関西遠征は2勝1敗。収穫多い3日間に

野球

 15日に沖縄キャンプを打ち上げた早大は、続けて関西遠征を敢行した。同大との定期戦を含むオープン戦3試合を行い、結果は2勝1敗。収穫多い3日間となった。本記事では、18・19日に行われたオープン戦2試合をダイジェストで振り返る。

 

★散発3安打と課題残るも、丸山の適時二塁打で一矢報いる(3月18日・対関大)
TEAM
早 大
関 大
(早)竹田、佐藤健、●長柄、田中、榎―重田
◇(二塁打)丸山

 小刻みに投手を交代したこの日。先発の竹田和真(スポ4=石川・金沢)が2回無失点でマウンドを降りると、続く佐藤健太(法4=東京・早大学院)も、サイドスローからの勢いのある球で三者凡退に切って取る。だが誤算となったのは、3番手・長柄昂(スポ2=石川・金沢桜丘)だ。4回から登板すると、死球の後、相手7番打者に右中間に痛烈な打球を浴びる。外野手がクッションボールの処理にもたつく間、一塁走者が一気に生還して先制を許す。続く5回にも3四死球と暴投などで2点を失い、3点ビハインドの展開となった。

5回に暴投で失点する長柄 。この日は制球が安定しなかった

 一方の野手陣は、5回までわずか1安打と関大先発・高野脩汰(3年)に封じられる。それでも6回表、死球と犠打で2死二塁の好機をつくると、打席には代打・丸山壮史(スポ2=広島・広陵)。速球を力強くはじき返すと、打球は中堅手の頭上を越える適時二塁打となり、1点を返した。その後は、6回をルーキー田中星琉(スポーツ科学部入学予定=宮城・仙台育英)が、7回を榎海人(人4=長野・佐久長聖)が三人で切って取り、流れを引き戻す。

 だが、この日はその『流れ』に乗り切れなかった。8回に早大は3つの四死球で2死満塁の好機をつくるが、得点はならず。その裏に榎が相手7番打者に左中間適時二塁打を浴び1点を失うと、9回の攻撃でも再び2死満塁としたが、最後の打者が空振り三振に倒れ試合終了となった。3番に蛭間拓哉(スポーツ科学部入学予定=埼玉・浦和学院)、4番に米田圭佑(人4=愛媛・松山東)を据えるなど、普段と異なるメンバーで臨んだ一戦であったが、早大は散発3安打と打線が機能せず。四死球や失策で好機をつくるが『あと一本』が出ない、もどかしい展開となった。

(記事 望月優樹、写真 石﨑開)

★岩本キャノン炸裂!4補殺で勝利に貢献(3月19日・対大阪ガス)
TEAM
早 大
大阪ガス
(早)○西垣、森田、藤井寛、上條―岩本
◇(二塁打)瀧澤、檜村

 強肩、いや鬼肩と呼ぶべきだろうか。正捕手定着を目指す新2年生が、自慢の『肩』で猛アピールした。

 雨の降りしきる中、先発・西垣雅矢(スポ2=兵庫・報徳学園)がマウンドへ向かった。しかし初回、いきなり先頭打者に四球を与えてしまう。次打者は中飛に打ち取り、続く3番打者に投じた3球目。一塁走者がスタートを切った。すると捕手・岩本久重(スポ2=大阪桐蔭)が二塁へ矢のようなストライク送球。盗塁を阻止し、西垣を盛り立てた。続く2回も1死一塁から盗塁を企図されるが、ここも岩本が補殺。序盤から積極的に仕掛けてくる大阪ガスを封じ込める。

 守備から流れをつかみかける早大は3回。一死から9番・山田淳平(教4=東京・早実)が敵失で出塁すると、続く瀧澤虎太朗(スポ3=山梨学院)も左翼手のグラブをはじく二塁打でつなぐ。1死二、三塁とし、打席には昨秋ブレークを果たした伏兵・金子銀佑(教3=東京・早実)。初球だった。速球を積極果敢に振りにいくと、打球は中前へと抜けていった。序盤に先制した早大だが、それ以降は走者を出しながらも得点になかなか結び付かない。西垣をはじめとする投手陣の粘り強い投球が続いた。再び試合が動いたのは8回。先頭・瀧澤が変化球にうまくタイミングを合わせ中前打を放つと、続く金子が犠打でしっかりと送る。次打者の内野ゴロの間に瀧澤は三進し、続く打席にはこの日無安打の4番・加藤雅樹主将(社4=東京・早実)。追い込まれてからの6球目、速球を見事に中前へと運び加点に成功。上位打線が理想的なかたちで貴重な追加点を挙げた。

 このまま逃げ切りを図りたい早大は、9回のマウンドに投手リーダー上條哲聖(商4=東京・早実)を送り込む。しかし先頭打者に左翼フェンス直撃の二塁打を浴びると、その後2つの内野ゴロの間に1点を返された。点差を詰められたものの、2死に追い込んだ早大バッテリー。だが、上條はここから右前打を許す。2死一塁。一塁走者を是が非でも得点圏に進めたい大阪ガスは、ここでも盗塁を選択した。しかし、ここでもーー。上條の高めに浮いた球を捕球するやいなや、岩本はすかさず二塁へ転送。またもや、どんぴしゃりの送球となり試合終了。大阪ガスベンチはぐうの音も出なかった。

この日4つの盗塁を刺した岩本。相手の攻撃の芽を摘んだ

  この日、大阪ガスが企図した盗塁数は4つ。その全てを岩本は阻止した。機動力をもって得点機をうかがおうとする大阪ガスに付け入る隙すら与えなかったのだ。地肩の強さもさることながら、目を引いたのは二塁ベース上へ正確に送球する制球力。強さと正確さを兼ねそろえた『岩本キャノン』が勝利をたぐり寄せたといっても過言ではないだろう。守備で猛アピールした岩本だが、チームには、小宮山悟監督(平2教卒=千葉・芝浦工大柏)が「素晴らしいキャッチャー」と評する小藤翼副将(スポ4=東京・日大三)が健在する。今後、岩本がさらなる活躍を見せることができれば、正捕手争いはさらに熱気を帯びるだろう。

(記事 石﨑開、写真 望月優樹)

 

※記事中の学年は新年度のものです。

 

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