加藤拓打ち崩せず…早慶戦で涙の敗北/慶大3回戦

野球
慶大3回戦
早 大
慶 大 ×
(早)●二山、北濱、小島-小藤
(二塁打)小藤

 1点を取ることができなかった。リーグ優勝の可能性を絶たれたチームに残された、唯一の目標・早慶戦勝利。0-1で迎えた9回表2死。4番・木田大貴(商4=愛知・成章)が三ゴロに打ち取られると、慶大の応援席がある三塁側スタンドから歓喜の声が上がる。最後の夢がついえた瞬間だった。試合は、先発・二山陽平(商3=東京・早実)をはじめとする投手陣が相手を1点に抑えたが、打線が沈黙。相手エース加藤拓也(4年)を前にわずか2安打に封じ込まれ、無得点に終わった。「ただ悔しいの一言です」(木田)。試合終了後、うつむきながらベンチに戻る選手たち頬に涙が伝った。

最後の打者となった木田

 先発は、リーグ戦初登板の明大3回戦で好投した二山。主力投手陣に本調子と言える選手がいなかったとはいえ、予想を覆す起用であった。もちろんリーグ戦先発はこれが初めて。しかし、その二山がまたしても奮闘を見せる。初回から気持ちの入った投球で、相手を一人一人打ち取っていき凡打の山を築いた。直球は130キロ半ばと決して速いわけではないが、90キロ台のカーブなどを織り交ぜ、巧みに強打者が並ぶ相手打線を翻弄(ほんろう)。5回まで3安打無失点と抑え込んだ。しかし6回、先頭の2人を打ち取り、2死として迎えたのは慶大が誇る大砲・岩見雅紀(3年)。カウント3-1からの5球目だった。直球をたたかれ、打球は左翼スタンド場外へ。左翼手が一歩も動けないほどの特大アーチで、大事な先制点を奪われた。「甘く入ってしまったので悔いが残ります」(二山)。ここまで持ち前の制球力がさえていただけに、悔しい失投だった。二山は続く打者にも安打を浴び、ここで降板。だが、この大舞台で見事に力を発揮し試合をつくった。その後、北濱竣介(人3=石川・金沢桜丘)ら中継ぎ陣も好投を見せ、慶大打線に追加点を許さなかった。

本塁打を浴びぼうぜんとする二山

 慶大のエース加藤拓を打ち崩すことはできなかった。150キロ台にもなる直球とキレのある変化球。前々日の1回戦で147球を投じたにもかかわらず、球威、制球ともに抜群だった。その加藤拓を前に、早大打線は次々に打ち取られていく。速球に振り遅れる場面も見られ、なかなかボールを捉えることができなかった。9回あった攻撃回の内、三者凡退が5回。8回までは三塁に走者を置くことすらできなかった。最終回も先頭打者の八木健太郎(スポ3=東京・早実)が四球を選び出塁したが、中軸がつなげられず凡退。最後までなすすべがなかった。結局、この日早大打線が加藤拓から放った安打はわずか2本。その内訳は投手・二山の一本と、1年生・小藤翼(スポ1=東京・日大三)の一本。最後の試合となった4年生にとっては悔いの残る内容となった。

 0-1。わずか1点差だが、その1点はあまりにも遠く、手が届かなかった。最後まで大きな声が飛び、グラウンドにいる選手たちを鼓舞し続けた早大ベンチ。その雰囲気は、春から大きく改善された。「早稲田の意地を見せる」。屈辱の春5位から、このチームは生まれ変わった。例年よりも多くの時間と量を割いた夏の成果は結果に表れた。投打共に要所で好プレーが見られ、粘り強く勝つ自分たちのスタイルを確立していった。「間違いなく成長しているなと感じていました」(石井一成主将、スポ4=栃木・作新学院)。春は残ることのできなかった優勝戦線にも第7週まで残ることができた。しかし、最後に残ったのはリーグ優勝ができなかったこと、そして早慶戦で勝つことが気なかったことへの悔しさだった。「優勝できず、申し訳なかった」(石井)。この無念は、来年以降後輩たちに託されることとなる。

(記事 杉田陵也、写真 加藤佑紀乃、後藤あやめ)

☆小島が最優秀防御率賞を獲得!

