【連載】春季リーグ戦開幕前特集『勇往邁進(まいしん)』 【第3回】山縣秀

野球

 第3回に登場するのは今季から二塁手にコンバートされた山縣秀(商3=東京・早大学院)。昨秋の東京六大学リーグ戦(リーグ戦)では持ち前の守備力を武器にブレイクを果たした。それだけに「去年の秋が基準になることはどうしても避けられない」と山縣は語る。昨秋からさらなる成長へ。どのような準備をしてリーグ戦に臨むのか、現在の心境とともに伺った。

※この取材は4月4日にオンラインで行われたものです。

「(自分は)結果を出さなければいけない立場」

早同定期戦で安打を放つ山縣

――入寮してしばらく経ちましたが、寮での生活は慣れましたか

 はい。だいぶ慣れました。

――新体制対談では身体の線が細く、食べる量を増やすべきと他の選手に言われていましたが、入寮して食事に変化はありますか

 普段と同じように食べてたんですけど、意識してタンパク質を摂るようにしています。

――現在の調子はいかがですか

 可もなく不可もなくという感じですかね。

――現状の仕上がりはいかがですか

 去年の秋のリーグ戦に比べると試合にも出させてもらっていますし、準備の面ではいい感じにできていると思います。

――もうすぐ春季リーグ戦が始まるという実感は自分の中でありますか

 SNSなどでカウントダウンが始まっているのを見るとそろそろだなという実感はあります。

――春季オープン戦をチームとして振り返っていかがですか

 勝ち切りたいところで勝ち切れなかったりとか、社会人相手に力負けしてしまったりとか、そういう試合が多かったのでリーグ戦でしっかりと勝ち切れるように準備していかなければいけないなという印象ですね。

――去年のチームとの違いはありますか

 去年のチームよりも雰囲気が明るくて、元気なチームかなと思います。

――誰が盛り上げているのですか

 4年生全員が主体となっている感じなんですけど、個人的には生沼さん(生沼弥真人、教4=東京・早実)だったり茅野さん(茅野真太郎、教4=東京・早実)だったりがすごく声で引っ張ってくださっているのでそれについていく感じですかね。

――春季オープン戦での打撃を振り返っていかがですか

 ヒットは出ているので、それはいいことだと思うんですけど、内容が納得いかない打席が多いです。結果を出さなければいけない立場なので、結果が出ているのはいいことだとは思うんですけど、自分としては物足りない感じがしていて。これからもっと詰めていけたらいいかなと思っています。

――沖縄キャンプでのインタビューでは「何でもかんでも打ちにいってしまう癖がある」とおっしゃっていましたが、現在はいかがですか

 沖縄の時よりは良くなっていると思うんですけど、球速が速いピッチャーに対してはまだそこはカバーしきれていないですね。いいピッチャーや球速の速いピッチャーが出てきたときに、それが実践できるようになるまで意識し続けなければと思います。

――この冬で身体が大きくなった印象を受けましたが、どのようなトレーニングに取り組んだのでしょうか

 文珠(文珠めました。下半身主体でのウエイトトレーニングを週に4回やって、あとは食事ですね。

――身体が大きくなったことで飛距離や打球速度が変わりましたか

 実感はしていないんですけどバットが少し軽くなったかなという感じです。

――今季から上級生となりますがその点についていかがですか

 自分は影響力や言葉にあまり自信がないので、上級生に置かれている立場ではあるんですけど周りの上級生に負けていると思います。なのでもっと下級生にしっかりプレーもそうですし私生活も、言うのは得意ではないので(行動で)見せていけたらと思います。

――3年生の間で来年のことに何か話していたりはしますか

 あまりしてないですね。学生コーチの川内(川内脩平、スポ3=東京・八王子学園八王子)とたまに来年どんな感じになるかなといった話はするんですけど、それも抽象的ですね。今出ているメンバーが引っ張っていくかたちになるんじゃないくらいです。

――昨秋はレギュラーを奪いにいく立場でしたが、今季は結果が期待される立場にあると思います。その点に関していかがですか

 去年の秋が基準になることはどうしても避けられないので、それを超えられるようにしたいです。去年よりも期待されているのは自分でも思っているのでそこに関してはプレッシャーを感じながらも結果を出せたらいいなと思っています。

――二塁手を守っていた熊田任洋副将(スポ4=愛知・東邦)が遊撃手に、遊撃手を守っていた山縣選手が二塁手にコンバートになりました。コンバートしたことで何かお二人に変わったことはありますか

 あんまり変わらないですね。普段からあまりしゃべらないので。

「明治に勝たないと優勝はできない」

社会人対抗戦で打席に立つ山縣

――新体制で初めてのリーグ戦を迎えますが、チームの雰囲気や仕上がりはいかがですか

 雰囲気はだいぶいい感じに上がってきていて、最初の時に比べるとチームのカラーが出ているようになってきています。そういった面で言えば仕上がりとしてはすごく順調なのかなと思います。あとは細かいところをしっかりと詰めてリーグ戦でやっていけたらなと思います。

――チームのカラーとおっしゃいましたが、このチームを一言で表すならどんなチームですか

 明るいチームですかね

――春季リーグ戦での山縣選手の打者としての役割はどのように考えていますか

 去年の秋から引き続き下位打線で、相手のバッテリーは基本警戒してこない打順にいます。そういったところで甘いところをしっかりと叩けたりとか、追い込まれてから粘れたりとか。相手にとって嫌な選手と去年からずっと言ってるんですけど、それを今年も変わらずに続けていけたらと思います。

――春季リーグ戦での山縣選手のアピールポイントは何ですか

 守備は自信を持ってやっていきたいと思っているので、守備全体を見ていただければと思います。

――他の5大学で警戒しているチームはありますか

 やっぱり明治大学ですかね。去年優勝していますし、優勝したメンバーが結構残っているので、明治に勝たないと優勝はできないので明治大学は警戒しています。

――一番警戒している選手はどなたですか

 自分自身は飯森選手(飯森太慈、3年)を警戒していて、飯森選手を塁に出すことで宗山選手(宗山塁、3年)、上田選手(上田希由翔、4年)に続いていくので。1番が誰かわからないですけど、1番、2番をしっかりアウトに取れれば3番、4番であまり傷が広がらないかなと思います。

――対戦したい投手はいますか

 法政大学の篠木投手(篠木健太郎、3年)と対戦したいです。前回は完全に抑えられてしまったので、今回はしっかりと打ち返せるようにしたいです。

――春季リーグ戦の目標とする数字や成績を教えてください

 打率は3割以上、守備率100%で。盗塁も1カード一つで計5個を目標に頑張りたいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 近藤翔太、写真 荒井結月、田中駿祐)

質問に答える山縣

◆山縣秀(やまがた・しゅう)

2002(平14)年5月1日生まれ。176センチ。東京・早大学院出身。商学部部3年。沖縄キャンプでの思い出は特守でユニホームが泥だらけになったことだと語った山縣選手。泥だらけになりながらも鍛えた守備でチームをけん引します!