【連載】春季早慶戦直前特集『慎始敬終』【第8回】齋藤正貴

野球

 東京六大学春季リーグ戦(春季リーグ戦)で中継ぎとして、チーム最多の7試合に登板している齋藤正貴(商4=千葉・佐倉)。開幕から6試合連続無失点投球を見せていたものの、法大4回戦で悔しい敗戦投手に。ここまでの春季リーグ戦を振り返り、早慶戦への意気込みを伺った。

※この取材は5月20日にオンラインで行われたものです。

法大2回戦で2イニングを0で抑えた齋藤正

「自分たちにはまだ足りないものが多くあった」

――今季ここまでのチームの成績を振り返っていかがですか

 去年、一昨年と春(春季リーグ戦)5位という結果に終わっている中で、今年は開幕4連勝するなど、去年、一昨年と比べるとチームの状態としてもいいかなと思います。しかし、4連勝5連勝した後から自分のせいでもありますが、法政と明治に負けて、出だしは良かったですけど、後半にかけて少し落ちてしまったかなという感想です。

――投手陣全体の投球を振り返って

 大量失点する試合もありましたが、全体的には加藤(加藤孝太郎、人4=茨城・下妻一)を主体に下級生の力も借りながら、全員が力を発揮できていると感じます。

――東大戦、立大戦を4連勝で幸先良いスタートを切りましたが

  打線がものすごく点を取ってくれて楽に投げられた部分もあった中で、本当にここからかなと思っていて。法政、明治、慶応とさらに強いチームが続いていくので、もう一度引き締めなければと感じていました。

――4戦目までもつれた法大戦を振り返って

 4戦目までもつれて最後勝てれば良かったのですが、自分が最後本塁打を打たれて逆転負けで勝ち点を落としたのは、申し訳ない気持ちでいっぱいです。

――明大には2連敗を喫し優勝を許しましたが、感じた明大との差とは

 明治との第1戦目は雨の中での試合でしたが、明治の投手陣は四球の数が少なく、逆にこちらは結構出してしまって。そういったところで投手の力の差は感じました。

――チームとして去年から成長したと感じる点はありますか

 去年のチームと比べて、1年生から4年生まで一体感があって、全員が日本一という目標に向かって一丸となって頑張れているかなと感じます。

――一方で改善していかなければならないと思うところについては

 良い雰囲気で良い練習ができていた中で、明治とあれだけ差を試合で見せつけられると、やはり自分たちにはまだ足りないものが多くあったという感じがして、そういった部分は夏から秋までしっかり詰めていかなければならないと思います。

投球の幅が広がった

――続いて齋藤選手個人について伺います。今季ここまでのご自身の成績を振り返っていかがですか

 先ほども述べましたが、法政の第4戦で打たれてはいけない場面で打たれて、負けて勝ち点を落としてしまい、その流れで明治戦に臨んで2連敗ということで、チームに悪い流れをもたらしてしまったので、そこは大変申し訳ない気持ちです。

――法大3回戦までは6試合連続の無失点投球でしたが、その要因は

 去年の春は先発をやらせてもらい、いい成績を残せずケガをしてしまいチームに迷惑をかけましたし、秋に関しては主力として投げることもできなくて。そういう悔しい思いをした中で練習に励んで、今年のチームでは後ろを任せられるようになるという気持ちを持って日々の練習を頑張った結果として、そういった部分が出たのかなと感じています。

――去年の秋季リーグ戦から中継ぎを任されていますが、先発の経験が生きていることはありますか

 先発と中継ぎは本当に違うので、正直あまり思い浮かばないのですが、今季ここまでは先発していた中での失敗や反省を生かしてこられていると思います。

――ここまでで得られた収穫は

 去年までは変化球のスライダーに頼っていたのですが、今年はいろんな球種をしっかり投げることができているので、打ち取り方の幅や投球の幅が広がったのが収穫です。

――見つかった課題については

 後ろを任されていて、打たれてはいけない場面で実際に打たれているので、大事な場面でしっかり抑えられるようにこれからもっと練習しなければならないと考えています。

自分の投球でチームを勝たせられるように

法大3回戦に登板する齋藤正

――早慶戦まで残り1週間となりましたが、現在の調子は

 明治戦ではマウンドに上がることができずに、最後の登板は法政の本塁打を打たれたときなので、調子がどうかと言われると目に見えてわからないのですが、自分の中ではあのときから少しでも成長することができたと感じていますし、調子も良いと思っています。

――現在のチームの雰囲気はいかがですか

 優勝は逃したのですが、早慶戦は特別なものであるので、そこに向かってしっかりもう一回頑張っていこうと、気持ちを高く持ってやっています。

――今季の慶大の印象はいかがですか

 去年の主力選手が一気に抜けたという印象でしたが、ここまでどの大学とも接戦も多いですし、本当に強いチームだなと感じています。

――意識している慶大の選手はいますか

 廣瀬選手(廣瀨隆太、4年)には自分自身大事なところで本塁打を打たれたので意識していて、キャッチャーの宮崎選手(宮崎恭輔、4年)には去年の秋季リーグ戦でタイムリーを打たれているので、そういった部分は少し意識しています。

――齋藤正選手が注目している早稲田の選手はいますか

 二人いて、飯塚脩人(スポ4=千葉・習志野)と、明治の第2戦でベンチ入りした澤村栄太郎(スポ4=佐賀・早稲田佐賀)には注目しています。

――どういったところを注目していますか

 二人ともこれまで悔しい思いがあって、その中でもしっかり練習して形になってきて、ここ最近では調子がいい部分もあるので、投げたら抑えてくれるのではないかという気持ちがあり期待しています。

――齋藤選手ご自身の注目してほしいポイントはありますか

 二つあって、一つは自分が自信を持っている変化球と、もう一つは魂の投球に注目してほしいです。

――最後に、早慶戦への意気込みをお願いします

 優勝は逃しましたが、負けられない戦いなので、自分の投球でチームを勝たせられるように頑張りたいです。

――ありがとうございました!

(取材・編集 沼澤泰平、写真 田中駿祐)

質問に答える齋藤正

◆齋藤正貴(さいとう・まさき)

2001(平13)年4月16日生まれ。182センチ。75キロ。千葉・佐倉高出身。商学部4年。中継ぎエースとして今季の早大投手陣をけん引する齋藤正選手。趣味は漫画を読むこととゲームをすることとインドアな一面をのぞかせてくれました!