強力打線が鳴りを潜め、リーグ戦黒星発進/法大1回戦

野球慶大
法大1回戦
法大
慶大
(慶)●加藤、加嶋-須藤
◇(二塁打)北村

 勢い良く振ったバットは、むなしく空を切る。この日チームで14個目の三振――。最終打者・須藤隆成(3年)は顔をしかめ、悔しげにヘルメットを脱いだ。昨年度までのレギュラーが数多く残り、強打のパワフルな攻撃が予想された慶大。満を持して迎えた法大との初戦であったが、相手投手の前に打線が沈黙。ついに1点も奪うことができず、0−1で敗れる。春季リーグ戦(リーグ戦)初戦を、白星で飾ることはできなかった。

 開幕戦の先発を任せられたのは、加藤拓也(3年)。150キロ前後の直球と130キロ台の変化球を取り混ぜた緩急自在の投球で、順調にアウトの山を築いていく。しかし、突然の制球難が加藤を苦しめる。4回2死、ファールで粘る法大打線に3連続で四死球を与え、自ら塁を埋めてしまう。続く打者への5球目をとらえられ、打球は右前へ。右翼からの好返球により1失点でとどめたものの、6回にも連打を浴びて満塁のピンチを迎えるなど、本調子の投球とはならなかった。

肩を落とす加藤

 苦しい投球を続ける加藤を、どうにか援護したい打線。しかし、思いのこもった力強いスイングは、空を切るばかりだった。特に活躍が期待されていた3番・谷田成吾(4年)、4番・横尾俊建主将(4年)を含むクリーンアップは無安打と、その実力を全く発揮できず。北村祐樹(4年)が左中間を破る二塁打を放つなど、得点圏に走者を進めた場面もあったが、後続を断たれて点数につなげることができない。法大先発のルーキー森田駿哉の好投を前に、淡白な攻撃を強いられてしまった。

凡退し天を仰ぐ谷田

 リーグ屈指のパワーヒッターを多く擁しながら、わずか4安打に抑え込まれてしまったこの試合。あすの2回戦に向け、打線の立て直しは急務である。一方、投手陣もここぞという場面での制球力をさらに磨きたいところだ。優勝のためにも、第1週から連敗して勝ち点を落とす訳にはいかない。陸の王者が、いきなり正念場を迎えている。

(記事 芦沢仁美、写真 菖蒲貴司、杉田陵也)