閉会式で記念品を授与された小島

 小島和哉(スポ2=埼玉・浦和学院)が防御率1.60で最優秀防御率賞に輝いた。
タイトル獲得が懸かった小島はこの日、8回から登板する。1回を三者凡退に封じ、前日まで1位の柳裕也主将(明大4年)を抜き去ってタイトルが確定。髙橋広監督(昭52教卒=愛媛・西条)は「六大学史上でもプロに行った人数が本当に多かった年なのに、その時に防御率賞を取ったというのは非常に素晴らしかった」と称賛した。

 今季の小島には安定感が増した。「考え方が変わったのが一番大きい」と飛躍の要因を振り返る。他校ではありながら、柳に精神面でのアドバイスをもらい自身の投球につなげた。特に明大2回戦では8回無失点の好投で、それまで無敗の明大相手に黒星を付ける活躍を見せた。

 「柳さん、加藤さん(拓也、慶大4年)を目指してやってきた。そのお二方を抜いて(タイトルを)取れたので、今後もそれなりの結果を残していかないといけないとあらためて身が引き締まる」。タイトル獲得で得た自信を胸に、小島はエースへの階段を上っていく。

(記事 井口裕太)

早大打者成績
打順 守備 名前
(左) 八木健太郎 .276 投ゴ    三ゴ       中飛       四球
(二) 江間拳人 .000 空振    二ゴ                  
  熊田睦 .125                左飛         
  真鍋健太 .148                         投ギ
(遊) 石井一成 .294 四球       三飛       空振    二ゴ
(三) 木田大貴 .222 空振       三ゴ       一邪    三ゴ
(一) 立花玲央 .056    二ゴ    二ゴ       空振      
(中) 中澤彰太 .239    左飛       中飛       遊ゴ   
(捕) 小藤翼 .325    遊ゴ       空振       中2   
(右) 岡大起 .167       投直    空振            
  長谷川寛 .250                      右飛   
  小島和哉 .182                           
(投) 二山陽平 .500       右安       空振         
  北濱竣介 .000                           
  打右 三倉進 .111                      空振   

早大投手成績
名前
二山陽平 5 2/3 1.04
北濱竣介 1 1/3 4.91
小島和哉 1.60
東京六大学秋季リーグ戦星取表(全日程終了)
順位 明 大 慶 大 早 大 立 大 法 大 東 大 勝ち点 勝率
明 大 ○3-0
○5-0
○3-1
●0-4
●4-5
○3-2
○6-2
○10-2
○8-4
○9-2
○7-4
.818
慶 大 ●0-3
●0-5
○3-1
●1-2
○1-0
○6-4
○8-3
●4-5
○7-1
○3-1
○8-0
○9-6
.667
早 大 ●1-3
○4-0
○5-4
●1-3
○2-1
●0-1
●3-5
○3-2
●7-10
●5-6
○8-7
○5-2
○4-2
○4-0
.571
立 大 ●2-3
●2-6
●4-6
●3-8
○5-3
●2-3
○10-7
○9-3
○7-5
●3-4
○7-4
○6-0
.500
法 大 ●2-10
●4-8
○5-4
●1-7
●1-3
○6-5
●7-8
●2-5
●3-9
●5-7
○8-0
○3-1
.333
東 大 ●2-9
●4-7
●0-8
●6-9
●2-4
●0-4
○4-3
●4-7
●0-6
●0-8
●1-3
10 .091
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コメント※セレモニーでのあいさつ

髙橋広監督(昭52教卒=愛媛・西条)

本日は応援団とみなさまに大変なご声援をいただきました。早慶戦は精いっぱい戦いましたが、残念ながら勝ち点を取ることができませんでした。この無念は来年に引き継いで、3年生以下が必ず早慶戦に勝って優勝してくれると信じております。きょうまで本当にご声援ありがとうございました。

