沓掛の一振りで勝負あり!加藤拓、2戦連続の完投で勝利をつかむ/明大3回戦

野球慶大
明大3回戦 10
慶 大
明 大
(慶)○加藤拓-須藤
◇(本塁打)沓掛3号ソロ

 1分け1敗で迎えた明大との3回戦。どうしても落とせない一戦に慶大は臨んだ。先発マウンドに立ったのは加藤拓也(4年)と柳裕也主将(明大4年)。両エースの対決は1回戦に続いて投手戦となった。スコアボードには9回まで互いに0が並び、延長戦までもつれる好ゲームに。10回表、沓掛祥和(4年)が価値ある一発を放ち、死闘を制した。4回戦では、勝ち点獲得に向けて総力を結集し勝利をつかみ取る。

 第3戦の先発は加藤拓に託された。明大1回戦では12回を一人で投げ切り、それから中1日での登板。おとといの疲れを感じさせない投球を見せた。序盤こそ得点圏に走者を背負う場面もあったが、要所を締め、相手に本塁を踏ませない。試合終盤になっても球威は衰えず、黙々と右腕を振り抜き、味方の援護を待ち続けた。延長が見え始めた9回になっても救援陣がブルペンで誰も準備をしていなかったのは、エースに全幅の信頼を置いていた証しだろう。先にマウンドを降りるわけにはいかない、そんな覚悟を感じさせられる加藤拓の魂の157球だった。

ハイレベルなエース対決は加藤拓に軍配が上がった

 加藤拓の快投に何としてでも応えたい打撃陣だったが、この日も柳を打ちあぐねる。6回まで一人も安打を放てず、二塁すら踏ませてもらえなかった。7回に照屋塁(3年)のセーフティーバントがこの試合初めての安打となるも、後続は続かず。9回まで得点圏に走者を進められない、苦しい展開となる。得点が待ち焦がれた延長10回、主砲の一振りで試合が大きく動いた。1死で打席に立ったのは沓掛。この重苦しい雰囲気を打破するのは、一発しかなかった。柳の初球を捉え、打球は左翼手の頭を越える。スタンドへ入った瞬間、待望の先制点に三塁側の慶大ベンチはどっと沸いた。打った沓掛は二塁を回り、大きくガッツポーズ。加藤拓にとってはこれ以上ない援護となった。この試合初めてのリードで迎えた、10回裏。先頭打者に出塁を許すも、最後の打者を落ちる変化球で空振り三振に仕留め、ゲームセット。大きな一勝をもぎ取った。

本塁打を放ち悠々とダイヤモンドを回る沓掛

 しびれる延長戦をものにし、次戦に望みをつなげた慶大。ただし深刻なのは、ここ3試合でわずか2得点と元気のない攻撃陣だ。法大戦で見せた爆発力が鳴りを潜めている。第3戦までに両チーム投手陣を使い果たしているだけに、4回戦は打線が勝利のカギを握るだろう。総力戦が予想される勝負の一戦、慶大自慢の打棒が復活ののろしを上げられるか。

(記事 井口裕太、写真 八木美織、郡司幸耀)

東京六大学春季リーグ戦星取表
順位 慶 大 明 大 立 大 早 大 法 大 東 大 勝ち点 勝率
慶 大 △1-1
●0-10
○1-0
4/26
5/14
5/15
5/28
5/29
○11-1
○8-2
4/30
5/1
.750
明 大 △1-1
○10-0
●0-1
4/26
5/21
5/22
5/14
5/15
5/7
5/8
○1-0
●2-3
○12-3
.600
立 大 5/14
5/15
5/21
5/22
○4―1
○1-0
○5-4
●1-5
●6-8
5/7
5/8
.600
早 大 5/28
5/29
5/14
5/15
●1-4
●0-1
4/30
5/1
○1-0
○8-0
.500
法 大 ●1-11
●2-8
5/7
5/8
●4-5
○5-1
○8-6
4/30
5/1
5/21
5/22
.400
東 大 4/30
5/1
●0-1
○3-2
●3-12
5/7
5/8
●0-1
●0-8
5/21
5/22
.200
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