優勝への天王山でまずは１勝！　粘りの野球で首位・法大を下す／法大１回戦

　雨が降りしきる中、法大１回戦が行われた。ここまで全勝の両校にとって、このカードはまさに『天王山』。勝ち点を取れば優勝へ大きく前進するだけに、身に染みる寒さを吹き飛ばすほど、試合は両者譲らぬデッドヒートとなった。２回に１点ずつを取り合った後、両校の投手陣が好投。しかし８回裏、長い均衡を破る時が来た。２死二、三塁で小原和樹（４年）が放ったライナー性の打球は左翼線へ。これが決勝の２点適時二塁打となり、慶大が『粘りの野球』で勝ち切った。

　２回、慶大は先制点を許してしまう。２死一、三塁の場面、先発・髙橋佑樹（４年）の暴投で三塁走者が生還。痛恨のミスで１点を与えた。しかしその裏、すぐさま反撃を見せる。２つの四球で１死一、二塁とすると、瀬戸西純（３年）の右前適時打で１点を入れた。３回以降は得点圏に走者を置いても、なかなか得点につながらない。しかし８回、ついに勝ち越しに成功する。下山悠介（１年）の中前打や郡司裕也主将（４年）の四球などで２死二、三塁に。ここで打席に立ったのは、この時点で打点リーグトップタイの小原。１４５キロの直球を捉えた打球は左翼線を破った。これで走者二人が生還。球場には『若き血』が高らかに響き渡った。

勝ち越しの２点適時二塁打を放つ小原

　一方髙橋佑は、巧みに緩急を使い分け相手打線を翻弄（ほんろう）した。２回こそ手痛い暴投があったものの、７回まで投げて四死球ゼロ。制球力の高さが目立つ投球内容となった。８回からは津留﨑大成（４年）がマウンドへ。味方の好守にも助けられ、２回を無失点に抑えて試合を締めた。

髙橋佑の好投が勝利を呼び込んだ

　攻守がうまくかみ合い、現在首位の法大を下した慶大。投手陣はほとんど四死球を出すことなく最少失点で抑え、打線は５安打に抑えられながらもチャンスをしっかりとものにした。これで開幕から５連勝。『陸の王者』は波に乗っている。この日のような粘り強い野球を続けていけば、『六（りく）の王者』になれるのではないだろうか。

（記事　西山綾乃、写真　永田悠人、望月優樹）