石井一成主将(スポ4=栃木・作新学院)

この一年間いろいろなことがありましたが、みなさんの素晴らしい応援のお陰で、またここにいる4年生のお陰でここまでやってくることができました。ありがとうございました。きょうをもって皆さんと一緒に戦うことができませんが、それぞれ違う分野で活躍をして、またワセダに明るいニュースを届けられたらと思っています。今後ともよろしくお願いいたします。

コメント※試合後インタビュー

髙橋広監督(昭52教卒=愛媛・西条)

――勝ち点奪取という最後の目標は果たせませんでした。きょうはいかがでしたか

選手もよくやったんですけど、非常に加藤君(拓也、慶大4年)の出来が良くて。まあこういう試合ですから、一発になりますのでね。全力を尽くしたけど、力ここに及ばずという感じでしたね。

――試合が終わった瞬間、監督はどのようなことを考えていらっしゃいましたか

0-1ですから悔いは残りますけどね。でも相手の投手も良かったし、ワセダの投手も1点しか取られていないわけですから。まあ残念ですけど力不足かなという感じでしたね。精いっぱい戦ったことには間違いないですね。

――二山陽平投手(商3=東京・早実)の先発はいつ頃から決められていたのですか

小島(和哉、スポ2=埼玉・浦和学院)と竹内(諒、スポ4=三重・松阪)のコンディションの問題とかもあったのでね。きのうの第2戦が終わってからどうだろうということで考えて、二山でいこうと。

――期待通りの投球をしてくれましたね

いやあ、もうこれは十分でしょう。最高でしょう。1点に抑えているわけですから。1点に抑えても結局勝っている要素がないわけですからね。ピッチングとしては二山は上出来だと思いますね。来年につながるいいピッチングだったと思います。

――小島投手は最優秀防御率賞を獲得されましたが、そのことについては

非常に自信になったと思いますね。ことしの六大学の投手は非常にレベルが高くて、柳(裕也主将、明大4年)とか加藤がドラフト1位でいて、星(知弥、明大4年)がいたり立教の二人(澤田圭佑主将、田村伊知郎)がいたり。六大学史上でもプロに行った人数が本当に多かった年なのに、その時に防御率賞を取ったというのは非常に素晴らしかったと思いますね。

――一方の打線ですが、1回戦同様加藤拓投手に抑えられる結果となりました

そうですね。やはり加藤君はレベルアップしていて、前みたいに力みもなくてね。要所の変化球のコントロールも良くなって、非常に試合をまとめる力が出てきていますよね。ですから打線が絞り切れなかったというね。勝てる要素が少なかった試合ですよね。

――その中でも盗塁などで何とか好機をつくろうとする姿勢が印象的でした

必死で少ないチャンスをものにはしようとしたんですけどね。やはり最後の一本が出ないとね。最終回もそうですし、8回もそうですかね。8、9回あたりは加藤君もばててきて、制球も乱れてきていたんですけどね。そこで捉え切れなかったというところが負けですよね。

――守備でも木田大貴選手(商4=愛知・成章)や八木健太郎選手(スポ3=東京・早実)がファインプレーを見せるなど、チーム全員が全力で戦っていましたね

そうですね。全力を尽くしての結果ですからね。勝つに越したことはないですし、負けて悔いがないわけではないですけど、今のチームが持っている力で精いっぱい戦ったと思いますね。

――監督就任後2年目を終えられました。あらためて今いかがですか

春5位で、秋も3位で。優勝できなかったというのは非常に悔いが残りますね。

――4年生にはどういったお言葉を掛けたいですか

もう四年間頑張ったですからね。結果については仕方ないですから。勝負の世界ですから、いつも優勝できるわけではないのでね。そういう評価をしたいと思います。

――少し気が早いですが、来年に向けてどういったチームづくりをしていきたいですか

柳投手にしたって加藤投手にしたって、第1戦も第3戦も投げて勝ち点を取るという投手が上級生にいますよね。そういうふうな投手陣で、柱がいるとね。小島も防御率賞は取りましたけど、そういう体力的な面もないと駄目だと思いますね。

