投打共に勢いなく、立大に2連敗/立大2回戦

野球慶大
立大2回戦
立大
慶大
(慶)●三宮、瀧本、石崎、佐伯、明、加藤拓-小笠原

(本塁打)横尾1号3ラン(2塁打)小笠原

 春の勢いはどこにいってしまったのか――。春季リーグ戦では早慶戦で2連勝するなど勝負強さを発揮し、栄冠に輝いた慶大。その前に、昨季唯一勝ち点を落とした苦手の立大が立ちはだかる。前日の試合に敗れ、きょうは何としても勝ちたいところであったが、投打共に空回り。2回に先制を許すと、4回にも立大の猛攻を浴び、一挙4点を失った。また、前日の試合でわずか1得点に終わった打線は、この日も沈黙。4回に4番・横尾俊建(3年)の本塁打で3点を返すも、その後は相手投手陣に圧倒されてしまう。ほとんど好機をつくることができず、3-6で立大に2連敗。本来の勝負強さは影をひそめた。

 この日も自慢の強力打線が不振にあえいだ。立大先発・藤田凌司の緩急自在の巧みな投球術を前に、3回までを9人で抑えられた。ようやく反撃を見せたのは4回。連続四球で1死一、二塁とすると、横尾が甘く入った変化球を見逃すことなく豪快にフルスイング。チームを勢いづける3点本塁打で、逆転への足掛かりをつくったかと思われた。しかし、さらに走者を出した場面で竹内惇(4年)が痛恨の併殺打。試合の流れを呼び込むことはできなかった。その後も淡白な攻撃が続き、試合は完全に立大ペースに。結局4回の3得点のみに終わった。

3点本塁打を放つ横尾

 前日に続き、立ち上がりでの失点が投手陣に重くのしかかった。先発の三宮舜(3年)は前回登板した東大戦同様、不安定な投球が目立つ。ボール先行の場面が続き、ストライクを取りにいった甘い球を狙われた。2回に連打と犠飛で2点を先制されると、その後も立ち直ることができずに3回で降板。続く瀧本健太朗(4年)、石崎佑磨(4年)も精彩を欠き、4回に相手の足をからめた攻撃にリズムを崩され、4点を失った。その後は前日の試合で先発した加藤拓也(2年)を含む3人の投手リレーでつなぐ。なんとか追加点は防いだものの、毎回走者を許す厳しい展開が続き、試合を立て直すことはできなかった。

苦しい投球が続いた先発の三宮

 投打共に勢いを欠き、連敗を喫した立大との2連戦。結果、内容ともに優勝へ向け大きな不安の残るものとなった。この2試合を通じ本塁打でしか得点を奪えなかった打線は、一発に頼らないつなぐ野球をつくり直すことが不可欠だ。また、投手陣も制球に磨きをかけることが急務である。次の相手は法大。現在4連敗中であるものの、通算18勝の好投手・石田健大を擁するなど、決して侮ることはできない相手だ。優勝へ向け立て直しはかなうのか。いま一度チーム力が試される。

(記事 杉田陵也、写真 安田彰斗、山辺剛士)