【連載】春季リーグ戦開幕前特集『勇往邁進(まいしん)』 【第10回】熊田任洋副将

野球

 第10回に登場するのは、熊田任洋副将(スポ4=愛知・東邦)だ。昨季は打率3割4分2厘、本塁打3本と、自己最高の成績をたたき出した。今季は再び遊撃へと守備位置を戻し、打順は3番を任されるなど、攻守にわたって中心的な役割を担う。そんな熊田副将のラストイヤーに懸ける思いを伺った。

※この取材は4月8日にオンラインで行われたものです。

(キャンプを経て)「スキルは上がったのでは」

城西国際大戦で打席に入る熊田

――まず、LAでの遠征を振り返っていかがですか

 当初予定していた3試合は行うことができなかったのですが、アメリカの地で野球をして、実際に大学の練習を見学して、スケールの大きさだったり、日本との違いというのを大きく感じて、貴重な経験をすることができました。

――3月には浦添キャンプもあったと思いますが、振り返っていかがですか

 チームとしては細かいサインプレーだったり、リーグ戦を戦っていく上で何が必要なのかを沖縄の地で再確認して技術を高めることができたと思います。個人的には数をしっかり打ったり捕ったりすることでスキルは上がったのではないかなと思います。

――ここまでオープン戦を消化してきて、チームの仕上がりはいかがですか

 いろいろ課題が多い試合だったと思うのですが、各自やらなくてはいけないことが明確に出ているので、それをつぶそう、何とかしようという空気はチームの中であるので、そんなに悪くないのかなと思います。

――副将として果たしたい役割や心がけていることはありますか

 意識はしていますが、とにかく自分のやるべきこととベストを尽くせばおのずとみんなもついてきてくれると思うので、自分がチームの士気を下げないように、元気のない姿を見せるとチームの士気に影響すると思うので、そこは意識してやっています。

――ご自身の打撃の調子はいかがですか

 一つ一つ課題をつぶせてきていると思うので、あまり結果は出ていないですが、段々調子は上がっていると思います。

――打順は3番を任されていますが、打順に関しては何かありますか

 シンプルにランナーがいなければ先頭の気持ちで打席に入りますし、ランナーがいればその場面に応じて何をすればいいかを考えて打席に立っています。

――打撃や守備に関して昨季と大きく変えた部分はありますか

 意識していることは特に何も変えていないですが、冬の日本代表合宿から得た、自分がもっと上でやっていく上で必要なことをこの冬は取り組んできたので、守備であったら足の運び、バッティングだったらスイングの鋭さや打球の強さというのをこだわってやってきたので、そこは昨年よりも良くなっているのではないかと思います。

――昨季は二塁を守りましたが、今季は再び遊撃に戻るということで、不安はありますか

 不安はあると思うのですが、やるしかないので(笑)。それだけ自分はやってきたと思うので。

――昨季以外は遊撃を守っていたということで、慣れ親しんだ場所に戻るという感覚ですか

 そうですね。ショートからの景色の方が自分の中ではいいと思っているので、しっかりとこなせるようにやっていければと思います。

――昨季から山縣秀選手(商3=東京・早大学院)と二遊間を組んでいますが、連携面での手応えは感じていますか

 お互いに特徴や動き、やるべきことは理解しているので、ちゃんとできると思います。

「一試合一試合自分のベストを尽くすだけ」

早同定期戦で安打を放つ熊田

――改めてチームとしての目標を教えてください

 リーグ優勝、日本一を目指してやっています!

――ここ数年の早大は、春季リーグ戦の成績は振るわず、秋季リーグ戦で巻き返すというのが続いていると思いますが、例年とは違うことや何か変えたことなどはありますか

 いい意味で開き直れているというか、昨年一昨年であれば何かしら不安を持ちながら試合をしている感じだったのですが、今年はいい意味で開き直って、「やってやろう」という気持ちでみんなやっているので、そこが今年は違うのではないかなと思います。

――「いい意味で開き直れている」というのは、昨年のレギュラーメンバーが残っていて、経験があるというのも関係しているのですか

 あると思います。

――続いて個人の目標を教えてください

 個人的には特に目標は立てていなくて、一試合一試合自分のベストを尽くすだけなので、その結果チームが勝って自分の成績が良ければいいと思っているので、特に具体的な目標は立てていないです。

――以前のインタビューでは、ベストナインに強いこだわりを持っているとおっしゃっていたと思うのですが、ベストナインに対する思いはありますか

 昨年も言ったと思いますが、結果的にベストナインを取れればいいかなと思います。

――秋にはプロ野球ドラフト会議もありますが、プロというのは意識されるのでしょうか

 そうですね、多少は意識しています。

――他大学で意識している投手はいますか

 誰っていうのはないのですが、明治に昨年やられたので、明治に対してはやり返したいという気持ちがあるので、明治の投手陣かなと思います。

――優勝を目指す中で鍵となるのは誰だと思いますか

 自分にしておきます(笑)。

――自分自身のどんなプレーに注目してほしいですか

 勝利への執念を見てもらえればなと思います。

――最後に意気込みを教えてください

 昨年の秋と一昨年の秋と、一試合一球で優勝を逃しているので、今年は何が何でも春取って日本一を取りたいと思います!

――ありがとうございました!

(取材・編集 齋藤汰朗、写真 田中駿祐)

質問に答える熊田

◆熊田任洋(くまだ・とうよう)

2001(平13)年4月15日生まれ。174センチ。76キロ。愛知・東邦高出身。スポーツ科学部4年。内野手。右投左打。LA遠征での一番の思い出は、エンゼルスタジアムとドジャースタジアムを見学したことだという熊田選手。鳥肌が立って今でも鮮明に覚えているそうです!