――またあらためて守り中心のチームをつくっていくということで

そうですね。打つというのはなかなか大変ですからね。

石井一成主将(スポ4=栃木・作新学院)

――残念ながら慶大から勝ち点を落としました。きょうの試合を振り返っていかがですか

二山(陽平、商3=東京・早実)が頑張っていたのでなんとか1点取りたかったですが、なかなか点が取れなくて悔しい試合になりました。

――最後の打席は二ゴロとなりました

思い切っていけたので、悔いはないです。

――初球から積極的に振っていくスタイルは最後まで変わりませんでした

そうですね。変えるつもりはないですし、甘いボールは積極的にいこうという考えでずっとやってきているので。

――今季は3位に終わりました

優勝しないと意味がないので、もっといい成績を残せなくてみんなに申し訳ないと思っています。

――春に比べ今季はチームの雰囲気も良くなり、実力もついたと思います

そうですね、神宮で試合する中でも間違いなく成長しているなと感じていましたし、すごく自分としてもうれしかったです。

――ご自身は最後のシーズンで最多の3本塁打を記録しました。自身の中でも成長を感じられたと思います

甘いボールを振り切った結果ですが、3本打てたということはこの先に向けて良いステップになるかなと思います。

――主将として過ごしたこの一年間を振り返っていかがですか

苦労したことというのはあまりありませんが、その分4年生が支えてくれましたし、応援部も試合で応援してくれていました。そのおかげで一年間やれることができました。

――沖縄キャンプの際、石井選手はことしの4年生について「盛り上げ役が多い」というふうに話していました。あらためてどのような学年でしたか

非常に明るい学年で、自分が駄目な時は背中を押してくれるいい仲間でした。

――四年間を振り返って今一番思うことは何ですか

一番は優勝できず、申し訳なかったということですね。

――四年間で一番印象に残るシーンは何ですか

特定するのは難しいですが、全部本当にいい経験になったなと思います。

――大学に入学した時、四年後野球部の主将を務め、プロ野球ドラフト会議で上位指名されるという姿は想像できましたか

全く想像できていませんでしたが、いろいろな方に支えられながらここまで来られたので、またプロで活躍して恩返しというか、いい報告ができればいいなと思います。

――後輩へメッセージを送るとしたら何と言いたいですか

誰にも負けないくらい努力しろよということは伝えたいです。

――今後も野球人生は続いてきますが、目標を教えてください

支えてくれた人たちに恩返しができるような選手になっていきたいです。

中澤彰太副将(スポ4=静岡)

――今の率直な気持ちを教えてください

早慶戦勝てなかったのは悔しいですが、寂しいというか…。この仲間とやるのはもうないので、寂しいです。

――きょうは最後の試合でしたが、どのような意気込みで臨まれましたか

最後というのは分かっていましたが、いつも通りの気持ちで臨みました。

――試合内容を振り返っていかがですか

投手がよく頑張ってくれたんですが、野手が1点を取れなくて。それが駄目でしたね。

――1点差で迎えた最終回はどのような気持ちでベンチから見られていましたか

なんとか同点に、という気持ちでベンチから応援していました。

――加藤拓也投手(慶大4年)とも最後の戦いとなりましたが、1回戦、3回戦と対戦していかがでしたか

ドラ1で広島(広島東洋カープ)に指名された投手だけあって、1戦目も3戦目も勢いが変わらず良い球を投げていたので、すごいなというふうに思いました。

――ご自身のプレーはいかがでしたか

最後の早慶戦で打てなかったので、悔いは残りますが、また次のステージで頑張りたいです。石井(一成主将、スポ4=栃木・作新学院)や加藤と同じ舞台に立てるように、頑張っていきたいです。

