浦添キャンプリポート~コメント編~

野球

 今月1日から沖縄・浦添市にて行われている春季キャンプ。本記事では、キャンプに臨んでいる監督、コーチ、そして選手たちの声を紹介する。

小宮山悟監督(平2教卒=千葉・芝浦工大柏)

――まず、4年ぶりの浦添キャンプの開催についてどのように感じていますか

 ずっとできていなかったので、なんとかここでやれて良かったなと思いますけど、今年に関してはその前のLAがあったので、LAとこことで充実した練習をというもくろみで来ましたけど、LAが天候に恵まれず思い通りにならなかったので、挽回しようと思って今ここで必死になってやっていますけども、そのひずみがどうなるか分からないのでね。ただ、気候は抜群で暖かい分選手も体は動くので、非常にいい練習になっていると思います。

――『強化』をキャンプのテーマに掲げられていると伺いました

 基本的にチーム力を高めるには個々の能力が上がらないといけないので、妥協せずに強化をするということで選手たちには伝えていて、限界を知るという意味でもへとへとになるまで彼らに練習をしてもらって、そういう環境が目の前にあるので、選手もそのつもりで17日までは体をいじめるだろうと思っています。

――ここまでの浦添キャンプでのオープン戦の福岡工大戦、エナジック戦は監督はどのように見ていますか

 選手を43名連れてきているのでどんどん絞り込みをしないといけないので、沖縄の5試合に関しては、ある程度チャンスを与えて選手の能力を自分自身で理解できるようにさせたいなと思っています。関西、名古屋とこなしてある程度チームを固めて、東京戻ってからリーグ戦までの間のオープン戦で仕上げるというつもりでいて、最初の2試合で結果が良かったのもいれば目も当てられないようなそういう成績の者もいるので、あと3試合どのくらいチャンスを上げられるかわからないけれど、自分の現状の力を把握してリーグ戦に出るには何をどうしたらいいんだっていうところまで分からせてあげるような、そういうふうに指導したいなと思っています。

――金森栄治助監督(昭54教卒=大阪・PL学園)の指導などもありチームの雰囲気が少し変わったという話を伺いましたが、今年のチームの雰囲気はどう見ていますか

 (それまでと)変わらないんじゃないかな。4年生が中心になってやらないといけないので、毎年のように4年生が春自分たちがなんとかという思いで始まるシーズンなので、リーグ戦が始まるまでの間、去年の秋から新チームになってどんどんチームが熟成されるわけですよね。そういう中で元気よくということでみんな声を出していい雰囲気でやってくれているとは思いますけど、毎年4年生が最後の1年なんとかというかたちでという思いでやっていますから、とりたてて今年はどうかっていうことはないです。ただ、金森さんがいるということで、チームの中でそういったいい雰囲気にという感じで学生たちが受け止めてくれているという雰囲気は出ています。

――ここ2試合昨秋コンバートをした野村健太選手(スポ新4=山梨学院)など、内野守備が安定しているように感じます

 守備はやればやるほどうまくなる。バッティングはやればやるほどうまくなるかって言ったらそうではなくて、体がその理屈を覚えるには覚えるけど、でもその投げられたボールに対してどう反応してみたいなことで言うと、バッティングってなかなか答えが出ない。でも、守りは明らかに飛んでくる場所が分かってて、どんな打球の種類かっていうのもある程度分かってて、処理したらどうすればいいっていうことも、事前に自分のところに飛んで来たらどうしようっていう準備をして計算できて、こなそうと思ったらこなせるはずなんですよ。なので、守備はやったらやっただけうまくなるっていうことの証しだと思っているので、もっともっとうまくなってほしいなと思います。

