【連載】秋季リーグ戦開幕前特集『復権』【第6回】中村将希

野球

 今春の東京六大学リーグ戦(リーグ戦)では全試合出場を果たし、チームトップの打点を記録した中村将希(教3=佐賀・鳥栖)。今秋は「2番・左翼」での出場が見込まれ、攻守ともに新たな役割が求められる。高打率を残したいと語る中村将に、秋季リーグ戦の意気込みを伺った。

※この取材は9月3日に行われたものです。

秋はしっかり結果を残さないといけないと思う

春とは違ったポジションで迎える秋のリーグ戦

――いよいよ秋季リーグ戦の開幕が来週に迫ってきました。現在の心境を教えてください

 4年生とできる最後のシーズンとなるので、とにかく4年生のためにという思いを、プレーでもそうですし、姿勢でもしっかり出したいです。最後は優勝して、明治神宮大会(明治神宮野球大会)でもいい結果を残せるように、まずはリーグ戦優勝という目標に向けて頑張っていきたいと思います。

――春季リーグ戦を迎える前と心境の面で違いはありますか

 春は初めてのリーグ戦ということだったのですが、秋は1シーズン経験した上でのリーグ戦になるので、春と同じ結果ではまずいと思いますし、春とは変わった姿、成長した姿を見せられたらいいなと思います。

――春季リーグ戦では全試合に出場されました。春の経験から学んだことはありますか

 春は経験不足で、自分の力をあまり出せずに終わってしまったという部分があります。リーグ戦は一発勝負で、秋はしっかり結果を残さないといけないと思うので、そのための準備をしっかりやっていこうと思っています。

――今年は南魚沼キャンプが行われました。キャンプを終えて、率直な感想を教えてください

 南魚沼キャンプを通して、自分の中でも、チーム全体としてもやりきったという思いがあるので、今はかなり自信を持ってやれています。

――ハードな合宿だったというお話をお聞きしたのですが、いかがでしたか

 かなりハードだったとは思います。

――具体的にどういった練習をされたのでしょうか

 午前中は特打や特守をして追い込んで、そのあとに午後から全体練習という感じでした。疲れた状態でどれだけ体を動かせるかというところをしっかりやってきました。

――南魚沼キャンプでの思い出はありますか

 特打などは暑い中だったので、きつかったというか、しっかり自分を追い込めたなという思い出はあります。

自分も出塁して(チャンスを)広げられれば、それがベスト

打順もあらた場所となり、求められる役割は変わってくるだろう

――続いて守備面について伺います。春季リーグ戦を終えてから、外野手へコンバートされました。コンバートの経緯を教えてください

 自分が内野で全然駄目だったので、首脳陣の方もいろいろ考えてくださって、自分のためにも、チーム全体のためにもということで、外野への転向を勧めていただきました。自分は出られるのだったらポジションにこだわりはそこまでないので、外野に行きました。

――早大野球部へ入部する前も含めて、外野の守備の経験はありますか

 ないです。

――現在のご自身の守備に点数をつけるとしたら、100点満点中何点でしょうか

 50点くらいですかね。

――残りの50点はどういった部分でしょうか

  まだ経験値が全然足りていないと思います。練習はしっかりできることは全部やったので、あとは試合を経験してという感じです。

――外野の守備の難しさはどういう部分に感じますか

 外野は一歩目が大事になるので、打球の判断ミスがないようにすること、あとはスローイングが遠くなるので、その分の球の強さが必要になってくるのではないかなと思います。

――打撃面について伺います。オープン戦では2番を任されています。2番としてのご自身に求められている役割は、どういったところですか

 2番はチャンスメイクする打順です。後ろの4年生2人もそうですし、後ろにいい打者はたくさんいるので、その方々にチャンスで回すことを心がけています。

――2番は小技でつなぐ2番や、強打の2番など、様々なタイプがあると思います。ご自身の2番はどういったタイプでしょうか

 自分も出塁して(チャンスを)広げられれば、それがベストかなと思います。

――オープン戦ではバントをする打席もありました。普段から練習はされていますか

 しています。

――オープン戦ではタイムリーを打つ打席も多かったと思います。走者を返す役割についてはいかがでしょうか

 2番だからとかそういうことではなくて、ランナーがいなかったら自分が出ますし、ランナーがいればそれを返すのが自分にできることだと思います。自分にできることをやっていきたいです。