――2回戦でフェンス際の飛球をキャッチするファインプレーもありましたが、守備を振り返っていかがですか

自分自身ではあれは普通のプレーなので。アウトにできて良かったです。

――ワセダで四年間を過ごしていかがでしたか

四年間辛いことの方が多かったですが、大学に来ていろいろな仲間に出会って、自分自身も成長できたと思います。良い経験ができた四年間でした。

――同期へ伝えたい言葉はありますか

ありがとう、ただそれだけです。

――1年生からずっと一緒にいた仲ですが

1年生の辛い時期を一緒に過ごしてきたので、いろいろな思い出があります。すごく良い四年間でした。

――最後のシーズンは中澤選手にとっていかがでしたか

優勝というのをみんなで目指してやってきたのですが、達成できなかったのが悔しいです。

――後輩に伝えたいことはありますか

自分たちは優勝できなかったので、来年晴らしてくれたらいいなと思います。

――今後の野球人生の目標を教えてください

まずは社会人2年で頑張って、プロに行って、石井たちよりも活躍できるようにというのを一つの目標にして、頑張っていきたいです。

真鍋健太(スポ4=東京・早実)

――早慶戦を終えた今のお気持ちは

四年間みんな一緒にやってきて、最後早慶戦で勝って有終の美を飾りたかったんですけどね・・・。加藤くん(拓也、慶大4年)に抑えられてしまって悔しいですけど、四年間やり切ったので。悔しいというより、自分はまだ野球を続けるので、とりあえずきょうはみんなと楽しんで、あしたからは次のステージで活躍できるようにという気持ちですね。

――きょうは6回裏の守備から出場となりましたね

ケガをしてからバッティングの感覚が戻ってきていなくて。自分はこうしたいけど、体がついてこないという状態が3カ月くらい続いてしまって。最初はちょくちょくヒットが出ていたんですけど、やはり柳くん(裕也主将、明大4年)とか星くん(知弥、明大4年)とかいい投手になると全く打てなくて。そこで完全にバッティングを見失ってしまいました。それで早慶戦は途中からしか出られなくなってしまって、ヒットも出ずに終わってしまったので、悔しいですね。

――お話にもありましたように今季は真鍋選手にとって打撃面では苦しいシーズンとなったと思いますが

去年は3冠を取っていて、ことしは四冠を目指すという中で、新チームがスタートして。自分が試合に出るためには何が必要かということを第一に考えていました。監督の「こうしてほしい」という野球をしっかり理解して、まずは自分の強みである守備をもっと向上させようということで。バントなど細かい部分が試合の勝敗に直結してくるので、それができて当たり前という選手を目指してやってきました。(それに)プラスバッティングを向上させないと試合には出られないなと思ったので、新チームになってからバッティングに重点を置いてやり続けたので。そういう面では少しは成長したかなと思います。

――チームとしては昨シーズンの5位から、今シーズンは3位という結果をどのように受け止めていますか

5位という最悪の結果になってしまって、夏に野手はバットを振る量だったり、ボールを取る量だったりを例年以上に増やしてやってきました。それが結果的に秋のシーズンでうまくいったところもありましたし、まだまだダメなところもあって。やり切ったとは思います(笑)。

――ご自身のこの一年間をどう振り返りますか

去年までベンチに入ってはいたんですけど、スタメンで出るようなことが全くなくて。ことしの春はずっとスタメンで出ていて、そこそこ打って、夏は六大学選抜に初めて選ばれました。そこからケガをしてしまって、最後はこういう最悪の結果になってしまったので、いろいろあった一年だったなと思います。特に六大学選抜に選ばれたことは自分にとって財産で、野球を続ける上ですごく貴重な時間だったかなと思います。

――この四年間をあらためて振り返ってみていかがですか

楽しいこともありましたけど、悔しいことの方が多かったですね。それでもいい結果を出すこともできたので、次のステージでまたいい結果を残せるように頑張っていきたいと思います。

――最後に同期の皆さんと後輩の皆さんに向けてメッセージをお願いします

同期はこの四年間ずっと苦楽を共にしてきましたし、一生の付き合いになると思うのでこれからもよろしくという感じで。自分後輩が大好きなんで(笑)、後輩には来年優勝してもらいたいですね。それが自分の励みにもなるので、後輩に負けないように自分も頑張っていきたいなと思います。