――金森栄治氏が打撃コーチ、助監督に就任されましたが、その経緯をお伺いしてもよろしいでしょうか

 金森さんが昨年の秋楽天を退任されて、バッティングの勉強をもう一度一からやりたいということで、大学の方にベースボール科学研究所を立ち上げたので、そちらの方に招聘研究員としてお招きして打撃の研究をしてもらうと。そういう中、野球部に研究という形で学生に指導しながら金森さんの考えに合う合わないは含めていろんなことをやるという実験の場を提供できると思ったので、「空いてる時間にちょっと来て学生に指導してくれ」とお願いをして、金森さんも快く了承してくれたのでコーチに就任しました。そんな中リーグ戦戦う上で助監督不在でこの2年戦っていたので、金森さんに「助監督なんとか」ということでお願いをしたら了承していただき、無理言って助監督になったという経緯ですね。

――まだ時間は長くないですが、金森氏が就任してから感じた効果などはありますか

 学生たちの意欲というか、(金森さんは)長いこといろんな球団でコーチされているので引き出しも豊富だし、本人の考え方、『金森理論』というのがあって、その理論に合う合わないはもちろんありますが、そうは言うものの学生たちはどういうことなんだろうというのを考えながら金森さんに相談を持ち掛けたりしているので、それだけで十分だと思っています。要は何も考えずに「ああしろこうしろ」って言われてやってるだけじゃ駄目なんですよ。自分の中で自分のバッティングはどうだっていうのを考えながら、理論を持っている人にアドバイスをもらってこうしてああしてっていうことが重要なことであって、結果打てるようになった打てなかったそんなのどうでもいいと思う。要は、学生が本当に自分の打撃について考えるということをするようになったのがプラスなので、それでそれぞれが自分の考え方で形を作り上げていければいいと思っているので、その点ではちょっと楽しみです。

――最後に、残す遠征などへの意気込みをお願いします

 先ほど話した通り沖縄はテストの期間なので、それを経て関西でまずは同志社の定期戦、ここを勝ちに行きたいと思っています。その後も名古屋でトヨタと試合なんですけど、ここも社会人の強豪チームですから、ある程度自分たちの力がどのくらいなのかっていうのを測るいいチャンスだと思っているので、それを経て東京に戻ってきてリーグ戦までの間課題を克服して、本当にチームがいいかたちでリーグ戦に臨めるように一つ一つ戦っていきたいと思います。

金森栄治助監督(昭54教卒=大阪・PL学園)

――選手時代ぶりの早大への復帰となりましたが、実際に就任してみてどうですか

 懐かしかったですね。早稲田の自分の野球の原点に戻ったみたいな。ちょっと心がドキドキしましたね(笑)。

――早大からオファーが来た時はどのような気持ちでしたか

 勉強がしたかったので、ベースボール科学研究所の方で学びたいなと思って、そこからこういうかたちで(コーチに就任しました)。こうやってありがたいことに選手と一緒にやれるので、早稲田の野球を継承していきたいですね。

――実際に早大の選手を指導してみて感じることなどはありますか

 みんな素直で、かっこよくもあるじゃないですか。この辺は素晴らしいというか、本当に頑張っているなという気がします。

――以前大学の指導をされたことがあると思いますが、早稲田との違いはありますか

 伝統が違うんじゃないですかね。今まで先輩方が頑張ってこられて今の早稲田があるので、その重みが違うと思います。

――練習では森田朝選手にチューブを使用した指導をされていましたが

 下半身主導のスイングできるようにということで一番手っ取り早いので。

――金森助監督がグラウンドでも率先して声を出されており、選手からもパワーをもらっているというような話を伺います

 そうやって思ってくれるのはうれしいですね。勉強しなきゃいけない中で好きな野球をやっているからより明るくやってもらいたいんですよね。だからできるだけ手助けできるように。でもパワーをもらっているのは私です(笑)。

――ここまでの試合の打撃の部分を振り返っていかがですか

 まだまだなんですけど、一つ思うのは基礎体力がちょっと足らないのかなっていう気がしますね。

――春季リーグ戦に向けた意気込みをお願いします

 天皇杯に向けて早稲田の伝統を引き継いで、やっていきたいと思います。

森田朝陽主将(社新4=富山・高岡商)

