追い上げ及ばず悔しい敗戦 明大の胴上げを阻止できず/明大2回戦

野球
TEAM
早 大
明 大
(早)●清水大、伊藤樹―印出
(本塁打)吉納2号3ラン(6回)

 第6週を迎えた東京六大学春季リーグ戦(春季リーグ戦)。前日の明大1回戦で4-15という大敗を喫した早大は、明大の優勝を阻止するべく、そして優勝へ望みをつなぐべく2回戦に臨んだ。初回に3点を先制されると、5回にも1点を追加されるなど、苦しい試合展開となる。ここで引き下がるわけにはいかない打線は、6回に吉納翼(スポ3=愛知・東邦)が3ラン本塁打を放ち1点差に迫る。しかし、8回に小島大河(2年)に2ラン本塁打を浴び万事休す。2連敗で勝ち点を逃し、明大の優勝が決定した。

先制を許しうつむく清水大

 絶対に負けられない一戦の先発を託されたのは清水大成(スポ4=大阪・履正社)。しかし、先頭の堀内祐我(4年)と2番の飯森太慈(3年)の連続安打などで1死一、三塁のピンチを招くと、4番の上田希由翔(4年)の適時二塁打で1点を先制される。さらに、1死二、三塁で杉崎成(3年)に2点適時打を放たれるなど、強力明大打線につかまる。打線はその裏に1死から中村将希(教4=佐賀・鳥栖)が中前打で出塁し、犠打で二塁まで進むも、印出太一(スポ3=愛知・中京大中京)が倒れ、得点にはつながらない。

アウトになり悔しがる印出

 清水大が2回は無失点で抑えると、3回からは伊藤樹(スポ2=宮城・仙台育英)にスイッチ。その伊藤樹は、5回に連続安打から1点を失ったものの、要所を締める投球で味方の援護を待つ。ここまで明大の先発・石原勇輝(4年)を攻めあぐねていた打線は6回、尾瀬雄大(スポ2=東京・帝京)の失策での出塁を起点に、2死一、三塁の好機を演出する。ここで、吉納がフルカウントからの6球目を強振すると、本人は「最初はホームランになると思っていなかった」と振り返るが、打球はどんどん伸び、左翼スタンドにささる3ラン本塁打となった。この一打で1点差に迫り、チームに追い風が吹いているかに思えた。

一時1点差になる本塁打を放った吉納

 しかし、明大から主導権を奪うのは容易ではなかった。7、8回は久野悠斗(2年)を前に無得点に終わると、8回の裏には小島河に、早大の勝利が大きく遠のく2ラン本塁打を放たれた。意地を見せたい9回表の最後の攻撃。吉納が空振り三振を喫すると、野村健太(スポ4=山梨学院)もバットに当てただけの一ゴロで2死に。続く島川叶夢(スポ4=熊本・済々黌)が三ゴロを放ち試合終了かと思われたが、相手三塁手が送球ミスをし、出塁を果たす。しかし、代打・篠原優(社4=東京・早大学院)が遊ゴロに倒れ、ゲームセットとなった。早大は屈辱の2連敗を喫し、この時点で明大のリーグ戦優勝が決まった。

最後の打者となった篠原

 投手陣は6失点を喫し、打線はチーム全体で3安打に封じられるなど、投打で力負けし、明大の胴上げを阻止することができなかった早大。シーズン開幕前から目標としていた「賜杯奪還」はかなわなかったが、最終週には早慶戦が残されている。両校ともに優勝の可能性は消滅したが、宿敵相手に絶対に負けることは許されない。早大ナインは気持ちを切り替え、最後の戦いに挑む。

(記事 齋藤汰朗、写真 湊紗希)

