【連載】秋季早慶戦直前特集『雪辱』第8回 佐藤晋甫主将

野球

 暗いトンネルの先は見えない。佐藤晋甫主将(教4=広島・瀬戸内)は「想定しうる最悪の状況」と現状を見つめた。粘っても勝ち切れない日が続き、どうしても『あと1勝』が遠かった。しかし、早大の名を背負うものとしてここで終わるわけにはいかない。運命のラストゲームまで、時は刻々と迫っている。

※この取材は10月20日に行われたものです。

「どこかチームの悪いところがあるんだろうなと思う」

置かれた状況の厳しさを語る佐藤晋

――改めてリーグ戦を振り返っていただきたいのですが、最初に明大、立大と山場となるカードが続きました。そこで勝ち点を取れなかったことについては今どのように考えていますか

 明大に関しては3回戦で延長戦を落としてしまって。1点の差というか、1球、あそこで打たれてしまったというのが勝ち切れなかった要因で、すごく悔やむ部分であり、徹底できなかったなと思います。打者としても、チャンスはつくっても1点取れなかったですし、守備、投手の面でも、あそこで中途半端に勝負に出てしまったので、悔やむ部分がたくさんある試合だったかなと思っています。立大に関しては、まあミスですよね。サインミスであったり、守備のミスであったり。1回戦は勝っていたけれど、檜村(篤史、スポ2=千葉・木更津総合)の送球エラーからピンチが広がって、一本返されて逆転されるという展開だったと思うので。やはりミスが点につながってしまったという・・・。それも非常に悔やまれる試合だったかなと思います。

――中でも明大3回戦は特に悔やまれる試合でしょうか

 そうですね。粘り強くやっていくというのが早大の野球だと思うんですけど、そこで粘り切れずに落としてしまったというのが・・・。開幕戦というのもありましたし、勢いづけられなかったかなと思っています。

――立大2回戦ではスタメンで出場されましたが、調子が上がっているとかではなく、より落とせない試合だったから佐藤晋選手が起用されたのでしょうか

 そうですね、たぶん。

――髙橋広監督(昭52教卒=愛媛・西条)から伝えられたことは

 いや、特にないです。当日にスタメンと聞きました。

――どういった気持ちで試合に臨もうと考えられていましたか

 いやもう、絶対に勝たないと次の試合3回戦ないので。まず勝つこと、出るからにはしっかり仕事を全うすること。それを意識して、熱い気持ちで臨みました。

――その立大2回戦では適時三塁打も放ちました。試合後の取材の際に「食らい付いていければ、なんとかチャンスが見えてくるんじゃないか」ともお話しされてましたが、気持ちで生まれたものでしたか

 そうですね。変化、全然合ってなくて。変化ばっかり投げられていたので、それをなんとかカットしてカットして。相手が嫌がって、真っすぐ投げてきたところを、しっかり狙い打てました。あれは、調子が上がらない中でも自分の仕事というか、自分の役割を果たすことができたのかなという打席でしたね。

――ただ、直後のスクイズのミスが悔やまれますかね

 そうですね。ちょっとサインに関しては、その週特に監督さんと選手全員で確認していたんですけど、やはり徹底できなかったというか、完全にみんなが分かるまで確認できていなかったかなと。実際試合でミスが出てしまったので、それは悔やまれますね。

――その後の東大戦、法大戦ではミスは少なくなっていましたが、それは明大戦や立大戦の反省を生かした結果でしょうか

 でもまあ、やってからじゃ遅いんですけど。やはりみんなも「ミスしているようなら勝てない」という厳しさも痛感したと思いますし、試合の中でミスが少なくできているというのはすごくいい傾向なんじゃないかなと今は思っています。

――立大戦で勝ち点を落とした後、選手はひどく落ち込んでいたという話を伺いましたが

 開幕と2カード目をポンポンと落としてしまったので、最初東大戦に入る前は、すごく落ち込んでいる感じだったんですけど、「まだリーグ戦終わってないし、相手は東大なのでこの雰囲気で行ったら絶対に足元救われるぞ」と、厚志(佐藤新人監督、スポ4=茨城)、監督さんはじめとしてみんな言っていました。東大に向けて雰囲気を高められたかな、なんとか持ち直せたかなと思います。

