎(1年)の両右腕に対して走者すら出せず。2試合続けて1得点もできないまま、試合を引き分けた。

 東大戦に続いて好投した徳山壮磨(スポ4=大阪桐蔭)と西垣の両先発に対し、打線は振るわず、得点力不足を再び露呈した。山下輝からチャンスを何度もつくったものの、「自分のバントミスもそうだが、チーム全体でそういったミスがもう一本ヒットが出ない、もう一点入らないというところにつながっていると思う」と西垣が言ったように、ミスが一点を遠ざける結果となった。次戦の明大は強力な打線を擁し、東大戦、法大戦以上に失点は覚悟しなければならないだろう。打線の復調がなければ勝利は難しい。明大戦まではわずか2日間だが、その間に2連戦で出てきた課題をどう修正するか。1点、1打席、1球に対する意識、『一球入魂』というスローガンが改めて問われている。

(記事 芦沢拓海、写真 佐藤桃子)

         黄字は打点付き

早大打者成績
打順 守備 名前
1 (中) 鈴木萌斗 3 0 0 .185 空三   左飛   左飛   四球    
2 (三) 中川卓也 3 2 0 .350 左飛     中2   捕安 一犠    
3 (右) 蛭間拓哉 4 0 0 .269 遊ゴ     二ゴ   空三 左飛    
4 (捕) 岩本久重 4 0 0 .231   中飛   三ゴ   遊飛   捕邪  
5 (二) 丸山壮史 3 1 0 .200   中安   空三   四球   二ゴ  
6 (左) 福本翔 3 1 0 .450   見三     左安 四球   空三  
7 (遊) 熊田任洋 4 0 0 .150   遊ゴ     一邪 一ゴ     一ゴ
8 (一) 今井脩斗 3 1 0 .588     左安   四球   空三   空三
9 (投) 西垣雅矢 3 1 0 .300     投併   一ゴ   中安    
  西田燎太 1 0 0 .000                 空三
早大投手成績
名前
西垣雅矢 3 1 1 9 3 7 9 0 0 1.08
東京六大学秋季リーグ戦星取表
順位   立 大 慶 大 明 大 早 大 東 大 法 大 勝ち点 勝率
立 大     ○4-0
○5-2
○15-6
●4-7
○8-3
○4-1
.833
慶 大   △4-4
△2-2
  ○15-1
○4-1
  1.00
明 大   △4-4
△2-2
  ○9-0
○22-0
  1.00
早 大 ●0-4
●2-5
    ○23-1
○19-0
△0-0
△0-0
.500
東 大 ●6-15
○7-4
●1-15
●1-4
●0-9
●0-22
●1-23
●0-19
  .125
法 大 ●3-8
●1-4
    △0-0
△0-0
  .000
関連記事

両大学先発陣がそろってドラフト指名! DeNAドラ2徳山、ドラ4三浦の投げ合いにも注目/法大戦展望(10/11)

両校決め手を欠き得点を奪えず DeNAドラ2ドラ4対決は引き分けに/法大1回戦詳報(10/12)

コメント

西垣雅矢(スポ4=兵庫・報徳学園)

――今日の登板を振り返っていかがですか

 先頭打者に四球など、自分で苦しくしてしまった場面もあったのですが、全体的に東大戦と同様、丁寧に投げられたと思います。

――試合前に岩本選手(久重副将、スポ4=大阪桐蔭)と法大戦に向けて対策を立てたりしましたか

 特にこれという戦略は立てていませんでしたが、一球一球、バッターの反応を見ながら一番打たれないだろうという球を選択して、丁寧に投げようと話し合っていました。

――前回同様、9回を投げ切りましたが、体力的には問題ありませんでしたか

 ここ2試合は9回までそこまでバテずに投げられていると思います。

――夏のトレーニングの成果が出てきているのでしょうか

 そうですね。それもあると思います。

――6,7回にピンチを背負いながらも無失点に抑えました。この場面を振り返っていかがですか

 いつも6、7回に失点して、チームに迷惑をかけていたので、自分がフォアボールを出したランナーですがしっかり自分が抑えてピンチを乗り切ろうと思っていました。

――昨日に続き、0-0と投手戦になりました。法大・山下輝選手との投げ合いはいかがでしたか

 あまりは意識せず、誰が相手であろうと0を積み上げていくというのを目標にしていました。

――打線に関しては、チャンスをつくりながらもあと一本が遠い展開となりましたが、西垣選手から見て打撃陣はいかがでしょうか

 自分も9番打者として攻撃に参加しているわけで、今日の試合ではバントミスをしてしまいました。自分がというよりは少しチーム全体でミスがあると思っていて、そういったミスがもう一本ヒットが出ない、もう一点入らないというところにつながっていると思います。

――今日の試合を引き分けたことで、優勝から大きく遠ざかってしまいました

 優勝は少し厳しくなってしまいましたが、目の前の一試合を勝つということは変わらないことなので、今週土曜日からの明治戦に勝つということに向けて2日間、準備していきたいと思います。

――次の明大戦への意気込みをお願いします

 4年生にとってはあと明治戦と早慶戦の4試合になっているので、メンバー内外を問わず、悔いのない戦いをしたいと思います。