江間拳人(教4=東京・早実)

――初のスタメン抜てき、どのようなお気持ちで臨まれましたか

最後だったので、勝って終わりたいという気持ちだけでした。

――初出場の早慶戦はいかがでしたか

月曜日だったのであまり人がいなかったのですが、楽しかったです。

――緊張はされましたか

しました。普通にしました(笑)。

――一年間、主に一塁ランナーコーチとしてチームを見てきましたが、ことしのチームは江間選手から見てどう映りましたか

春から秋にかけてみんな成長できました。だからこそ最後まで優勝に絡めるような戦いができたのだと思います。

――四年間を振り返って

2年生の頃とか大変で、いろいろなことがいっぱいあって思い出ありますけど。最後、良いかたちで終わりたかったのですが、悔いはないです。

――今季の法大1回戦でリーグ戦初出場を果たしました

打ちたかったですね。1本ぐらい。

――同期へ一言、お願いします

本当にありがとうって言いたいです。

――後輩へもお願いします

飲みに行ったりして、結構後輩はかわいがっていたので、頑張ってもらいたいです。

木田大貴(商4=愛知・成章)

――本日で引退となります。最後の早慶戦、この3日間はいかがでしたか

本当に最後まで皆に迷惑をかけてしまったので、ただ悔しいの一言です。

―― 惜しくも今秋の早慶戦は無安打で終わりました。3日間を振り返って、ご自身のバッティングの調子はいかがでしたか

そうですね、間違いなく良くはなかったですが、それ以上に自分のやろうとしていることだったりとか、自分の考えていたこととかが出し切れなかったので、それが一番悔しいですね。

――最後は好機の場面で打席が回ってきました。どのような気持ちで打席に入りましたか

なんとか一本打ちたかったですけど、結果的には打てなくて、本当にチームには申し訳ない気持ちでいっぱいです。

――2回にファインプレーがありました。他の選手のみなさんも、木田選手の守備には助けられていると思います。今秋を通して、ご自身の守備についてはどう感じていますか

守備に関してはシーズン入る前に失策を0にするという目標を立てましたが、結果的に1つ失策がついてしまったので、自分としては納得のいくものではなかったですね。

――今秋はシーズンを通して4番を任されましたが、ご自身の考える4番とはどのような打者ですか

そうですね、やはり4番というのはチームの軸となりますし、4番が打たなければ試合では勝てないという立場だと思うので、自分の理想とする4番というのは、やはり自分のバットでチームの雰囲気を変えられるバッターだと思います。一振りでチームに良い影響を与えられるバッターが4番であるべきだと思うので、そういった面ではなかなか難しかったなと思いました。

――今シーズンを通しての打撃の調子はいかがでしたか

最後まで自分のバッティングができなかったので、良くはなかったです。自分のスイングを最後までできなかったので、悔しいです。

――東京六大学オールスターゲームに出場したり、チームでは4番を任されたり、ワセダの代表として活躍することも多いシーズンでした。今シーズン全体を振り返って、どのようなシーズンになりましたか

一言で表現したら、難しいなというか。これだけ選手がいる中で4番を任されるというのも、自分の野球人生の中で初めてでしたし、そういった意味では今までと違う野球ができたといいますか。良い結果は残せませんでしたけど、ここから学ぶことも多かったですし、そういった意味ではプラスになったことも多いのかなと思います。

――今後も社会人で野球を続けていきますが、ワセダの四年間をどのように生かしていきたいですか

自分がワセダに入って、ここまでやってこられたという自信とプライドは忘れずに持って、社会人に行っても常に諦めないようにしたいです。自分として目標を立ててそれに向かってやっていけば、それなりの結果は出るということをこの四年間を通して学べたので、とにかく目標を持ち続けて、上を目指してやっていきたいと思います。

立花玲央(人4=千葉英和)