――東大戦ではいいかたちで2連勝となりました。あの試合で、落ち込んだ雰囲気もなくなりましたか

 そうですね。もう後がないので。落ち込んでいてもしょうがないですし、いい意味で切り替えて開き直っていけたかなと思っています。

――次の法大戦ですが、法大はその前の週に東大に2連敗しており目の色を変えてやってきたようにも見えましたが、佐藤晋選手にはどのように映りましたか

 やはり試合に入る前から、気合入っているなというのはみんな感じていたと思いますし、監督もおっしゃっていたので。それ以上の気迫を早大が見せることができなかったなと思います。

――春と同じく1点差で敗れることも多く、法大2回戦の後には岡大起選手(社4=東京・早実)が「春からずっとそうで、正直もう何が原因か分からない…」とも話されていましたが、原因がもう分からないという気持ちもありますか

 まあでも、やっぱり1点勝てないというのは、どこかチームの悪いところがあるんだろうなと思うのですけど・・・。チームのまとまりであったり、個人個人の練習の取り組み方であったり、そういったところも含め、自分もちょっとチームを勢いづかしていけれていない部分もあるなと。そういうところかなと思ってます。

――現在はチームとしてはどういった雰囲気ですか

 いやもう、負けられないんで、本当に。早慶戦に向けて、絶対最後有終の美を飾れるように、早慶戦は絶対に勝ち点を取るという意識でみんなやっていると思います。

――チームとして法大戦の後に、何か話したことはありますか

 法大戦終わって、ロッカールームで「もう後がないですし、ここまでやってきて勝ち切れないのは何かチーム全体として理由があると思うけど、ここまで練習のサポートをしてくれたメンバー外の人や、いろいろ支えてくれる人がいる中でそういった人たちのためにも、俺たちが最後早慶戦勝って終わらないと。それは使命だと思う。」と言って。「とにかく早慶戦で勝たなきゃいけない、そのためにやっていこう」と話しました。

――今季は投手が粘っていても、それを助けてあげられない試合が多かったように思われます

 春ほど得点できない・・・。ピッチャーが春よりも失点を少なくして頑張ってくれているのですが、野手がそれに応えることができていない部分があって。歯がゆいというか、(野手陣として)そういう気持ちはありますね。

――1点の重みというものは嫌というほど痛感してきた1年ではないでしょうか

 そうですね、はい。

――今の状況は開幕前にも予想していないほどの苦しい状況ですか

 そうですね。想定できる最悪の状況です。

――大差で負けるということはほとんどなく、接戦を落とす試合が続くと自信を失いかけてしまうようなこともありましたか

 なにか変えなきゃなという風に思う部分もあったり、でもやってきたことを信じてやるしかないという気持ちもあったり。まあちょっと、正直どうしたらいいか分からないというような部分もあったんですけど、最後まで今までやってきたことを貫き通すしかないなというふうに思っています。

――試合終盤で1点差で追いかける場面でも、ベンチは追い付くぞという様子も見られますが

 ずっとそうですね。

――あとはその粘りが勝ちにつながれば

 ベンチも最後までみんな取るぞという雰囲気出して、元気出してやってくれているので。そこをなんとか、あと1点取れればというところで取れないのがすごく悔しいです。

――ご自身としては、開幕直後より今の方が調子はいいですか

 調子は上がってきています。

――ケガに悩まされることも多かったと思うのですが、ケガをうらめしく思うこともありましたか

 自分がケア不足であったり、結局は自分のせいなので。ケガを恨むこともあったんですけど、そうじゃなくて、自分の今できる最善のことをやろうというふうに今は思っています。

心の支えは「人間万事塞翁(さいおう)が馬」

うまくいくときも、いかないときも、先頭に立ち続けてきた

――アンケートに理想の主将像を「行動で示し、厳しいことを言うこともあるけれど、チームのことを第一に言え、引っ張っていける人」と書かれていました。「厳しいことを言う」と書かれていましたが、性格として厳しく言えるタイプではないですか

