キーマンは先発二枚看板! 強力『赤門打線』を封じ込めろ/東大戦展望

野球

 東京六大学秋季リーグ戦(秋季リーグ戦)開幕カードの立大戦では、打線が沈黙し2連敗を喫した早大。秋連覇に向け痛すぎるスタートなった。次戦でポイントを落とすと賜杯への道は閉ざされる。立ちふさがるのは打線好調の東大だ。今春、早大に引き分け、法大に勝利し連敗を64で止めた。すると前週の立大2回戦では、4点のリードを奪われながら、6回から9回で7点を奪い逆転勝利。投打ともに実力のある立大に打ち勝った。早大は勢いに乗る東大打線を封じることはできるか。文字通り絶対に負けられない戦いが始まる。

 


1回戦での先発が予想される東大・井澤

 東大のエース井澤駿介(3年)は制球力が強みの好投手。立大2回戦には救援として登板し、初の勝利投手に輝いた。そして今春の早大2回戦で6回を零封した変則左腕・小宗創(4年)も打ち崩すのは容易ではない。東大投手陣攻略の鍵となるのは四球だ。先頭打者への四球からピンチを広げ、失点する場面が目立つ。早大はもらった好機で泥臭く得点を重ねていくことが勝つために不可欠となる。また、東大は3週連続での試合となる。投手陣がうまく疲労を調整できているかどうかも勝負の分かれ目となるだろう。

 


4番に座る東大・井上慶

 今春はリーグ最多の計24盗塁と足を使った攻撃を展開した東大。しかし今季は「センター方向に低いライナー」を打つという意識の徹底の下、打力も大幅に向上している。打線のキーマンは4番に座る井上慶秀(4年)。ここまで打率5割をマークし、リーグ2位の好成績を残す。勝負強さも発揮し、リーグトップの5打点と波に乗っている。また、3番の大音周平主将(4年)も立大2回戦で適時二塁打を放っており、クリーンナップには細心の注意を払いたい。今季から1番に定着した宮﨑湧(3年)や正捕手の松岡泰希(3年)など、打線は充実している。

 対する早大。開幕週の立大戦で奪った合計得点はわずか2点。打線が低調なだけに、先発二枚看板を中心に守りからリズムをつくる必要がある。徳山壮磨(スポ4=大阪桐蔭)は「見返す」と意気込んで臨んだ今季だったが、立大2回戦では5失点と振るわず。直球の威力は戻ってきているが、本調子とは言い難い。一方の西垣雅矢(スポ4=兵庫・報徳学園)は7回3失点とまずまずの投球を見せた。一方の救援陣にはアクシデントが起きた。山下拓馬(スポ4=埼玉・早大本庄)が立大2回戦の投球時に負傷。今季の登板は絶望的となった。山下を欠いた救援陣を支えるのは、夏季オープン戦から好調を続ける原功征(スポ3=滋賀・彦根東)と齋藤正貴(商2=千葉・佐倉)の左腕2人。安定した投球で攻撃に流れを呼び込みたい。

 


エース徳山の快投に期待したい

 早大打線は得点力不足に苦しむ。立大戦では再三好機を作りながら『あと一本』に泣いた。しかし、4番の岩本久重副将(スポ4=大阪桐蔭)、続く丸山壮史主将(スポ4=広島・広陵)と福本翔(社4=東京・早実)は2試合とも安打を記録している。この3人の前に好機を演出し得点につなげたい。今春ベストナインの、リードオフマン鈴木萌斗(スポ4=栃木・作新学院)や蛭間拓哉(スポ3=埼玉・浦和学院)の復調も待たれる。

 優勝に向け負けられない東大戦。求められるのは泥臭さとミスのないプレーだ。ナイン全員が「勝ちに対する執着心を前面に」(丸山)出し、今週こそは『一球入魂』を体現する。

(記事 永田悠人、写真 山崎航平)