前田健に本塁打が飛び出すなど二桁安打の猛攻で快勝

夏季オープン戦　８月19日　安部球場

　厳しい日差しの照り付ける中、安部球場で夏季オープン戦が行われた。南魚沼キャンプを終えたばかりの早大の相手は環太平洋大。初回、２回と序盤から打線がつながり４点をリードするも、４回に四球や失策も絡み４失点し、試合は振り出しに。それでも５回に変わった相手リリーフを攻め立て勝ち越すと、７回には前田健伸（商３＝大阪桐蔭）の本塁打で突き放し、９―４で快勝した。

　試合は初回から動く。初回、尾瀬雄大（スポ3＝東京・帝京）が左前安打で出塁すると犠打と四球を挟み、印出太一主将（スポ4＝愛知・中京大中京）の適時打で幸先よく先制する。さらに前田健の犠飛で１点を追加した。続く２回は１死から石郷岡大成（社３＝東京・早実）が中前安打で出塁すると、続く薗部将大（教４＝東京・早大学院）が左前安打でつなぎ１死一、二塁に。この好機で尾瀬の当たりは内野ゴロとなったが、この間に石郷岡が自慢の足を生かし一気に二塁から生還し、得点を追加する。さらに吉納翼副将（スポ４＝愛知・東邦）にも適時二塁打が飛び出し、２回までで４点をリードし、序盤から有利に試合を進めた。

先制の適時打を放った印出主将

　大量の援護を受けた先発の田和廉（教３＝東京・早実）は初回と３回に先頭打者に四球を与えるも、後続をしっかりと断ち切る。２回には三者連続三振を奪ってみせるなど、３回を無失点に抑え中森光希（文構４＝大阪・明星）へとつないだ。４回からマウンドに上がった中森であったが、先頭に四球、次の打者に死球を与えてしまう。そこから何とか２つアウトを取るも失策や満塁で走者一掃の適時二塁打を浴びてしまうなどこの回一挙４失点。試合は振り出しとなった。

先発の田和。３回５奪三振と好投した

　しかし五回に先頭の山縣秀（商4＝東京・早大学院）が安打で出塁すると、印出主将の打席で盗塁を決める。さらに印出主将も左前安打を放ち１死一、三塁とチャンスを拡大。「長くボールを見るということをキャンプで取り組んできて、成果として出ている」と前田健の適時二塁打で勝ち越すと、梅村大和（教4＝東京・早実）も右中間を割る適時二塁打を放ちこの回３点を奪った。また７回には好調の前田健の大きな打球がそのままフェンスを越えソロ本塁打に。８回にも失策で１点を追加するなど小刻みに得点を重ね、突き放した。

７回に本塁打を放った前田健

　投手陣は４回以降走者を出しながらも本塁は踏ませない。倉光条（教２＝東京・早実)が2回、岡村遼太郎（教1＝東京・早大学院)が１回を無失点に抑える。越井颯一郎（スポ2＝千葉・木更津総合）は２つの四球をきっかけにピンチを作るも何とか踏ん張る。最終回には梶田笙（スポ3＝大阪・早稲田摂稜）が四球を出しながらも後続を打ち取り９―４で試合終了。六大学を制した自慢の攻撃力で打ち勝つ試合運びとなった。

　この試合で注目すべきはやはり前田健だろう。全早稲田戦でもリストを生かした本塁打を放ち、この試合でも３打数２安打１本塁打の活躍。期待を背負った左の大砲は、この夏を越えて東京六大学秋季リーグ戦でどのような姿を見せてくれるのか楽しみだ。

（記事　竹田朋矢、写真　栗原礼佳）

◆コメント

前田健伸（商3＝大阪桐蔭）

ーー今日の試合を振り返っていかがですか

４回に追いつかれたんですけど、それを押し返して行けたのはよかったかなと思います。

ーー本塁打を打った打席を振り返っていかがですか

（打ったのは）スライダーだったと思うんですけど、風に乗ってくれたのでよかったかなと思います。

ーー全早稲田戦でも本塁打を放ちましたが、好調の要因は何ですか

やっぱり長くボールを見るということをこのキャンプで取り組んできたので、それが成果として出ているのかなと思っています。

ーーチームとして南魚沼キャンプで取り組んできたことはどのようなことですか

連係プレーだったり、根性じゃないですけど粘り強いチームになるために練習をしました。

ーー次戦への意気込みをお願いします

チームとしては勝てるように、個人としては与えられた役割を全うできるように頑張りたいと思います。

田和廉（教３＝東京・早実）

ーー今日の試合を振り返っていかがですか

新潟から帰って初戦ということで、あまり体が動かないかなと思っていました。しかしその中では、意外と自分の思い通りのピッチングができたかなと思います。先頭のフォアボールがあまり良くなかったなというのが自分の中の印象です。

ーーケガからの復帰登板後まだ時間がたっていない中で、前回のインタビューでは「自然と投球の出力が上がってしまう」とおっしゃっていましたが、今回の登板では投球の手応えはいかがですか

出力自体は自分の中ではまだ頑張って抑えていて、ここぞという場面でしっかり力を入れたボールを放るというのを意識していました。実際力を入れた球では空振りだったりファウルだったりが取れていたので、意外とイメージ通りの真っ直ぐを放れていたかなと思います。

ーー南魚沼キャンプで取り組んだことを教えてください

まず自分が練習したのはツーシームとカーブで、新しい球種を増やそうということに取り組みました。今日の試合ではツーシームでカウントが１つ取れましたが、カーブを投げる機会がありませんでした。今後長いイニングを放るとなった時にカーブで１ストライク取れたらなということで、今後も継続してやっていきたいと思います。

ーー次回の登板への意気込みをお願いします

先発は今のところまだ入っていないので、今後はリリーフでの登板ということになると思います。与えられたイニングをしっかりゼロで抑えるということを目標にしていきたいと思います。