――主将として迎えるキャンプですが、ここまでのLA、浦添キャンプを振り返っていかがですか

 いい感じで練習ができているなというかたちです。LAでは40年ぶりの寒波というのがあって思うように時間が取れなかった部分がありますが、その中で学びもありましたし、こっちで合流してからもLAに行けなかったメンバーの成長というか気迫を感じる面が多くて、チームとしてもいいかたちで前に進んでいると思います。

――実戦形式の打撃練習の際に金森助監督から指導されている場面がありましたが、どういった練習をしていましたか

 自分は手でいきすぎて引っかける打球が最近多くて、チューブを巻いて打席に立ったんですけど、とにかく手と足、腰で打つということを意識して打席に立ちました。

――練習内ではいい打球もありました

 今までああいう打球はなかったので、本当にうれしかったというか、今後継続できるように練習していければなと思います。

――金森助監督が就任して、雰囲気なども少し変わったと伺いましたが

 もともと前向きで明るい面が今年のチームのいいところだと思っていますし、それに加えて金森さんも私たちに交じって大きな声を出したり、そういう面では本当に前向きに練習できているのでいい雰囲気だと思います。

――ここまでの2試合を振り返っていかがですか

 本当に良かった点もありますし、課題が出た試合もあります。モチベーションとしては本当に全員が勝つ気で、特に2試合目は点差を付けられた戦いだったんですけどその中で何とか食らいついて、というかたちでできているので、本当に次につながる2試合だったかなと思います。

――チームとしての手応えなどはありますか

 特に1試合目はチームとしていいかたちで試合運びができたのかなというふうに思います。逆に2試合目は課題が見えた試合だったので、いいかたちできていると思います。

――具体的には

 2試合目は投手陣が少し苦しかったかなという面と、守備の連携の部分で少し乱れたところがあったので、チームとしてはそこを詰めていきたいと思います。

――個人としては

 最悪ですね。自分が打っていればもっといい展開になっていたと思いますし、全く塁に出れていないので次は必ず打ちます。

――残りのキャンプをどのようなものにしたいですか

 東京に帰るまでの期間で、チームとしてリーグ戦に向かうにあたってあとは思い切ってやるだけ、公式戦はもう全力で臨むだけというふうに必ず自信をつけて東京に戻ります。

熊田任洋副将(スポ新4=愛知・東邦)

――ここまでのLA、浦添キャンプを振り返っていかがですか

 LAでは人生で一度しか経験できないようなことを経験させてもらったので、いい刺激を受けました。浦添はまだ途中ですが、野球に集中して取り組める環境なので、充実しています。

――浦添での2試合を振り返っていかがですか

 そんなに悪くないかなと思っていて、試合を通して出た課題に対してすぐつぶそうという雰囲気があるのでいい試合ができていると思います。

――ご自身の結果としてはいかがでしたか

 まあまあといったところですね。

――ノックの後の円陣ではどのような話をしていますか

 実際にプレーでの反省事項をどうするかといった話であったり、全体で共有しようと思ったことを話しています。

――ここまでのチームの雰囲気はどうですか

 個人的には、悪くないと思います。

――ここから試合が続きますが、意気込みをお願いします

 リーグ戦まで時間が限られているので、一試合一試合を大事に戦っていけたらなと思います。

肥田尚弥新人監督(スポ新4=大阪・早稲田摂陵)

――4年ぶりの浦添キャンプとなりましたが、実際に来てみてどうですか

 練習のグラウンドとしてすごく広い練習場があるのと、みんな寝食共にするということで1日中野球のことを考えているので、野球に集中できる環境で練習できているのかなと思います。あと、東伏見では午前で(練習が)終わることが多いので、1日がっつり野球をやるというのがすごくしんどいです(笑)。

――LAからのここまでのキャンプを振り返っていかがですか

 LAでは悪天候にも見舞われて思うように体を動かせない部分があって、そこからこっちに来てもう一度調整し直すというのがすごく難しい部分ではあったんですけど、選手はなんとか時差も乗り越えながら頑張ってくれて、ようやく体が動くようになってきたかなっていう感じがしています。

