早くも迎えた正念場 立大投手陣を打ち崩せ/立大戦展望

野球

 開幕週の東大戦を1勝1分で終え、勝ち点(ポイント)1.5を獲得した早大。次に対戦するのは8季ぶりの賜杯奪還を期す立大だ。「『負けたらもう終わりだ』という状況で法政戦、明治戦を迎えたくない」と小宮山悟監督(平2教卒=千葉・芝浦工大柏)が話すように、連覇に向け絶対に負けられないカードとなる。何としても連勝し、勢いに乗っていきたい。

 

先発が予想される立大・池田陽

 相まみえる立大投手陣は難敵だ。前週の法大戦では、細かい継投で相手の攻撃をしのぐ作戦を展開し成功させた。今週末も同様の投手起用が行われるだろう。1回戦での先発が予想される池田陽佑(2年)は、打者の手元で動く最速150キロの直球が魅力の好投手。法大戦には2試合とも先発し、計8回を投げ2失点と安定感のある投球で起用に応えた。池田陽の後をつなぐ救援陣を打ち崩すのも容易ではない。栗尾勇摩(4年)や宮海土(3年)の経験豊富な2人に加え、野口裕斗(2年)、石元悠太郎(2年)が控える。

 打線も好打者がそろっている。長打力のある山田健太(3年)と東怜央(4年)には特に警戒が必要だ。東は昨週2試合連続で打点を挙げており、好調さをうかがわせた。一方の山田は2試合続けて無安打に終わったが、通算本塁打5本のパワーは間違いなく脅威になる。手痛い一発を食らわぬよう細心の注意を払いたい。また法大1回戦でランニング本塁打を放ったリードオフマン道原慧(3年)、2回戦でマルチ安打をマークした黒岩陽介(3年)も抑えておきたい打者だ。

 

東大2回戦で8回無失点の好投を見せた西垣

 対する早大投手陣。二枚看板の徳山壮磨(スポ4=大阪桐蔭)西垣雅矢(スポ4=兵庫・報徳学園)の調子が勝負を左右するだろう。東大1回戦に先発した徳山は勝ち投手にこそなったものの、ストライクとボールがはっきりしており本調子とは言い難い投球内容だった。立大戦では修正した姿を見せ、勝利を呼び込みたい。東大2回戦で先発した西垣は、140キロ台中盤の直球と変化球を織り交ぜた危なげのない投球で、8回無失点と先発の役割を全う。しかし救援陣は安定感を欠く。東大1回戦で神宮デビューを果たした飯塚脩人(スポ2=千葉・習志野)原功征(スポ3=滋賀・彦根東)は制球面に課題を残した。救援陣に不安が残るだけに、先発の2人が少しでも長いイニングを投げることが求められる。そんな中、抜群の投球を披露したのが守護神・山下拓馬(法4=埼玉・早大本庄)。立大戦でも圧巻の投球に期待がかかる。

 

東大1回戦で左越えソロを放つ蛭間

 一方の早大打線は好不調がはっきりとしている。蛭間拓哉(スポ3=埼玉・浦和学院)は東大戦で2試合ともマルチ安打をマークし、打率.500と好調だ。3番を打つ蛭間の前に好機を演出できるかが重要となる。鈴木萌斗(スポ4=栃木・作新学院)も高い出塁率でリードオフマンの役割を果たしているだけに、2番・中川卓也(スポ3=大阪桐蔭)の活躍に期待がかかる。4、5番を担う岩本久重副将(スポ4=大阪桐蔭)丸山壮史主将(スポ4=広島・広陵)が復調すれば打線の厚みがさらに増す。早い回から得点を積み重ね、立大投手陣を打ち崩したい。

 連覇に向け最初の山場となる立大戦。早大が連勝するためには好機での『あと一本』が最も重要だろう。東大2回戦では何度も訪れた得点機を逃し、引き分けとなった。立大投手陣を粉砕し、課題を克服できるか。真価を問われる戦いが始まる。

(記事 永田悠人、写真 佐藤桃子、足立優大)