――2番に入って難しさを感じているところはありますか

 2番はいろんなことができないといけないと思います。その面では練習はしていますが、難しいところだと思います。

3年生、2年生が4年生を盛り立てて、とにかく勝って終われるように、全力で頑張りたい

2季目リーグ戦での活躍に期待がかかる

――オープン戦の桜美林大戦後のインタビューで、「ヒットは出ているが、調子はよくない」というお話をされていました。現在の打撃の調子はいかがですか

  今はかなりいい感じで打てているので、このままリーグ戦に入れればいいなと思っています。

――桜美林大戦後のインタビューについて、どういった部分がご自身で納得されていなかったのでしょうか

 シンプルに当たりが悪かったです。

――その原因はどういったことが考えられますか

 ボールの見方です。自分のスイングの軌道もそうですし、タイミングの取り方も含めてですね。

――今現在は調子が良いというお話でしたが、その要因を教えてください

 自分の中でやるべきこと、先ほど言ったことなどがしっかりできているので、それができていればいけるのではないかなと思います。

――ご自身の「理想の打撃」を言葉にすると、どういった打撃でしょうか

 打ち損じをしない、アウトになっても全部捉えてアウトになることは心がけています。打順的にも2番なので、とにかく出塁率を上げたいです。四球もヒットだと思っているので、しっかり四球も選べれば、チームとしていい攻撃ができるのではないかなと思います。

――具体的な数字で目標はありますか

 打率は4割目標なので、そこを打てるように頑張ります。

――夏季オープン戦では、チームとしてここまで勝ち越しています。現在のチームの状態はどのように見えていますか

 かなりいい感じだと思います。特に野手陣に関しては、春とは全然違うと思うので、それをそのまま試合で出せればいいなと思います。

――全然違うのはどういった部分でしょうか

 つながりもありますし、どの打順からも点数を取れるので、いい攻撃ができればなと思います。

――投手陣については、どのように見ていますか

 加藤(孝太郎、人3=下妻一)など春を経験した投手を中心にしっかり頑張っているので、その投手を助けてあげられるように頑張りたいです。

――意識している大学や投手はいますか。

 大学だったら明治は春優勝しているので、意識しています。自分たちも春一回勝ったのですが、結局勝ち点を取られてしまったので、このシーズンは勝ち切りたいです。どの大学にもそうなのですが、特に優勝しているチームには負けたくないと思います。

――明治大学の強さはどこに感じますか

 総合的にレベルが高いから強いと思います。

――初戦は春と同じく法政大学と対戦します。開幕戦は篠木健太郎投手(2年)の先発が予想されますが、篠木投手を打つために重要なことは何ですか

 篠木には、真っすぐに打ち負けないことが鍵かなと思います。

――秋季リーグ戦でのご自身のアピールポイントを教えてください

 バッティングです。

――どういった打撃でしょうか

 とにかく打率、出塁率を高く、しっかり打って得点を多く重ねられればいいなと思っています。

――今シーズンで4年生とは最後になります。特に仲の良い先輩はいますか

 三宅さん(隆二郎、人4=大阪・明星)や水野さん(友太郎、スポ4=福井・藤島)は、よくいじってもらいますし、蛭間さん(拓哉、スポ4=埼玉・浦和学院)は結構しゃべります。

――どんなお話をされるのですか

 野球の話やそれ以外の話もします。

――中村さんが考える秋季リーグ戦のキープレイヤーはどなたでしょうか

 蛭間さんですかね。このチームの主役で存在が大きいので、蛭間さんが打つとチームの盛り上がり方が他の選手とは比べものにならないです。ですが、蛭間さんに背負わせすぎないように周りが頑張らないといけないので、蛭間さんが打てなくても勝てるようなチームになりたいと思います。

――中川卓也主将(スポ4=大阪桐蔭)について、ここまでチームを引っ張られているのを見てきて、どんな主将だと感じますか

 中川さんはストイックで、チームに対して厳しいことも言うのですが、すべて理にかなっていて、正しいことをおっしゃっています。みんなそれについてきてここまでやってきたので、最後までキャプテンを信じてやっていければいいなと思います。

――他の3年生も取材で「4年生のために」ということをおっしゃっています。3年生でそういったことをお話されているのでしょうか

 話はしていないですが、みんな気持ちは一緒だと思います。

――最後に、秋季リーグ戦に向けて意気込みを教えてください

 春は5位というふがいない結果だったのですが、個人としてもチームとしても追い込んで練習をやってきたので、今シーズンは結果を残せる自信があります。個人としても、今シーズンはしっかり打っていい結果を残せればいいなと思っているので、とにかく一球一球、1プレー1プレーを大切にやって結果として勝てれば、それが最高のかたちだと思います。絶対このシーズンは優勝したいと思っていて、4年生と戦う最後のシーズンとなるので、3年生、2年生が4年生を盛り立てて、とにかく勝って終われるように、全力で頑張りたいと思います。

(取材・編集 矢彦沢壮真)

◆中村将希(なかむら・まさき)

2001(平13)年7月26日生まれ。179センチ、83キロ。佐賀・鳥栖高出身。教育学部3年。外野手。右投右打。今秋から初の外野に挑戦する中村将選手。4年生の蛭間拓哉副将や松木大芽選手(スポ4=石川・金沢泉丘)から守備を教わっているそうです!