石井が日本ハムからドラフト2位指名!

野球

 石井一成主将(スポ4=栃木・作新学院)竹内諒(スポ4=三重・松阪)は先月28日にプロ志望届を提出。この日のプロ野球ドラフト会議(ドラフト)では各球団からの指名を待っていた。その結果、石井は北海道日本ハムファイターズ(日本ハム)から2位という予想以上の評価を受ける。その一方で、竹内は指名されず。投打の主軸である二人だが、プロ入りについては明暗の分かれる結果となった。

ドラフト指名会見前に撮影に応じる石井

 運命の瞬間はあっという間に終わっていた。会議が始まって1時間足らずでの指名。2位という高順位について、石井は「まさか」、「予想外」と、普段は細く鋭い目を丸くした。日本ハムというチームについては、偉大な先輩・斎藤佑樹(平23教卒)や2年時まで共に戦った有原航平(平27スポ卒)が在籍しており、非常に良い印象を持っているようだ。「肩に一番自信がある。四年間で一度も大きなケガをしたことがないのも強み」と、記者会見で力強く語った石井。その強靭(きょうじん)な体を生かして、プロに入っても現在と同じように猛練習をこなし、持ち前の守備にさらなる磨きをかけていくつもりだ。

実力の高さは髙橋広監督(昭52教卒=愛媛・西条)も太鼓判を押す

 竹内は昨季、リリースポイントの改善に取り組んできたことにより制球力が向上。また、今季は守っている野手のことを考え、テンポの良い投球を見せるようになった。最高球速こそ高校3年時に記録した148キロにとどまっているが、緩い変化球を巧みに交えることで、当時よりも力強い直球を9回まで投げられるようになった。そんな竹内は東大2回戦で被安打わずか3の完封勝利を挙げるなど、勝てる投手へと成長していった。しかし、12球団からの指名はならず。今回のドラフト、指名された選手の約7割を投手が占めており、競争率の激しい争いだったことも指名されなかった一つの原因だろう。プロ入りの果たせなかった竹内は今後、社会人野球の強豪・ホンダ鈴鹿に進む予定だ。クールな左腕は2年後を見据え、地元・三重から力を蓄える。

 プロ入りについては明暗の分かれた二人だが、東京六大学秋季リーグ戦の逆転優勝に向けて投打のキーマンであることには変わりはない。第7週に行われる明大対立大の結果次第で状況が変わってくるが、早大ナインはすでに宿敵・慶大との最終決戦に照準を合わせ動き出している。慶大の主戦投手である加藤拓也(4年)もまた、広島東洋カープに1位で指名されるなど、ドラフトを盛り上げた一人。来年以降のプロでの対戦を面白くするためにも、ラストシーズンの早慶戦は今までにも増して盛り上げてほしい。

(記事、写真 菖蒲貴司)

☆石井略歴

 高校時代には夏の甲子園ベスト8などの功績を残す。大学では1年時からベンチに入り。初出場は代打での登場だった。翌年には背番号『1』をつけるなど、次代を担う存在として一目置かれていたが、結果が伴わないシーズンも経験した。しかし、3年時からレギュラーをつかむと、東京六大学春季リーグ戦では初のベストナインを獲得。一躍中心選手としての地位を築き上げた。難のあった守備は遊撃手へのコンバートもあって改善され、今や石井を特徴づける武器となっている。ことしは第106代主将を務めている。

(記事 杉田陵也)

コメント

石井一成主将(スポ4=栃木・作新学院)

――指名を受けての感想

北海道日本ハムファイターズの2位指名ということで、非常にうれしいです。まさか2位で選ばれるとは思っていなかったので、心の準備ができていなくて選ばれた時はとても興奮しました。2位という素晴らしい順位で取っていただいて、とても感謝しています。(また、)自分の力だけでプロに行けたとは思っていなくて、日頃から支えてくださっている方、特に家族の支えがありここまで来られたと思うので、プロ野球で活躍をして支えてもらった皆さんに恩返しできたらなと思っています。