 ないですね。そうです。なかなか人にガンガン言うタイプじゃないんですけど、主将として言うべきことは、チームを見て言わなきゃいけないこと、やらなきゃいけないことは伝えていかないといけないなというふうに、いろんな人からもアドバイスもらって。自分の性格を言い訳にするんじゃ駄目だなと思っています。

――言うことがチームのためになると考えて、今は厳しく言うようにしているのでしょうか

 チームのためになればっていうふうに。はい。

――言わなきゃ伝わらないこともありますか

 いやもう、いっぱいありますよ。みんな思っていること違うと思いますし、とみんなそれぞれ思ってることはあると思うので。

――以前、熊田睦選手(教4=東京・早実)が佐藤晋選手について「キャラ的に主将のタイプじゃない」と話されていましたが、主将らしくない主将ともいわれることもありましたか

 はい。ぐいぐい引っ張っていくタイプじゃないので。

――歴代の主将と比べてもタイプは違いますか

  違うと思いますね。

――どういった点で違うと思われますか

 キャラ的にも。いじられるキャラですし。今までもなかなか前に立ってというタイプでもなかったと思うので。(熊田は)よく見てますね(笑)。

――理想の主将像に河原右京選手(平28スポ卒=現トヨタ自動車)を挙げられていましたが、河原選手と佐藤晋選手では性格やキャラも違いますよね

 全然違います。

――河原選手のどういったところを理想とされているのですか

 やっぱり切り替えがうまいというか。右京さんは、ノックとかプレーしているときはガンガン厳しく言うんですけど。自分もすごく言われて。練習終わって、自主練とかしているときに話を聞いてくれたり、「こういうふうにしたほうがいいんじゃない?」みたいにアドバイスをくれたり。練習とは違ったトーンで親身に話を聞いてくれたりするので、そういうオンとオフの切り替えがすごい上手い人だったので、そういった人柄が慕われる主将なのかなって。すごく理想ですね。

――2年前に春秋連覇をした時の、ベンチで見ていたそこでの河原選手の姿というのも印象に残っていますか

 ガンガン引っ張りますし、試合でもやることやってここぞの場面でしっかり結果を出してきてくれるので。本当にキャプテンというかんじの方でした。

――ちなみに、春秋連覇を近くで見られたというのは今も経験として生きていますか

 すごいいい経験をさせてもらいましたね。全然試合とか出られなかったんですけど、メンバーの一員として、チームの一員としてその場にいることができたので、いい経験をさせてもらいました。

――今でも河原選手と連絡を取り合うこともありますか

 主将になった直後は、右京さんからラインがきて「おめでとう」というふうに言われて、いろいろアドバイスをもらったりして。この間の全早慶戦の時も「チームどう?」といろいろアドバイスもらったりして、すごく気に掛けてくださっていますね。

――その中でも心に残ったアドバイスはありますか

 一貫して言われていたのが、「とにかくメンバー内外関係なくいろんな人と接せよ」ということですかね。なかなか人数も多いですし、土日くらいしかみんなが集まることがないので。そういった中でもできる限りいろんな人と関わって、話を聞いてあげることが大事だなと思いました。

――理想の主将像として書いてくださった中には、「行動で示す」という言葉もありました。「行動で示す」というのは、プレーでいうより日常生活からという意味も含まれていますか

 そういう意味ですね。練習の取り組み方もそうですし、人一倍練習することもそうですし、日常生活で行ったら寝坊しない、時間を守るとか、掃除をしっかりするとか、人間としてやるべきことをしっかりやっていないと付いてくる人も付いてこないなというふうに思っているので。そういうことも込めて、行動で示す人が理想ですし、それを目指してやってきました。

――人間としてこうありたいとお手本にしている人はいますか

 難しいな・・・。高校時代だったら僕の1個上のキャプテンの人が練習の態度も、人間的にもすごい方でした。ずっと練習していて、最後までグラウンドに残っている人で。高校の時はその人の姿を見てすごいなというふうに思って、その姿を目標にしていましたね。大学ではやっぱり石井さん(一成、平29スポ卒=現北海道日本ハムファイターズ)ですかね。練習の取り組み方もそうですし、練習が始まる前もアップのために早くグラウンドに降りてきていて。すごく野球に対する思いというか真摯(しんし)に取り組む姿はすごく尊敬するというか、目標とする姿ですね。