――スタメン出場となりましたが、どのような意気込みで試合に臨みましたか

スタメンということをきょうの朝知ったのですが、いつでも出られる準備はしていたつもりです。最後ですし、上で野球もやらないので、最後失敗を恐れずにやろうと思っていました。

――試合は接戦となりました。ベンチの雰囲気はいかがでしたか

良かったと思います。ヒットがあまり出ていなくて、いつもなら沈むのですが、きょうは雰囲気がすごく良かったです。

――惜しくも敗れ、早慶戦で勝ち点を落としてしまいました

そうですね。最後は勝って終わりたかったですけど、相手の加藤選手(拓也、慶大4年)がすごかったので。最後は負けましたけど、全員で戦うことができて良かったと思います。

――加藤拓投手と実際に対戦をしてみていかがでしたか

やっぱり真っすぐが速いですね。どうしても振り遅れてしまうので、それに(タイミングを)合わせて変化球で泳がされるということがありました。すごいなと思いました。

――これで最後のワセダのユニフォームとなりました。どのような思いがありますか

それを考えると、もう泣きそうなくらいなんですけど(笑)。伝統のあるチームに入ることができて、四年間野球ができて、すごく幸せでした。

――共に四年間戦ってきた同期の皆さんの存在はどのようなものですか

1年目は1年生のルールもすごく多くて厳しい環境でした。それを乗り越えてきた仲間なので、これから引退してもすごく良い仲でいられるのかなと思います。

――先ほどお話にもあった通りこれで第一線でのプレーは最後だと思います

本当に、きょうは楽しくやろうと思っていました。

――野球部での四年間は立花選手にとってどのようなものでしたか

基本的には辛かったことや辛かった時期の方が多かったのですが、こうやって試合にも出ることができて、良い思いもたくさんできて、本当に四年間できて幸せでした。

――最後に今後の目標を教えてください

ワセダの野球部の卒業生という目で社会に出てからも見られると思うので、その名に恥じないように立派な社会人になりたいと思います。

吉野和也(社4=新潟・日本文理)

――残念ながら慶大から勝ち点を取ることはできませんでした

結果負けましたけど、最後までみんなで力を合わせて、やり切れたので良かったと思います。

――今シーズンはどのようなシーズンでしたか

思うような結果を得られなかったシーズンではありました。

――ワセダで過ごした四年間を振り返っていかがですか

1年生の春から投げさせてもらって、優勝などの良い経験もさせてもらい、一方でなかなか結果が出ないということもありました。いろいろな経験ができたので、これからの野球人生にも生きると思います。大学生活の四年間の経験を大切にしたいと思います。

――共に四年間を過ごした同期に向けて一言お願いします

本当にみんながいたから最後までやれたと思うので、ありがとうと言いたいです。

――後輩に向けても一言お願いします

後輩もそうですし、本当にいろいろな人の支えがあって四年間やってこられたと思います。後輩にも僕たち4年生のためにいろいろな手伝いだったり、プレーの面でも助けてもらったりしたので、来年は優勝して欲しいですし、僕もそれを陰ながら応援したいと思います。

――今シーズンは思うようにいかないシーズンとなってしまいましたが、この経験をどう次に生かしていきたいですか

そういうのはこれから先の野球人生で晴らすしかないと思うので、次の舞台でこの経験があって良かったなと思えるようにしたいです。

――これからの野球人生に向けての意気込みをお願いします

次は社会人でやるのですが、結果を残して、いずれはプロに行けるように頑張りたいと思います。

北濱竣介(人3=石川・金沢桜丘)

――6回で突然の交代ということになりましたが、準備は

あまり肩はできていない感じだったのですが、2アウトだったので1人で抑えることができました。二山(陽平、商3=東京・早実)もホームランを打たれるまでは本当にいいピッチングをしていたので、二山を負けさせないようにというか、二山の意志を引き継ぐという気持ちで投げました。/p>

――交代の際には二山選手に声を掛ける様子が見られましたが、どういった言葉を掛けましたか

ホームランを打たれるまでは本当にナイスピッチングだったので、ナイスピッチングということを。そして二山の方からはごめんという言葉があったので、あとは任せろという感じですかね。

