春季オープン戦ダイジェスト(3月29日~4月2日)

野球

 安部球場での春季オープン戦が終了した。ここまでの春季オープン戦の通算成績は6勝11敗。大きく負け越している。中盤以降で点が奪えない打線、競った試合をものにできない弱さ、焦りから守備のミスが続いてしまう未熟さなど、課題は山積。来たる本番に向け、膿は出し切ったと言っていい。それでも、4月2日のHonda戦では投打がかみ合い納得の内容で勝利するなど明るい兆しは見え始めている。勝負は開幕を1週間後に控えた東京六大学春季リーグ戦(春季リーグ戦)。残り少ない時間で課題をつぶし、万全の体制で開幕戦・法大を迎え撃つ。

亜大を押し切れず、再びの逆転負け(3月29日・対亜大)

TEAM
早 大
亜大

最終回、一打同点の好機で空振り三振に倒れた戸谷

 東京六大学春季リーグ戦(春季リーグ戦)に向け調整を進める早大野球部はこの日、東都大学リーグの強豪・亜大を本拠地に迎え対戦した。序盤から幸先良く2点を挙げるものの、その後は追加点を奪えず。嫌なムードの中、8回に逆転弾を許し、2-3で敗戦となった。

 試合は初回から動いた。先頭打者の八木健太郎(スポ4=東京・早実)が、高めの直球を力負けせずたたくと、打球は伸びて右中間スタンドへ。一発で1点を先取した。さらに2回、アピールを続ける岸本朋也(スポ3=大阪・関大北陽)が、1死から二塁打を放つと、その後2死一、三塁とし、再び打席に立った八木がスライダーを狙い打ち。打球は三遊間を抜け1点を追加した。p>

 この日先発の清水陸生(人4=宮崎大宮)は、序盤から球威のある直球を内外角に投げ込み、相手打線を完璧に封じる。4回に亜大4番・頓宮裕真(3年)にソロ本塁打を浴びたが、その後はピンチを迎えても後続を断ち、1点差を守る。しかし、一方の早大打線も3回以降は全く好機をつくることができず、徐々に主導権は亜大側へ。そして8回、清水は四球と犠打で1死二塁の場面から再び頓宮に本塁打を浴び、逆転を許す。被安打4と力投した清水を打線が助けられず、早大はオープン戦3連敗を喫した。

(記事 喜田村廉人、写真 久野映)

拙守が重なり立正大に惜敗(3月30日・対立正大)

TEAM
立正大
早 大

本塁打を放ちハイタッチする八木(左)。またもや空砲になってしまった

 この日は東都大学リーグ2部の立正大と対戦。春季オープン戦で連敗が続く早大は、勝って東京六大学春季リーグ戦(春季リーグ戦)に向けて勢い付けたいところだったが、度重なるミスが響き、6-8と一歩及ばなかった。

 失策や野選が試合を決めたと言っても過言ではない。2回まで先発の二山陽平(商4=東京・早実)が無得点に抑えたが、3回、先頭打者を内野の失策で出塁させると、続く2者を連続野選であっという間に無死満塁。相手のペースにのまれ、その回だけで5失点と点差を広げられた。5回にも、小藤翼(スポ2=東京・日大三)の送球が、相手打者のバットに当たるという不運などで2点を許してしまう。『守り勝つ野球』とは程遠い試合運びとなってしまった。

 一方の打撃は、2-7で迎えた6回、二者連続四球で無死一、二塁とチャンスの場面で代打・熊田睦(教4=東京・早実)が、フルカウントから一塁線を破る2点適時二塁打を放ち、2点を返す。続く八木健太郎(スポ4=東京・早実)は左翼スタンドに豪快な2点本塁打。八木はこの日、6回の本塁打を含む4打数3安打と大活躍した。一時は5点差まで広がった点差が1点差まで縮まるも、それ以降追撃は途絶えてしまった。

 新たな課題が浮き彫りになったこの試合。春季リーグ戦開幕までの残された時間で、どれだけ課題を消化できるだろうか。春季オープン戦も残り2試合。勝ちの経験を積みたいところだ。