――キャンプでのテーマなどはありますか

 このキャンプ期間では監督から「強化」というのを毎日言われていて、リーグ戦に向けて調整をするのではなくて、今までよりも数段レベルアップした実力を持ってリーグ戦に臨むっていうことで、『強化』をテーマにしてやっています。

――キャンプで行った2試合を振り返っていかがですか

 1試合目は今まで自分たちが冬の間に練習していた技術だけじゃなくて、ベンチワークだったりとか準備の声だったりとか、そういう部分で今までやってきたことをしっかり出せたかなっていう試合で、2試合目は金森助監督が来てからの今までバッティングで指導していただいたこととか、自分たちが積み重ねたものを発揮できなかった試合だったと思うので、やってきたことを出せれば勝てる、出せなければ負ける、それがはっきりと分かった2試合だったかなと思います。

――ベンチの雰囲気や試合中の声などがすごく良いなと感じますが、肥田さんからチーム内に共有していることなどはありますか

 代が変わってすぐに全早慶戦があったと思うんですけど、その時にOBの方々からベンチワークについて教えていただいて、その中で特に声を全員で掛けることによって試合に入るっていうのを言われました。応援したから点数が入るとか、応援したから頑張って打てるとかそういうのではなくて、自分が声を出すことで全員が試合に集中していけるという意味で声を出していこうということを言っています。それをみんな3カ月くらいずっとやってきたので、指示の声を出す中で自分も試合に入っていくという感覚があるんじゃないかなと思います。

――残す遠征やオープン戦への意気込みをお願いします

 全部春のリーグ戦で優勝して天皇杯を取るためにやっていることで常に勝利を追い求めながら、これから先もたくさんオープン戦があると思うので、自分たちの実力を練習で強化して、試合ではすべて勝って、そういう意気込みで絶対的な自信を持って春のリーグ戦に臨めるようにやっていきたいと思っています。

生沼弥真人(教新4=東京・早実)

――ここまでのキャンプを振り返っていかがですか

 自分は2月の頭からケガをしちゃったので、浦添キャンプの2日前くらいに復帰してLAには行けず沖縄からだったんですけど、そこでみっちり練習できた分LAのメンバーが帰ってきてからの実戦だったり練習にもスッとっ入れて充実した練習ができていると思います。

――昨日の試合や今日の打撃練習でもいい当たりが続いていまが、要因などはありますか

 去年の秋に試合の時のボールの見え方が良くなって、それを忘れないようにっていう意識でやってきてはいたんですけど、昨日の試合までは実戦のブランクが空きすぎていて見え方が悪かったんですけど、その実戦で感覚がなんとなくつかめた感じで、それが今日もまた継続できていた感じでした。

――以前課題と言っていた三塁守備はどうですか

 ケガする前の冬の2カ月間はしっかり練習をやってきていて、空いた1カ月をこのキャンプで毎日特守をみっちり受けたり、生きた打球を受けたりっていうのをずっとやってきて、自分の中でもフィールドに出てプレーをする不安がなく守れるようになってきています。

――試合中や練習中の声もすごく印象的です

 試合の守備の時はピッチャーが一番パフォーマンスを出せるように声を掛けるというのと、サードは相手のベンチが一番近くて、声でプレッシャーを掛けるのが大事な役割なので、チームを一番盛り上げれるようにっていうのを最上級生になってからは特に意識しています。

――これからの試合に向けた意気込みをお願いします

 やっぱりリーグ戦で結果が出なかったら意味はないので、練習試合の一つ一つの打席とか一試合一試合はもちろん大事なんですけど、全てリーグ戦で結果を残すための試合という位置づけで、一喜一憂しなかったり、調子が良くて打ててもその中で課題を見つけるというような意味のある試合にしていきたいと思います。

加藤孝太郎(人新4=茨城・下妻一)

