吉納副将が均衡を破る本塁打!鹿田が6回無失点の好投で接戦を制する

野球

夏季オープン戦 8月21日 安部球場

TEAM
大阪経済大
早 大

 

 今春、7季ぶりの東京六大学リーグ戦(リーグ戦)優勝を収めた早大。春秋連覇へ向け、関西六大学春季リーグ戦2位の大阪経済大学とのオープン戦に臨んだ。試合は4回まで両者無失点の攻防が続く。しかし、5回に吉納翼副将(スポ4=愛知・東邦)のソロ本塁打で先制すると、7回にも尾瀬雄大(スポ3=東京・帝京)の適時打で追加点を奪う。先発の鹿田泰生(商4=東京・早実)は6回無失点の好投を見せると、あとを受けたリリーフも無失点でつなぎ、15日の作新学院大戦から夏季オープン戦4連勝となった。

 先発マウンドには全日本大学野球選手権(全日本)の決勝・青学大戦に先発し5回2失点と好投を見せた鹿田が上がった。テンポの良い投球とキレのある変化球でスコアボードにゼロを並べていく。無死から安打と四球を与え一、二塁となった6回のピンチでも、バントを試みた打者を併殺に打ち取ると、最後の打者も三振を奪って見せた。ラストシーズンとなる秋季リーグ戦で先発を目指している鹿田。「ストライク先行で打たせて取れた」と少ない球数で打者を打ち取ったこの試合の投球は確実に首脳陣の信頼を高めたに違いない。

先発の鹿田

 猛暑の中粘りのピッチングを続ける鹿田に何とか援護点あげたい打線は5回、吉納副将がついに均衡を破った。3ボールからストライクを取りに来た甘いボールを見逃さず仕留めると、そのまま右翼手の頭上を越えるソロ本塁打に。全日本準決勝で放った逆転3点本塁打を彷彿(ほうふつ)とさせる1発を放ち先制した。さらに7回、先頭の石郷岡大成(社3=東京・早実)が四球で出塁すると吉田瑞樹(スポ3=埼玉・浦和学院)が犠打を決め得点圏に走者を進める。この好機で春季リーグ戦首位打者の尾瀬が適時打を放ち1点を追加した。

5回に本塁打を放った吉納副将

7回に適時打を放った尾瀬

 7回から継投に入った投手陣は先発・鹿田に続き越井颯一郎(スポ2=千葉・木更津総合)、髙橋煌稀(スポ1=宮城・仙台育英)、香西一希(スポ2=福岡・九州国際大付)がテンポ良く相手打線を打ち取り無失点に抑えた。2―0とロースコアの試合をものにし、見事オープン戦4連勝を果たした。

9回を三者凡退に抑えた香西

 「キャンプの成果が出て秋に向けてすごくいい状態」と吉納副将は語る。翌月14日から始まる秋季リーグ戦での優勝、そして春にあと1勝届かなかった全国制覇へ。早大の夏は続く。

(記事 藤井一成、写真 長屋咲希、石澤直幸、早崎静)

◆コメント

吉納翼副将(スポ4=愛知・東邦)

ーー今日の試合を振り返ってみていかがですか

 直近の試合では勝ち切れていて、キャンプの成果が出て秋に向けてすごくいい状態だと思います。ロースコアのゲームをものにできるのは強いチームの良いところだと思うので、こういうところをしっかり伸ばしていけたらなと思います。

ーー本塁打を放った打席を振り返ってみていかがですか

 スリーボールからの打撃には、ピッチャーがストライクを取ろうとしてくる中で打ちにいくメリット、デメリットがたくさんあるので、そういったところにチームとしての課題があります。課題を潰したわけではないと思いますが、チームの主軸として「こういうバッティングをすればいいんだ」というのをしっかり見せられたかなと思います。

ーー南魚沼キャンプで取り組んだことを教えてください

 チームとして連覇を目標に掲げチーム力の向上に努めた中で、副将として練習に取り組む姿勢などを見つめ、4年生を中心にしっかりできていたと思うので、リーグ戦まで上げていきたいです。個人的には、ここまでやってきたらある程度は「なにが」というのはないと思うので、良いところを伸ばしつつ短所を克服していくだけだと思います。細かいことは色々ありますが、チームとしての課題に取り組めたと思います。

ーー試合が続きますが、この夏にチームとして克服したい課題はありますか

 秋の目標が全勝優勝することなので、そのためにオープン戦では、リーグ戦はデータがある中で戦いますが、神宮大会のような一発目どこと当たるか分からない状況の中での試合も見据え、チームとしてまずは勝ちきることを徹底していけたらなと思います。

ーー明日の試合に向けた意気込みをお願いします

 熱中症にならないで頑張ります(笑)。

鹿田泰生(商4=東京・早実)

――今日の試合を振り返って

 ストライク先行でどんどんいけて、良いカウントで打たせて取れたので、自分のピッチングができたなと思います。

――投球で意識していたことは

 結構どんどん振ってくるバッターがいるチームだったので、それに対してカットボールやスプリットで打ち気をそぎ、フライやゴロを取れたのが良かったです。

――この夏の課題は

 先発を目指すというところで、球数を少なくすることを目標にしています。少しずつ長いイニングを投げれるようになってきて、課題を克服できているなと感じます。

――次戦の意気込みをお願いします

 次も強敵と戦うことになると思いますが、自分のプレースタイルを貫いて抑えられたらなと思います。