秋季リーグ戦開幕 春の雪辱に向け強敵立大に挑む/立大戦展望

野球

 

 連覇に向けて挑んだ昨春のリーグ戦。早大はなかなか調子が上がらず、5位という悔しい結果に終わった。そこから約3ヶ月、昨秋に続く連覇を目指して秋のリーグ戦が開幕する。今回も春と同じように従来の勝ち点制ではなく、ポイント制で行われる。勝ちは1、引き分けは0・5、負けは0とし、最も高いポイントを積み重ねたチームが優勝となる。このルールでは、1戦1戦の勝ち星、また、「負けないこと」が優勝に向け重要となるだろう。また、新型コロナウイルスの影響で日程も大幅に変更された。10月は平日にも試合が組まれており、そこへの調整方法も勝負の分かれ目となるかもしれない。

 


第1先発が予想される池田陽

 

 早大の開幕カードの相手は立大となった。立大は昨春、慶大に続く2位につけており、早大にも2勝をあげた。夏を通してどれだけ成長できたのかを試す相手にとして不足はない。1回戦の先発が予想される池田陽佑(2年)は最速150キロの速球が魅力の本格派右腕だ。春季リーグ戦では2年生ながらオープナーとして8試合に先発。ただし防御率は3・51と今ひとつだっただけに、早大は先発・池田陽から複数得点を奪いたい。一方、後ろに控える救援陣は好調だ。野口裕斗(2年)、石元悠太郎(2年)の2年生コンビはともに春のリーグ戦で防御率が0点台とチームを支えた。守護神を務めることが予想される宮海土(3年)に対しては、この春に計4イニング対戦し、無安打8三振と苦しんだ。

 

 立大は打線も好調だ。中心となる東怜央(4年)は打率3割5分9厘、3本塁打、12打点という成績を記録している。昨春は東に本塁打を打たれており、最大級の警戒が必要となるだろう。その前を打つ山田健太(3年)にも細心の注意を払いたい。神宮通算6本塁打を記録しているスラッガーは本塁打こそ1本にとどまったが、打率は3割を超えるなど実力に疑いはない。同じく3割を超える打率を残したリードオフマン道原慧(3年)、勝負強い打撃を見せる宮崎仁斗(3年)も抑えておきたい打者だ。

 


救援陣の一角として期待がかかる原

 

 早大投手陣のキーマンは徳山壮磨(スポ4=大阪桐蔭)と西垣雅矢(スポ4=兵庫・報徳学園)の二人だろう。初戦で先発が予想されるのは徳山だ。春は防御率3・54と悔しい結果に終わった。この秋の開幕戦で復調して姿を見せたい。2戦目では西垣の先発が予想されている。昨春は勝利を挙げることができなかったが、開幕カードで勝利を挙げることで波に乗りたい。救援陣の中心となるのは守護神・山下拓馬(法4=埼玉・早大本庄)だ。防御率2点台と安定した投球を見せた春同様、この秋も後ろからチームを支える。原功征(スポ3=滋賀・彦根東)などオープン戦で好調な投手が多かった救援陣にも期待したい。

 


賜杯奪還のためにも丸山主将の活躍は不可欠だ

 

 打線の注目は蛭間拓哉(スポ3=埼玉・浦和学院)、そしてプロ志望届を提出した岩本久重副将(スポ4=大阪桐蔭)の2人だろう。ともに春3本塁打を記録しているだけに、チームを勝利へと導く打撃が期待される。オープン戦で好調だった福本翔(社4=東京・早実)や中川卓也(スポ3=大阪桐蔭)、丸山壮史主将(スポ4=広島・広陵)らが2人に続いてくれば、春にはなかった大量得点も見込める。

 

 春のリベンジに向けて好スタートをきりたい立大戦。台風14号の影響で1日の順延が発表される中、ポイントとなるのはやはり先取点だろう。両チームともに強力な守護神が控えているだけに先取点の存在は試合の流れを大きく左右する。『一球入魂』という早大野球部の使命をスローガンとして掲げた早大の、負けられない最後の戦いが始まる。

(記事 山本泰新 写真 永田悠人)