【緊急】令和3年度春季早慶戦 注目選手特集 16 西垣雅矢

野球

 

 「全く満足いく結果ではない」。今季は2回戦4試合に先発し0勝2敗、登板した試合でチームの勝利数は0。救援陣のリーグ戦経験が少ない中、Wエースとして投手陣を引っ張る西垣。「自分の投球が、勝敗を直接左右する」と、『4年生としての責任感』を強くにじませた。

 

 東大戦では8回無失点の好投を見せたが、その後の試合では勝負どころを抑えきれない。西垣の本来の強みは、多彩な球種を操り、自分に有利な投球を進められること。しかし今季は制球に苦しみ、カウントを悪くしたところで甘い球を捉えられてしまう、そんな場面が目立つ。法大戦では粘りの投球を見せながらも終盤につかまり、勝ち越しを許す。また明大戦では失投を痛打され、逆転の本塁打を浴びた。2巡目以降で被安打が増え、失点を重ねてしまうことが課題だ。

 

立大2回戦で5回3失点と粘投を見せた西垣

 

 一方、1年時から取り組み続けてきた直球の強化が実を結んできている。これまで地道にトレーニングを積み重ね、ボールへより効率的に力を伝えられるフォームを追求してきた。その結果、「今季はストレートで打者を押せている」と手応えを口にする。立大戦では、初回をテンポ良く三者三振に仕留め、球速も自己最速タイの147キロを計測。数字の上でも成果は表れている。  

 

 最高学年となり、同級生がデータの収集などでチームを支える姿を見て、以前よりも「仲間のために」という気持ちが大きくなったという西垣。「チームを勝たせる投球がしたい」、その思いは人一倍強い。注目の集まる早慶戦。大きなプレッシャーがかかるマウンドで本来の力を発揮できるかが肝だ。目標としていた連覇への道は閉ざされたが、宿敵・慶応には絶対に負けられない。期待と重圧を力に変え、強力打線を封じ込める。

(記事 倉持七海)

 

※紙面に掲載している記事と同様になります。紙面はこちらから。(5/29公開)

 

◆西垣雅矢(にしがき・まさや)

1999(平11)年6月21日生まれ。184センチ、85キロ。兵庫・報徳学園高出身。スポーツ科学部4年。投手。右投左打。座右の銘は「克己心」。日々の練習やマウンド上では「他の誰かではない、自分に打ち勝つこと」を大切にしているそう。入念な準備でプレッシャーに打ち勝ち、慶大打線を封じます!