――早慶戦に関しては春に続いて2回目の登板でしたが、雰囲気はいかがでしたか

春は1戦目で今季は3戦目だったので、観客の多さとかは別で、春の方が人はいたなという感じです。

――実際に投げてみて

春は抑えられなかったんですけど、秋は抑えることができたのでよかったです。

――6回が終わった時点で、鈴木大悟投手コーチ(文構4=東京・早実)とお話をする場面がありましたね

次の回もいくよということを言われました。

――その後の7回は

テンポよく投げて、また持ち味を出していければと思って投げました。

――今季全体を振り返って、早大は優勝争いに絡む戦いを繰り広げましたが、いかがでしたか

昨季の5位から優勝に絡めるまでに、みんなが悔しさを胸に絶対に次は挽回するという気持ちで練習していたので、それが優勝という結果に結びつかなかったのは残念ですが、意地は多少は見せられたかなと思います。

――ご自身の投球については

きょうに関しては低めに集められて良かったと思います。全体としては半々ですかね。

――その理由は

仕事ができなかったというところですね。

――来年は最上級生になりますが

引っ張っていけるようになりたいと思います。

二山陽平(商3=東京・早実)

――大一番での先発でしたが、いつ頃言われましたか

きのうの試合が終わった後です。

――きょう試合に臨むにあたって緊張などはありましたか

そうですね、やっぱり緊張しましたね。

――早慶戦の雰囲気はいかがでしたか

早慶戦ではありますけど、いつもと同じようにやろうという気持ちではいました。

――実際にいつも通りの投球はできましたか

そうですね、特に変わったところはなくて自分の持ち味が出せたかと思います。

――きょうの登板を振り返って良かったところはありますか

自分の持ち味はコントロールだと思っているんですけど、そこは思ったところに投げることができたのでよかったです。

――結果的には一発に泣くかたちになりましたが、打たれた球についてはいかがでしたか

自分が首を振ってインコースのストレートを投げたんですけど、それが甘く入ってしまったので悔いは残ります。

――打撃の方では安打も打ちましたが

あれはまぐれですね(笑)。

――今季はリーグ戦初登板なども経験しましたが、全体的に振り返ってみていかがでしたか

全体的には自分のピッチングができたと思いますけど、最後4年生を勝ちで送り出すことができなくて申し訳ない気持ちでいっぱいです。

――来季先発の一角を担うためにこれから必要になってくることは何だとお考えですか

やっぱり球自体もまだまだですし、制球もまだまだですし、課題は多いので甘んじることなくレベルアップしていきたいと思います。

小島和哉(スポ2=埼玉・浦和学院)

――最優秀防御率のタイトルを獲得した今の気持ちを聞かせてください

最後の3戦目もしっかり先発してちゃんと勝っていたらと思いますが、自分の体力もなかったりして。まだまだ全然。正直、うれしいというよりはあまりそういう気持ちはないです。

――目標とされていた防御率のタイトルだったと思いますが、今は複雑な気持ちだということでしょうか

柳さん(裕也主将、明大4年)、加藤さん(拓也、慶大4年)を目指してやってきたので、そのお二方を抜いて(タイトルを)取れたので、今後もそれなりの結果を残していかないといけないとあらためて身が引き締まるという気持ちです。

――タイトル獲得の要因は振り返ってみて何でしょうか

夏まで調子は良くなかったですけど、敵チームではありますが柳さんにいろいろアドバイスをもらって、それで考え方が変わって。考え方を教わったのが一番大きかったかなと思います。

――この秋成長できた部分というのは、考え方が変わったということでしょうか

技術だけで考えていましたけど、そこに考え方のアドバイスをいただけたので。

――きょうの登板に関しては、疲労が抜け切れなかったのでしょうか

明大戦から肩に多少違和感があった中で投げていましたけど、そうなるということはそれだけ投げる体力がないと思うので、そこはひと冬しっかり練習をして成長しないといけないかなと思います。