                黄字は打点付き

早大打者成績
打順 守備 名前
1 (中) 尾瀬雄大 3 0 0 .395 見三   四球     遊失   二ゴ  
2 (左) 中村将希 3 1 0 .353 中安   中飛     投犠   二ゴ  
3 (遊) 熊田任洋 3 1 3 .406 投犠     遊ゴ   二ゴ   四球  
4 (捕) 印出太一 3 1 0 .300 二ゴ     中安   二ゴ   四球  
5 (右) 吉納翼 3 1 3 .243   二ゴ   三ゴ   右本     空三
6 (一) 野村健太 4 0 0 .125   空三   三ゴ   二ゴ   一ゴ  
7 (三) 小澤周平 2 0 0 .297   遊飛     見三        
  打三 島川叶夢 2 0 0 .222             二直   三失
8 (二) 山縣秀 3 0 0 .324     二ゴ   遊ゴ   二ゴ    
  篠原優 1 0 0 .000                 遊ゴ
9 (投) 清水大成 1 0 0 .000                  
  中村敢晴 1 0 0 .000     遊ゴ            
  伊藤樹 2 0 0 .000         見三   見三    
早大投手成績
名前
清水大成 3 0 2 2 5 1 1 3 3 7.00
伊藤樹 6 0 0 6 6 1 5 3 3 2.08
 
東京六大学春季リーグ戦星取表
順位 明 大 法 大 早 大 慶 大 立 大 東 大 勝ち点 勝率
明 大 〇5-4
〇3-0
〇15-4
〇6-3
△0-0
〇5-1
●4-5
〇5-2
  〇3-2
〇6-3
.889
法 大 ●4-5
●0-3
●1-3
〇9-6
△0-0
〇2-4
〇10-0
●2-3
〇4-1
△1-1
〇2-1
〇4-3
  .600
早 大 ●4-15
●3-6
〇3-1
●6-9
△0-0
●2-4
  〇8-2
〇11-3
〇9-1
〇14-1
.556
慶 大 △0-0
●1-5
〇5-4
●2-5
●0-10
○3-2
●1-4
  △3-3
〇6-3
〇11-3
〇3-0
.556
立 大   △1-1
●1-2
●3-4
●2-8
●3-11
△3-3
●3-6
△6-6
〇2-0
〇4-2
.286
東 大 ●2-3
●3-6
  ●1-9
●1-14
●3-11
●0-3
△6-6
●0-2
●2-4
.000
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コメント

吉納翼(スポ3=愛知・東邦)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 明治は今日勝てば優勝という状況の中で、何としても優勝阻止したいと臨んだ試合でしたが、見ての通り力不足で負けたので悔しいです。

――昨日の大敗から一夜明け、チームとしてはどのような雰囲気で試合に臨みましたか

 明治の優勝を阻止しなければ自分たちの優勝は絶対に見えてこなくて、ここから4連勝すればまだ希望は見えてるというかたちで挑んだので、気持ち的にはとにかく負けちゃ駄目だなっていう感じでした。

――6回の本塁打の打席を振り返っていかがですか

 ツーストライクに追い込まれてから、とにかく粘って粘ってという感じでなんとかツースリーに持っていって、バットも非常にコンパクトに振れて、打球としては最初ホームランになると思っていなかったんですけど、風にもうまく乗ってくれてホームランになって良かったなと思います。

――チームとしては今日3安打に終わりましたが、打撃陣の課題としてはどのようなところにあると思いますか

 早稲田は疲労があったとはいえ、相手の明治はピッチャーの甘い球を一球で仕留めて全員強いライナーを打っていたので、それが自分たちはできていなくて、それも力不足なのかなと思います。

――早慶戦への意気込みをお願いします

 優勝はもう懸かっていないんですけど、早稲田の伝統として「早慶戦優勝」というものが肩書として残ると思うので、早稲田の意地として必ず慶應に2連勝できるようにしたいのと、春終わってもう下向いてても仕方ないので、よく言えば明後日の休み明けから、秋に向かって戦いは始まっているということをチーム一人一人分かった上で、しっかりと取り組んでいきたいと思います。