※写真は3月19日の関大戦でのものです

――LA遠征を振り返っていかがですか

 天候があまり良くなかったのもあって思っていた通りにはいかなかったのですが、改めて早大野球部のすごさを感じたキャンプでした。

――早大野球部のすごさとはどういったところですか

 ああいったきれいな球場や、整った設備での練習は普通の大学の野球部ではなかなかできないと思いました。

――沖縄の環境はいかがですか

 暖かいので普段以上に体も動きますし、すごくやりやすいです。

――沖縄の後も関西遠征が続きますが、これらの遠征で身に付けたいことは何ですか

 何か新たに身に付けるというよりは、このオフシーズンに取り組んできたことがあるので、それを継続してケガなくやっていければいいかなと思っています。

――現時点での仕上がりはいかがですか

 個人的には手応えがあって、やったことが沖縄でしっかり出せています。フォームを少し変えたこともあって、ボールの強さが少しずつ出てきたのかなと思います。

――8日のオープン戦では加藤選手もスタンドから声をかけていましたが、チームの雰囲気がいいように思います

 本当にその通りだと思います。一つのプレーでミスが起こった時に、それを全員で責めるよりは、同じミスをしないように次はどうしたらいいか、切り替えができています。昨年よりも雰囲気がすごく明るくなっています。

――チームの雰囲気が変わったことには、森田主将や金森助監督の就任も関係があるのでしょうか

 金森さんも多少(関係)あるかもしれません。

――最高学年になり、チームづくりで意識していることはありますか

 投手だけで言えば、自分含め4年生が引っ張っていかなければいけないです。その中でも自分は特に引っ張っていかなければいけない立場だと思うので、投手陣でいる時は常に自分が率先してやっていこうと思っています。

――春季リーグ戦に向けて、沖縄、関西遠征での意気込みをお願いします

 開幕まで1カ月近いので、このオフシーズンにやってきたことがしっかり出せるように頑張りたいと思います。

印出太一(スポ新3=愛知・中京大中京)

――このキャンプでのテーマを教えてください

 沖縄は気候的に暖かいこともあって、東伏見でやるのとはまたちょっと違った雰囲気だなと感じています。自分のこともそうなのですが、このキャンプではまずチームの組織的なところ、選手同士の連携や全体のチーム力のようなものを意識していければと思います。

――8日のオープン戦(対福岡工大)では複数安打が出ていました。現在の打撃の調子はいかがですか

 あまり良くはないですね。実戦などでいろいろと取り組んできましたが、まだ少しズレがあるかなという感じです。悪くはないのですが、リーグ戦に向けてもう少し直すところは直していかないとなと思います。オープン戦でヒットは出ていますが、調子自体は自分の中でまだ納得できていないですね。

――現在、オープン戦では4番を任されています。何か意識の変化はありますか

 確かに4番を打っていますが、昨秋も蛭間さん(蛭間拓哉、令5スポ卒=埼玉西武ライオンズ)の後ろで5番を打っていて打順が一つ上がっただけですし、今までも3、4番は打った経験があるので、そこまで意識はしていないです。自分はあまり打順がどうこうでプレッシャーは感じないタイプですし、気負うことなく自分のやりたいバッティングができるように準備することが、一番大切かなと思います。もちろん4番なので、野球のセオリーとしてランナーを返して打点を上げるといった役割はありますが、自分が常にそれを考えている感覚はあまりないですね。そういうことよりかは、打撃においてどんな技術が必要かなどを考えて練習をしていて、相手の攻め方も下位打線の選手と4番を打つ選手とでは大きく変わってくるので、キャンプではその部分をもう少し自分で考えてやっていきたいと思います。

――攻撃において、特に重点的に取り組んでいることは何でしょうか

 攻撃においては、自分がイメージしている打席でのスイングの感覚と、打球の感覚が合っているときが一番調子のいい状態だと個人的に考えています。狙ったボールを打ちにいって、感触通りの打球がいって、それに納得して…ということが続くと、自分は調子がいいんだなと感じます。現在はオープン戦でヒットは出ていますが、まだ自分の中でイメージと打球の質感が合わない部分があります。練習で右方向をイメージするなどして、今後は打撃のポイントとイメージ、そして打球がマッチするように調整していくという感じですね。

