あとアウト１つからサヨナラ負け　勝ち点獲得ならず／法大３回戦

 前日劇的なサヨナラ勝ちを収めた慶大は、法大との３回戦に臨んだ。増居翔太（４年）ら４年生３投手の継投も法大打線を８回までに４失点を許すが、打線は８回に山本晃大（４年）の本塁打などで３点を返す。続く９回には広瀬隆太（３年）の２ラン本塁打で逆転に成功。劇的な逆転本塁打で勝利を掴んだかに思われたその裏、押し出し四球で同点、続く打者に適時左前打を打たれ、サヨナラ負けを喫した。

 中１日での先発となった増居は３回に法大に捕まる。安打と四死球で１死満塁とされ、右犠飛で先制を許す。なお２死一、三塁から浦和博（３年）に左越え適時二塁打、さらに自らの暴投で３点を失い、４回でマウンドを降りた。

廣瀬の起死回生の本塁打で逆転したが

 増居のあとを受けたのは渡部淳一（４年）。６回１死から四球と犠打で２死二塁のピンチを招く。野尻幸輝（４年）の放った鋭い打球を遊撃手・朝日晴人（４年）が好捕し一塁へ送球するも、これが悪送球となって走者が生還し、点差を４点に広げられた。

 法大先発・篠木健太郎（２年）の前に得点を奪えない打線は８回に反撃を見せる。下山悠介（４年）、古川智也（４年）の連打で２死一、三塁の好機を作ると、６番・山本へ投じた初球を篠木が暴投。この間に１点を返し、なおも２死２塁から山本の放った打球は右越え２ラン本塁打となり、１点差に詰め寄った。

あと一つのアウトが遠かった

 ３番手の橋本達弥（４年）が７、８回を打者６人で打ち取り迎えた９回、先頭の奥村拓馬（４年）が二塁打で出塁するも、後続が打ち取られ２死に。万事休すと思われたが、３番・広瀬がバックスクリーン左へ逆転２ラン本塁打を放ち、土壇場でこの試合初めてリードを奪う。

 その裏、リーグ戦初登板の白木英稔（２年）など４投手を投入するも、３つの四死球で１死満塁のピンチを招く。この回４人目の浮橋幸太（２年）が宮崎秀太（４年）を三振に抑え２死にこぎつけたが、高田桐利（４年）へ痛恨の押し出し四球を与え同点に追いつかれる。続く斎藤大輝（４年）の放った打球は無情にも三遊間を抜け試合終了。優勝へ向けて譲れない勝ち点１を落とした。

 投手７人の継投も実らずサヨナラ負けを喫した慶大。増居や橋本達をはじめとした投手陣は登板を重ねており、疲労が心配される。次戦は１週空いて明大戦。万全な状態で臨み、優勝争いをリードしたいところだ。

（記事　矢彦沢壮真、写真　藤田珠江）