(記事 大谷望桜、写真 久野映)

連敗ストップ!社会人相手に満点の勝利(4月1日・対Honda)

TEAM
Honda
早 大

小島は終始安定した投球でHonda打線を封じた

 久々の勝利だ!この日は1週間後に迫った東京六大学春季リーグ戦(春季リーグ戦)の開幕戦を想定し、小島和哉(スポ3=埼玉・浦和学院)を先発に起用する。その小島が期待通り圧巻の投球を見せ、打線もそれに応えた早大が5試合ぶりに勝利した。ここ数試合で負けが込んでいただけに、喜びもひとしお。苦しい時期を越えて、早大がようやく調子を上げてきた。

 小島は初回、いきなり先頭を左前打で出塁させるが、後続を連続三振に切って取る。その後は6回に1点を失ったが、動じることなく投げ切り8回を散発4安打に封じた。先発完投に強い意欲をのぞかせる小島のこの日投じた球数は113球。相手打者の粘りに根負けして四球を許す場面こそあったが、終始ストライクが先行し、少ない球数で試合をつくれていた。初の開幕投手という大役を前に、仕上がりは万全だ。

 攻撃の突破口を開くのはやはりこの男。初回、先頭の八木健太郎(スポ4=東京・早実)の打球は快音を響かせて左中間へ。目の覚めるような二塁打で好機を演出すると、暴投の間に自ら生還。好機はさらにひろがり、1死一、三塁から5番・織原葵(社4=東京・早実)がカウント3-1からの直球を左翼スタンドへ放り込み4点のリードを奪う。すると6回には長谷川寛(社4=宮城・仙台育英)にも右翼への豪快な本塁打が生まれ、ここ最近の課題であった中盤以降の得点を奪った。社会人チームを相手に終始流れを渡さなかった早大。納得のかたちで手にした勝利は春季リーグ戦に向けて一つ大きな自信になったはずだ。

(記事 郡司幸耀、写真 加藤耀)

投打ともに力なく最後の実戦を勝利で飾れず(4月2日・対日本通運)

TEAM
日本通運
早 大

6回の中前打で4点目を失った柳澤。開幕へ向け不安が残った

 東京六大学春季リーグ戦(春季リーグ戦)に向けて弾みをつけたい最後の春季オープン戦。先発・柳澤一輝(スポ4=広陵)が初回から日本通運打線に捕まった。1死後、四球で走者に初球で盗塁を許し、1死一、二塁とピンチを広げられる。するとここで相手4番に左翼線への適時打を浴びた。3回も同じように攻められ、またしても1点を奪われると、5回には先頭に被弾。柳澤は6回途中4失点でマウンドを降りた。これ以上点を与えたくない状況だったが、8回にも3番手の清水陸生(人4=宮崎大宮)がダメ押しの本塁打を浴びてしまった。

 打線もあと一本が出なかった。先制された裏の攻撃、すぐさま無死満塁の好機を演出するも快音は聞けず。わずか1点止まりとなる。続く2回、3回とそれぞれ得点圏に走者を進めるが、得点に結び付けることはできない。その後、6回以降は相手の継投に完璧に封じ込まれてしまった。

 春季リーグ戦前最後の実戦で直前にやや不安を残すこととなった早大。しかし、ここまで台湾遠征や沖縄キャンプ、関西遠征と多くの実戦を積んできた。もう一度各選手は自身の持ち味を確認し、最終調整に入ってほしい。この日までの課題を克服できれば、1週間後には神宮球場で『紺碧の空』が見られるだろう。球春はもう目の前だ。

(記事 比留田孟徳、写真 大浦帆乃佳)

※リーグ戦開幕前の記事は都合により試合当日に公開することができないことがございます。読者の皆様には大変申し訳ございませんが、何卒ご了承頂きたく存じます。リーグ戦は従来通り、即日公開致します。

※記事中の学年は新年度のものです。