――髙橋監督も佐藤晋選手のことを「率先垂範」と評されています

 気恥ずかしいというか(笑)。そう思われているのは素直にうれしいです。

――「キャプテンという以上に人としてすごいと感じる」、「ケガを治して一緒に戦いたい」、「晋甫に天皇杯を受け取ってほしい」などチームメイトからもこういう声がたくさん上がっています

 みんながこうやって思ってくれて、付いてきてくれるというのは、ありがたい、ことですし。一応こうやって思ってくれているので、今まで自分がやってきたことは間違いじゃなかったのかなって。これで、勝ててれば最高だったんですけど。なかなか結果が出ないんで、難しいところでもあるんですけど。いまだに何が正解だったんかなというふうにいろいろ考えることはあります。

――ただ今はもう、自分のこれが正しいと思うものに向かって突き進むしかないと

 そうですね。信念を持ってやるしかないと。

――苦しいときに支えとしている言葉に「人間万事塞翁が馬」を挙げられていましたが、この言葉をどういうきっかけで知りましたか

 松井秀喜さんの座右の銘で、それを聞いて知りました。最初見た時すごい重いいい言葉だなと思っていて。思い通りになることばかりじゃないと思いますし、今苦しかったとしても、今の経験が次に生きてくる。いいことばかりじゃないけど最終的にはいいことになるかもしれない。それを信じてやるしかないとも思っていて、そういった意味でその言葉が好きです。それを座右の銘というか、心の支えにして今までやってきています。

――この言葉はご自身のケガをされた時にも心の支えにはなりましたか

 はい。それを信じてやっています。

――それはこれからも野球を続けられる上でも

 はい。そうですね。いろんな経験していく中で、理想の自分に近づいていけたらと思っていますね。

――4年生についてもお伺いします。「どんな時も周りにいて支えてくれた」と話されていましたが、特に支えとなった方はいますか

 厚志とかはすごく親身に話し掛けてくれたり、悩みを聞いてくれたり。吉見(健太郎副将、教4=東京・早実)とかも、すごくサポートしてくれるというか、自分が至らない部分をしっかり補ってくれます。自分口下手なので、ミーティングの中でも自分がしゃべった後に、補足して付け足してくれたり。春のリーグ戦では、明大戦の後。明大戦で自分が全然活躍できなくて、ちょっと落ち込んでいた部分があったのですが、メンバー外の香村(啓太、教4=東京・早稲田)が部屋に来て「元気出せよ」と言ってくれたり。登坂(勇生、教4=東京・早実)がラインで「お前が打てなくて負けたらしょうがないから。誰も文句言わねえから。吹っ切ってやれよ」と言ってくれたりしました。メンバーに入っていた清水陸生(人4=宮崎大宮)も「元気出して。バッピ(バッティングピッチャー)とかいつでも投げてやるから。思い切って打てよ」って。そういうふうに声を掛けてくれる人がいっぱいいたので、そういった意味で4年生にはすごく支えられたなと思っています。

――4年生は明るい学年のように思われますが、その明るさに救われたこともありますか

 はい。みんな前向きなので。非常に救われています。

――メンバー外の4年生が全力でサポートしてくれるという話も伺いました

 練習ももうメンバー中心で、メンバー外の4年生はほとんど自分の練習せずに補助に徹してくれているので、すごくありがたいですし、そういったメンバーのためにも勝たなきゃなとそういう思いはありますね。

――そんな4年生と戦えるのも残りわずかですが、最後の早慶戦どう一緒に戦っていきたいですか

 今までサポートしてくれた4年生のためにも、絶対、早慶戦勝って、みんなで喜べる状況をつくりたいので。絶対早慶戦2勝して勝ち点取りたいなと。みんな一丸となって、チーム全員でまとまって、慶大にぶつかっていきたいなと思います。

――明大2回戦では、大竹耕太郎選手(スポ4=熊本・済々黌)が483日ぶりに白星を挙げました。佐藤晋選手も大竹選手の苦しい時をずっと見られていたと思いますが、あの時はうれしかったですか