――守備についてはいかがですか

 守備の方は、今年は昨年とほとんどピッチャー陣が変わっていないので、その点ではやりやすい部分があります。ですが、もっとやれば昨秋2位だったところをより抑えられると思うので、自分たちに何が足りなかったのかを考えながら練習をしています。配球のところも、この冬に攻め方の引き出しをたくさん増やせましたし、そういう部分をこの実戦でいろいろ試している段階です。また、前にテーマに挙げたスローイングに関しては継続して取り組んでいて、福岡工大戦では割といいスローイングもできたので、明大など足の速いランナーが多い相手に対して、しっかり送球していければと思います。

――キャンプを通じて、新チームでの実戦が増えてきました。現在のチームはどのような雰囲気でしょうか

 4年生、蛭間さんらが抜けたというのは確かに大きいのですが、ベンチのメンバーがそれほど変わっていないので、落ち着きがあるのかなと思います。新チームにしては、試合でバタバタしないというか、選手個々の経験的なところで落ち着いているイメージがあります。ですが、このままいっても結果は出ないと思うので、このオープン戦の期間でもっともっと突き詰めていくことが、リーグ戦の結果につながるのかなと感じています。

――最後に、今後への意気込みをお願いします

 打撃においては昨春が3割4分9厘で、昨秋が2割9分7厘。打率を3割に近づけていくことは、オープン戦からこだわりをもってやっています。自分の打球とイメージがマッチしてくるように継続して取り組みながら、同時に数字にもこだわっていきたいと思います。結果とそれに達するまでの過程を大切に、いいピッチャーを打てるだけの打撃を完成させて、リーグ戦に入りたいなと感じています。守備の方はバッテリーが試合の8割を支配すると考えていますし、打たれないと点は入らないと思います。相手を完璧に抑えるためにいろいろなことを想定しながらピッチング練習をしたり、社会人の方など多くのバッターと対戦する機会を与えてもらっているので、それを通して足りない部分を吸収したりして、リーグ戦につなげていければなと考えています。

梅村大和(教新3=東京・早実)

――LA、沖縄とキャンプが続いていますが、ここまでを振り返っていかがですか

 ロサンゼルスは多分ほとんど予定通りには行かなかったんですけど、その中でも各自できることをやりながらっていうふうにやってきました。ロスの方では結構バッティング中心の生活になっていたと思うんですけど、浦添に来てそれがちょっとは生かされてるのかなっていうふうに感じています。自分自身もこのキャンプはバッティングの能力を上げていきたいなっていうふうに思ってやってきていたので、そういう面では順調というか、やりたいことはできているのかなと思います。

――打撃面で特に伸ばしたいところはありますか

 打球を強くしたい、スイングの力強さというところで、やっぱりリーグ戦で戦っていくためには力のあるピッチャーとやらなければいけません。そこをしっかり打てるっていうところでは、振り切る力やスイングの強さをやっぱり求めてやっていきたいです。

――福岡工業大戦では初の実戦で安打を放たれていました。打撃の調子はいかがですか

 ロスから帰ってきて、ちょっと引っ張り気味というか、引っ張りにいっている部分があったので、そこをなるべくセンターから左中間にというふうな意識で打席に立ちました。その通りにレフト前に打てたので、そこはいい部分だったかなっていうふうに思います。

――今日の練習では、マンツーマンで鈴木コーチのノックを受けていました。守備面での手応えはいかがですか

 普段東伏見は人工芝なので、やっぱりこういう土のグラウンドに来ると、土の方がバウンドとかも変わってきますし、まだ守備力が全然足りてないなっていうふうに感じます。そこは土のグラウンドで足を使って捕って投げるっていうところを鈴木コーチと話してやっていたので、足を使ってやっていくっていうところをテーマにしています。

――リーグ戦に向けて、三塁手は激しいレギュラー争いが予想されます。それについてはいかがですか

 そうですね。多分今サードを守っている人たちは調子がいいと思うので、そこには負けずになんとか打ち続けて、決め手となるのは、やっぱり打つか打たないかっていうところだと思うので、そこはやっぱり他の方たちに負けないように結果を出し続けて、リーグ戦の時までにはレギュラーをつかみたいなというふうに思っています。

