秋季リーグ戦がついに開幕! 勝利をつかみ2連覇へ/東大戦展望

野球

 東京六大学秋季リーグ戦(リーグ戦)の火蓋がついに切られる。迎え撃つ相手は今春6位の東大。リーグ戦の順位は勝ち点が同じ場合、勝率が高い方が上位となるため、ぜひとも負けなしでカードを終えたいところである。しかし独特の緊張感があるのが開幕カード。今春0勝の東大との対戦とはいえ油断は禁物だ。

 東大の先発は平田康二郎(4年)と鈴木太陽(4年)が予想される。平田は今春の1回戦で3回2/3で8失点、鈴木太は2回戦に2番手で登板し5回6失点と完璧に打ち崩している。隙をつくような機動力と甘い球を見逃さない打撃で早いイニングから試合を決めたいところだ。他に東大の投手陣として注目したいのは渡辺向輝(3年)である。今春は主に中継ぎとして11回自責点3で防御率を2.45という成績を残し、投手陣の中で欠かせない存在となった。アンダースローから繰り出される緩急の効いた投球には目を見張るものがあり、追いかける展開で彼が出てくれば苦しい状況になるかもしれない。東大打線で注目をしたいのは今春ベストナインにも選出された大原海輝(3年)だ。今春は打率3割3分3厘を残し、他チームに比べ打席が少ない中、本塁打も1本放っている。彼の打席の前に走者を貯めれば複数失点もあり得るため注意したいところだ。

トミージョン手術を経てケガから復活した田和

 一方、早大投手陣は今春7度先発投手としてマウンドに上がった伊藤樹(スポ3=宮城・仙台育英)に注目が集まる。春はコンスタントに7回以上を投げ、明大3回戦では中1日にもかかわらず11回を完封勝利。春秋連覇に向けて、今季もエース・伊藤樹の大車輪の活躍が欠かせない。また、第2先発には宮城誇南(スポ2=埼玉・浦和学院)やラストシーズンで飛躍を誓う鹿田泰生(商4=東京・早実)の登板が予想される。夏季オープン戦でも結果を残しているだけに、どちらが先発マウンドに上がっても好投を見せてくれるに違いない。中継ぎには、いまだリーグ戦で自責点0の香西一希(スポ2=福岡・九州国際大付)と安田虎汰郎(スポ1=東京・日大三)が軸になるだろう。さらに今季は田和廉(教3=東京・早実)、髙橋煌稀(スポ1=宮城・仙台育英)がケガから復活。最速150㌔を超える2人のパワーピッチャーが盤石の投手王国を築き上げてくれるに違いない。

東京六大学オールスターゲーム2024 in 北広島で本塁打を放つ印出主将。目標である三冠王に向け、東大投手陣を打ち崩したい

 対する打線で鍵を握るのは、3、4番のクリーンナップを担う吉納翼副将(スポ4=愛知・東邦)と印出太一主将(スポ4=愛知・中京大中京)のコンビ。吉納副将は夏季オープン戦の大阪経済大戦、筑波大戦で2試合連続本塁打を放つなど、この夏にさらに打撃に磨きがかかっている。本塁打王を獲得した今春であるが、序盤は打撃不振に苦しんでいただけに、今季はシーズン序盤から結果を残したいところだ。4番を打つ印出主将は全早稲田戦や東京六大学オールスターゲーム2024 in 北広島で本塁打を放つなど、持ち前の長打力は健在。侍ジャパン大学日本代表でも主将を務め世界一に導いただけに、その打棒で春秋連覇に導けるか。東大とのカードで注目したいのは前田健伸(商3=大阪桐蔭)だ。今春はクリーンアップとして活躍が期待されるも、長打力は鳴りを潜め打率2割6分5厘、本塁打0、打点4に終わった。しかしこの夏は全早稲田戦で昨年エースの加藤孝太郎(令6人卒=現JFE東日本)から本塁打を放ったほか、夏季オープン戦の亜大戦で4安打をマークするなど覚醒を予感させるような打撃が続いている。打線の切れ目になりがちであった今春とは打って変わり、今季は吉納副将、印出主将を打つ5番としてポイントゲッターの役割を果たしたい。

全早稲田戦で本塁打を放つ前田健。この夏は好調が続いているだけにリーグ戦でも結果を残せるか

 今季は全勝優勝、そして2010年以来の明治神宮大会制覇を目指す早大。春秋連覇、そしてわずかに及ばなかった日本一を果たすために夏の練習を経て大きな進化を遂げている。まずは開幕カードの東大を相手に圧倒的な試合運びをし、勝ち点を獲得したい。

(記事 瀧島遼太郎)