 そうですね。最高のピッチングをしてくれたので。やっぱり大竹が復活すればチームも活気づくとずっと思っていたので。大竹がしっかり自分の最高のピッチングをしてチームが勝てたので、非常にうれしかったです。今まで大竹の努力というか、苦しいところを見てきた分、すごくうれしかったです。

――早慶戦でも大竹選手に期待したい気持ちもありますか

 そうですね。早慶戦で最後有終の美となれば。慶大は強力打線なので、それを大竹の持ち味を生かして、バッターをかわしてかわして緩急使って強力打線抑えてほしいですね。

――副将である吉見選手とは、どういったことを話してチームをまとめていこうとしていますか

 二人で話すということはあまりなくて、学生コーチだったりを交えて話すことが多いんですけど、練習どうしていこうかとか、今何が必要かという話だったり。いろいろチームで問題があったり、考えるべきことがあったりした時に、率先して吉見は自分の意見を発してくれるので、すごく助けられているなと思います。

――下級生の頃から吉見選手はガンガン意見を言うタイプだったのですか

 はい、もう。先頭に立って言う人でしたね。最初に意見を言う人でした。

――そのために、吉見選手を副将に任命したという面もありますか

 そうですね、はい。頼れる部分が非常に大きいので。

「意地を見せて、有終の美で終われるように」

――早慶戦は慶大の優勝と早大の最下位がかかったカードとなりました。東大も現在勝ち点1で並んでおり、2連勝は辞せない状況です

 もう、崖っぷちですよね。状況としては。でもいらないことは考えず、6位になるからってみんなが固くなって縮こまるんじゃなくて、僕たちができる最高のプレーを、最高の舞台でやることが今僕たちができる最善のことだと思うので。とにかく思い切り早慶戦、勢いつけて戦うことが重要なんじゃないかと思っています。

――去年の秋から慶大には負けが続いており、全早慶戦でも敗れましたが、今季の慶大の印象は

 打線がものすごくつながるチームで、もう強打者がわらわらいるイメージです。

――慶大は明大1回戦、立大1回戦など苦しい状況から逆転勝ちをしています

 勢いがあるというか、一体感もありますし、手強い相手だなと感じています。

――春に続き、髙橋監督が早慶戦でのキーマンに佐藤晋選手を挙げられており「キャプテンとして意地を見せてほしい」とお話しされていました。今季を振り返ってもご自身としてはこのままでは終われない気持ちは強いですか

 そうですね。自分が試合に出られていないので、非常に不甲斐ないなと思っています。最後早慶戦、ここぞという場面でしっかり自分の最高のプレーをしたいなと思っています。

――早大のユニフォームを着て戦う最後の試合となりますが、早慶戦ではどんな姿を見せたいですか

 一生懸命するしかないので。ひたむきな姿を今まで支えてくれた人たちに見せることが一番大事だなと思っています。とにかく一球に集中して、ひたむきな姿を見せたいと思います。

――どなたかに活躍を見せたい人はいますか

 両親が早慶戦見に来てくれるので、そこで最高のプレーをしたいと思います。

――早慶戦に向けて、ここまでどんな時も応援してくれた方へメッセージをお願いします

 これまでなかなかいい結果を出すことができなかったんですけど、早慶戦は僕たち4年生最後の試合にもなります。早大の意地を見せて、有終の美で終われるようにチーム一丸となって頑張るので、早慶戦応援よろしくお願いします。

――ありがとうございました!

(取材・編集 加藤佑紀乃)

ワセダとして、主将として、最後に『意地』を見せる

◆佐藤晋甫(さとう・しんすけ)

1995(平7)年6月9日生まれ。174センチ、81キロ。広島・瀬戸内高出身。教育学部4年。内野手。右投右打。春の早慶戦と言えば、佐藤晋選手の3試合連続本塁打も記憶に新しい方が多いのでは。周りから「やるときはやってくれる」という声も上がりました。佐藤晋選手も「そうやって思ってくれる人が周りにいるというのはうれしいですし、そういった人の期待にしっかり応えていかないといけない」と決意を新たにしていました。