伊藤樹が11奪三振完投と圧巻の投球！８回に一挙５点を奪い先勝/立大1回戦

東京六大学秋季リーグ戦　10月５日　神宮球場

　東京六大学野球秋季リーグ戦も折り返しを迎えた第４週、この日の早大はいまだ負けなしで立大戦を迎えた。立大のエース・小畠一心（３年）と伊藤樹（スポ３＝宮城・仙台育英）が奮闘する投手戦となり、互いにピンチを背負うも気迫の投球で７回まで両投手が無失点と好投を続ける。８回、先頭打者の尾瀬雄大（スポ３＝東京・帝京）の安打をきっかけに好機を作ると印出太一主将（スポ４=愛知・中京大中京）の適時打で２点を先制する。さらに前田健伸（商３＝大阪桐蔭）、石郷岡大成（社３=東京・早実）にも適時打が生まれ、この回５点を奪う。先発の伊藤樹（スポ３＝スポ３＝宮城・仙台育英）は９回に本塁打を浴び１点を返されるも、それ以上本塁は踏ませず11奪三振で完投。５―１でこの試合を制した。

８回に先制の適時打を放った印出主将

　初回、伊藤樹は制球が定まらず死球で先頭打者の出塁を許すと、続く打者のバントを小澤周平（スポ３＝群馬・健大高崎）の野選で無死一、二塁のピンチを背負う。しかし、中軸を抑えピンチを切り抜けた。この回以降はエンジンがかかり、２、３回には六者連続三振の圧巻の投球を披露。7回には山縣秀（商４=東京・早大学院）が中前に抜けそうな小フライをダイビングキャッチする好プレーを見せるなどエースの好投を支えた。９回に桑垣秀野（３年）にソロ本塁打を浴び、自身リーグ戦２度目の完封勝利とはならず悔しい表情を見せた伊藤樹。それでも９回11奪三振と立大打線を完全に封じ込んだ。

先発の伊藤樹

　一方の打線は好機を作るも生かせない状態が続いた。４回、先頭の吉納翼（スポ４＝愛知・東邦）が四球で出塁すると、印出主将が左前安打で続き、この日初めて走者を進める。しかし、この安打で二塁を狙おうとした印出主将の走塁死で流れが途切れてしまう。続く前田、小澤も打ち取られチャンスをものにできなかった。５回にも無死で梅村大和（教４＝東京・早実）が二塁打で出塁する。続く石郷岡がバントを試みたが空振り。ここで梅村が大きく飛び出してしまい、戸丸秦吾（4年）からの送球でタッチアウト。またしても好機を潰してしまった。

　６、７回も先頭打者を出しながらも本塁が遠かった早大。均衡を破ったのは８回だった。無死で尾瀬が中前安打で出塁すると、続く山縣の打席で小畠が暴投。さらに山縣の進塁打と吉納副将が野選で出塁し、無死二、三塁のチャンスが訪れた。この場面で打席には印出主将。２ストライクに追い込まれながらも「フォークボールを前で拾う準備をしていた」と決め球のフォークを捉えた打球は三塁線を抜ける２点タイムリーに。待望の先制打が飛び出すと、前田も右翼手の頭上を越える適時打で続き、小畠をマウンドから引きずり下ろした。さらに勢いは止まらず、石郷岡が代わった小林誠明（２年）から適時打。この回に５点を奪い試合を決めた。

８回に適時打を放った前田

　両エースの投げ合いが続き得点を奪えないもどかしい試合であったが、何とか終盤に得点し勝つことができたこの試合。それでも各所に走塁ミスや失策など、相手に流れを渡しかねないプレーが見られた。２回戦ではきっちりと修正し、春の王者にふさわしい野球を披露し、勝ち点を獲得したい。

（記事　瀧島遼太郎、写真　小島大典）

印出太一主将（スポ４＝愛知・中京大中京）

ーー本日の試合を振り返って

前半にチャンスを作りながら、なかなか得点に結びつけられない展開が続いてしまいました。それでも（伊藤）樹が粘ってくれていたので、何とか終盤（のチャンスを）ものにして、勝ち切ることができたことは良かったと思います。

ーー８回には２点適時二塁打を放たれました。打席に入る際に考えていたことを教えてください

小畠投手もかなり力を入れてアウトコースに良いボールを投げてきてたので、振り遅れないようにすることを意識していました。その中でフォークボールをどこかで投げて来るなと思っていたので、それを前で拾う準備をして、最終的にフォークを上手く拾えました。

ーー今日の猛打賞の活躍で打率が５割に乗りました。絶好調のシーズンを送っているかと思いますが、要因は

練習から大振りにならずにセンター意識でコンパクトな打撃というのを意識してることがこういう結果につながってると思います。

ーー守備面でも伊藤樹選手の９回11奪三振の好投をリードしましたが、意識していたことを教えてください

ロースコアで、試合のスコアが動かない状況が続いてたので、先に１点を与えるわけにはいかないなと考えていました。なので、長打や無駄な四球がないようにというところを意識していました。（伊藤）樹も気持ち入れて投げてくれていたので、８回の攻撃につながったかなと思います。

ーー最後に２回戦への意気込みをお願い致します

明治戦を前に１つの星も落とせないので、明日しっかり勝ち切って、６連勝で明治にプレッシャーをかけたいと思います。