――春季リーグ戦への意気込みをお願いします

 まず個人的な部分としては、しっかりレギュラー取って、シーズン通して戦い続けるっていうところはやっぱり目標にしています。そこは本当にリーグ戦前までになんとか頑張って、結果を出したいです。リーグ戦でもシーズン通して戦い抜くっていうところが個人の目標ではあるんですけど、やっぱりそこも含めて、チームとしても日本一というところを目指しているので、そこのピースになれるように頑張りたいと思います。

山縣秀(新商3=東京・早大学院)

――沖縄キャンプが始まりましたが、どのような意識で練習に臨んでいますか

 とにかくミスを恐れずにプレーするということと、結果を出さなければいけない立場にいるので結果を求めて練習を頑張っています。

――セカンドにコンバートされましたが、このことについて率直にどのように思っていますか

 試合に出させていただけるのであればというのが率直な意見なんですけど、セカンドはやっぱり違和感があるのでそこは早めに慣れていかなければと思います。

――ポジショニングや視点がショートを守るときよりも変わると思うのですが、やはり難しいなと感じるのでしょうか

 (セカンドは)フレッシュリーグでも守っていて、あとは普段の(他の選手の)バッティング練習で守備に就く時もセカンドに入っていたので苦労まではいかなくても違和感はあるかなという感じです。

――背番号が「2」に変わりましたが、その心境はいかがですか

 素直にうれしいです。

――新体制対談では「この冬はバッティングを何とかしたい」とおしゃっていましたが、打撃面でこの冬に成長したことは何ですか

 今もまだ取り組んでいる途中なんですけど、この期間で少しだけ力がついたかなと思っていて、体重を少し増やしてスイングの振る力が少し強くできたかなと思います。

――最近のチームの雰囲気はいかがですか

 普段の練習から常に天皇杯を意識して練習する雰囲気なので、厳しいところもありながらいい雰囲気でやれているのかなと思います。

――最近の課題を教えてください

 バッティングの面なんですけど、結構何でもかんでも打ちにいってしまう癖があるのでそこは直さなければと思っています。打てるボールよりもヒットを打てるボールを打ちにいくというイメージができていないので、そこが最近の課題だなと思います。

――最後に春季リーグ戦への意気込みをお願いします

 今年は優勝という目標に去年よりも自分から意識するようにしているので、優勝に自分のプレーで貢献できるようにやっていきたいと思います。

伊藤樹(新スポ2=宮城・仙台育英)

――LA、浦添とキャンプが続いていますが、ここまで振り返っていかがですか

 状態はすごく良くて、疲労はありますが、いい感じなのでそのまま継続してやっていきたいと思います。

――福岡工大戦では先発を務めましたが、ご自身の投球はいかがでしたか

 今季から特に先発を視野にやっていて、ロングイニング投げるので、それに向けて配球の組み方など、直すところは直していい感じに抑えられたので良かったかなと思います。

――今日の打撃練習でも登板していましたが、その時の投球はいかがでしたか

 疲労もあって思うように投げられませんでしたが、その分、疲れた時にこういう感じになるんだといい勉強になったと思います。

――足の上げ方が二段モーションから一段に変わりましたが、どういった意図がありますか

 去年あの投げ方で1年間通してやって、球の強さは出たんですけど調子によってバラツキが出るということがあったので、一段の方が基本的に安定感があるので、できるだけランナーを溜めないようにというところだったり、フォームに疲れがないようにとかという感じでやっています。

――残りのキャンプや遠征などをどのようなものにしていきたいですか

 試合が続くので、春のリーグに合わせて成長して、ちゃんと一試合一試合テーマを持って継続してやっていればだんだんと良くなってくると思うので、それに向けてやっていけたらなと思います。

(取材、編集 荒井結月、齋藤汰朗、田中駿祐、田部井駿平、星野有哉、湊紗希、矢彦沢壮真、横松さくら、近藤翔太、橋本聖、写真 新井沙奈、荒井結月、荒井理沙、田中駿祐、湊紗希)