【緊急】令和3年度春季早慶戦 注目選手特集 25 野村健太

野球

 

 昨秋1年生ながら安定した成績を残し、外野手としてベストナインにも選出された野村健太(スポ2=山梨学院)。だが今春は誰よりも厳しい戦いとなった。ここまで8試合すべてに先発出場するも、打率は1割を下回る.045。開幕6試合は無安打で終わり、7試合目の明大1回戦にてようやく1本安打を放ったのみ。開幕前のオープン戦から苦労していた野村だが、特に「タイミングのずれ」の課題を克服できずにいた。左肩で自然と壁を作ることができず、バットにボールが当たったとしても、六大学投手の力強い球を前に弾き返せなかったのだ。またメンタル面では、「なかなか切り替えられずに考えすぎてしまう」ことが克服すべき課題となっている。前の結果を引きずってしまい、次の打撃まで窮屈にさせてしまっていた。このような課題に直面し打撃で思うような貢献ができない分、守備での貢献は「当たり前」だという野村。その言葉通り、明大2回戦では見事なスライディングキャッチでピンチを救ってみせた。

 

明大1回戦で安打を放ち笑顔を見せる野村

 

 早慶戦を待たずして、リーグ戦優勝を決めた慶大。正木智也(4年)や、野村と同学年である廣瀬隆太(2年)を要する慶大打線は強力だ。また森田晃介(4年)と増居翔太(3年)の両先発投手は、共に防御率1点台と抜群の安定感を誇る。数多くは望めないチャンスを、いかにものにできるかが早大勝利への鍵だ。「走者を返すバッティングをしたい」と早慶戦に向け意気込みを語った野村。同じく外野手で早大打線を牽引する鈴木萌斗(スポ4=栃木・作新学院)と蛭間拓哉(スポ3=埼玉・浦和学院)からもアドバイスを受け、課題克服を目指しひたむきに練習を重ねてきた。自信が揺らぐほど苦しんだ今春。だからこそ春を締めくくる伝統の一戦では、積極性を取り戻し持ち前の打力を存分に発揮したい。払拭の一打で、低迷する早稲田を救えるか。

 

(記事 樋本岳)

 

◆野村健太(のむら・けんた) 2001(平13)年8月27日生まれ。180センチ、97キロ。山梨学院高出身。スポーツ科学部2年。外野手。右投右打。開幕からなかなか安打が生まれずに苦しんだ野村選手。しかし、明大戦で初安打が飛び出すと、ベンチは大盛り上がり。早慶戦でもベンチ、スタンドを沸かす打撃に期待しましょう!