突如の打撃不振 決戦への不安残る/立大3回戦

野球慶大
立大3回戦
慶大
立大 ×
(慶)●加嶋、石崎、瀧本-小笠原、須藤

 前日6得点を奪って快勝し、対戦成績を1勝1敗とした慶大。きょうは勝ち点獲得に向けて、立大との3回戦に臨んだ。試合は両校とも点の入らないまま5回を終える拮抗(きっこう)した展開。ところが先発の加嶋宏毅(3年)が6回に犠飛で1点を奪われると、反撃できずに0-1での敗戦となった。自慢の打線が不発に終わった慶大は立大から勝ち点を奪えず、再び2位に転落。しかし依然として最終週で勝ち点を取った方が優勝という位置につけている。

 序盤はお互い好機をつくりながら得点できない状況が続く。慶大は1回表、連打で1死一、二塁としたが、4番・横尾俊健(3年)が併殺打。この後も奮わず前半だけで3度の得点機を逃す。好機を逸する一方で、守りでも粘りで1、2回のピンチをいずれも守り切り、リードを許さない。5回までで0-0で試合を折り返した。ところが6回裏、簡単に先制点を奪われてしまう。内野安打、テキサス安打、犠打で1死二、三塁とされると打席には立大6番の酒井田照人。初球を右翼まで運ばれる。この飛球で三塁走者が生還し、失点。すかさず石崎佑磨(4年)へ継投して後続を断ったが、1点のビハインドを負った。

わずか1失点で敗戦投手となった加嶋

 追いかける展開となって当然期待されるのは打線の爆発。しかし6回以降、立大の先発・澤田圭佑が立ち直り始めると好機すらつくりだせない展開に。8回は2番からの好打順ながら3者凡退に終わる。ようやく反撃の糸口をつかんだのは最終回。竹内惇(4年)の安打から2死一、三塁として、ここまで2安打の山本泰寛(3年)に同点、さらには逆転の望みを託す。しかし最後まで相手エースの投球を打ち崩すことはできなかった。澤田圭の152球目、143キロの直球を捉えようとスイングしたが無情にもバットは空を切る。うつむく山本泰と、完封勝利をガッツポーズで喜ぶ澤田圭の対比が、全てを表していた。

最後の好機で空振り三振に倒れうつむく山本泰

 1失点はしたが試合をつくった加嶋や、それ以降を締めた投手陣を責めることはできないだろう。問題は打撃陣にある。きょうは終わってみれば13三振。特に5番の藤本知は4三振を喫したうち、3三振を高めの釣り球で奪われた。打線に工夫がなければ、優勝は望めない。勝ち点を取った方が賜杯獲得となる最終決戦へ向けて、再調整が必要だ。

(記事 三尾和寛、写真 芦川葉子、中澤佑輔)