賜杯奪還へ 連勝で最終週へつなげ!/立大戦展望

野球

 東京六大学秋季リーグ戦(秋季リーグ戦)開幕から引き分け2つを挟んで4連勝中の早大。同じく開幕から負けなしの慶大(5勝1分)とは0.5ポイント差の2位につけており、し烈な優勝争いの最中にいる。そのため第4カードの立大戦では連勝が必須。着実に勝ち点を重ね、万全の状態で早慶戦へとつなげられるか注目だ。

 待ち受ける立大投手陣だが、チーム防御率はリーグ最下位と、不安を抱えているのが実情だ。ここまで秋季リーグ戦で先発登板しているのは中川颯(4年)と中﨑響介(4年)の2名。だが2人ともリーグ規定投球回数到達者の中では、防御率ワースト2位、1位と思うような成績を残すことができていない。ただ、中川は先週の東大1回戦で、勝利投手にこそなれなかったが、9回1失点完投と復調の気配を見せている。これまで幾度となく早大を苦しめてきたサブマリン右腕に、注意したいところだ。

復調の気配を見せている立大エース中川

 一方の打線には警戒が必要だ。扇の要としてもチームを支える竹葉章人(4年)は、現在打率ランキング1位の4割7分6厘を記録している。長打力はないものの打撃に確実性があり、選球眼や犠打などの小技も持ち味だ。また他にも、三井健右(4年)、冨永魁(4年)など打率3割超えの選手が打線に名を連ねている。投手陣を打ち崩した上で、これらの打者たちをいかに抑え込むことができるがかが立大戦勝利へのカギとなる。

 迎え撃つ早大は強力打線で立大投手陣を打ち崩す。その中で注目したいのは、東大戦でスタメン復帰を果たした蛭間拓哉(スポ2=埼玉・浦和学院)だ。昨季は持ち味の長打力を発揮して本塁打王、打点王に輝いたが、今季は法大戦まで代打での出場のみにとどまっていた。しかしスタメン復帰を果たすと、2試合連続マルチ安打、さらには本塁打を放つなど大暴れ。完全復調をアピールした。他にも打線には、丸山壮史(スポ3=広島・広陵)野村健太(スポ1=山梨学院)など打率3割5分超えの選手が並ぶ。リーグ屈指の重量打線で早い回から得点を重ね、試合を優位に進めたい。

広角に長打を放つことができる蛭間

 投手陣も、充実した陣容だ。第1先発の早川隆久主将(スポ4=千葉・木更津総合)はここまで4試合に登板し、防御率0.34と圧倒的な数字を残している。立大戦でも相手を手玉に取る投球をみせることができるか注目だ。第2先発はここまで変則的だが、誰が登板してもその仕事を果たすことができるだろう。西垣雅矢(スポ3=兵庫・報徳学園)は早川に次ぎ、リーグ規定投球回数到達者の中で防御率2位。東大2回戦で今季初先発を務めた今西拓弥(スポ4=広島・広陵)も、長身を生かした角度のある直球と、大きく落ちるカーブを織り交ぜた投球で、先発の仕事を果たした。今季先発で思うような成績を残すことができていなかった徳山壮磨(スポ3=大阪桐蔭)も、東大2回戦では本来の伸びのある直球を低めに集めることができており、復調の気配を感じさせている。救援陣も含め、複数投手での継投で立大打線を抑え込みたい。

 秋季リーグ戦もいよいよ終盤戦。第5週を終え、早大も十分に優勝を狙える位置にいる。10季ぶりの賜杯奪回に向けて、チームの雰囲気も良好だ。立大戦をしっかりと連勝で乗り越え、最終週の早慶戦に万全の状態で臨みたい。

(記事 荻原亮、写真 池田有輝)

東京六大学秋季リーグ戦星取表
順位   慶 大 早 大 明 大 法 大 立 大 東 大 勝ち点
慶 大   △2-2
◯7-2
  ◯11-6
◯4-2
◯3-0
◯8-3
5.5
早 大   ◯7-1
△3-3
◯2-0
△6-6
  ◯7-1
◯8-0
明 大 △2-2
●2-7
●1-7
△3-3
◯4-0
◯5-0
◯9-4
◯9-3
 
法 大   ●0-2
△6-6
●0-4
●0-5
  ◯4-2
◯10-1
2.5
立 大 ●6-11
●2-4
  ●4-9
●3-9
  △1-1
◯6-2
1.5
東 大 ●0-3
●3-8
●1-7
●0-8
  ●2-4
●1-10
△1-1
●2-6
0.5
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