――指名を受けて、あらためて率直な感想を教えてください

自分も予想外で、まさか2位で指名されるとは思っていなかったので、とてもうれしいです。

――指名を待っている時はどのような心境でしたか

心の準備ができていなくて、(指名されて)びっくりしました。どこかしら(の順位)で呼ばれればいいなと思っていたので、指名された時は驚きました。

――ご自身のアピールポイントを教えてください

肩に一番自信があります。これまで四年間一度も大きなケガをしたことないので、それをプロでも継続してアピールできればいいなと思います。

――プロに入って目標にしている選手がいたら教えてください

千葉ロッテの中村奨吾選手(平27スポ卒)のような三拍子そろった、バランスのとれた選手になりたいです。

――プロでの目標を教えてください

これまで支えてくださった家族や、地元の皆さんに恩返しができるように一日でも早く一軍に上がって、結果を残したいです。

――日本ハムという球団にどういうイメージを持っていますか

テレビでしか見たことがありませんが、非常にファンの応援が熱くていい球団と思います。

――同球団で思い浮かぶ選手は誰ですか

先輩に有原さん(航平、平27スポ卒)です。一緒にプレーさせていただいたり、食事も何回か連れて行っていただいたりと良くしてもらっています。

――有原選手と連絡を取ることはありますか

決まった後に「これからいろいろ教えるわ。頑張ってな」というメールをいただきました。

――心強い存在ですね

そうですね、心強いです。

――斎藤佑樹選手(平23教卒)をはじめ、早大出身の選手が多い球団です

そうですね、斎藤さんは被っていませんが、偉大な先輩ですし、ワセダの名に恥じぬようにしっかりとやっていきたいです。

――北海道のイメージは何ですか

海鮮がおいしいことですね(笑)。

――北海道に行ったことはありますか

1回だけあります。小学校の研修みたいので、ジャンプ台や日高山脈などに行きました。

――きょう北海道は初雪を観測しました。寒い所ですが、その点のイメージはいかがですか

雪が多くて、寒いイメージです。食べ物がおいしいイメージです。

――プロ入り後のポジションは遊撃にこだわりたいですか

こだわるというか、できるポジションは挑戦して、出られるところでしっかりと結果を残したいです。

――あしたから日本シリーズが始まります

もちろん見たいと思います。

――体が強いというのはご自身でも自負していますか

強いなというか、線が細くて、もう少し太くしていきたいと思っていますが、ケガはしていないなという感じです。気付いたら治っているという。

――2位指名に驚いたとありましたが、自分の指名はもっと後だなと思っていたということでしょうか

そうですね。まだ誰が指名されるんだろうくらいの感じで見ていたので、びっくりしました。

――日本ハム内で目指している選手はいますか

内野手ではありませんが、西川遥輝選手は足も速くて、バッティングも良くて、肩も強くて、ああいう高いレベルで三拍子そろった選手を目指していきたいです。

――大谷翔平選手とは同学年ですが、意識するところはありますか

雲泥の差ですから、同級生ですが、実力は大谷選手の方が上なので、自分もレベルアップして一緒に戦えるように努力していきたいです。

――大谷選手から聞いてみたいことはありますか

バッティングもそうですが、体づくりというか、身長もあり体重もある丈夫な体は憧れるので、そこは聞いてみたいなと思います。

――日本ハムは若手選手が多いですが、そこに入るためには何が必要だと思いますか

やはり打たないことには出られないと思うので、確率を上げながら長打力をつけていけば、なんとか食い込んでいけるのではないかなと思います。

――現時点での目標は何ですか

今の時点では考えられませんが、甘い世界ではないと思っているので、一日一日ベスト尽くして、一軍で活躍するという気持ちを忘れずにやっていきたいです。

――プロ野球選手としての最終目標は何ですか

やはりレギュラーを取ることです。

――パ・リーグで対戦してみたい選手はいますか

レベルの高い選手がたくさんいらっしゃるので、そういう選手を打ち崩せるような選手になりたいです。特にはないです。

――作新学院高の後輩・今井達也選手と対戦する機会も今後可能性がありますが

打席に立ったことはないので、非常に楽しみです。地元を盛り上げられればいいかなと思います。

――栗山英樹監督の印象は

テレビでしか見たことがありませんが、非常に熱い方だなとは思います。野球に対して真剣に取り組める環境ができているかなというのが印象です。

――この球団に指名されたいなどの思いはありましたか

指名していただければ、どこでも行くつもりでした。

――高校時代もドラフト候補として挙げられていましたが、その時と今ではどう違いますか

高校の時は実力が全然なかったので、プロの世界はないなというのは感じていました。大学でしっかり四年間やって、即戦力までとはいきませんが、高いレベルでプロに行けたらなと思っていました。

――大学四年間で成長できた部分は何ですか

先輩方がどんどんプロにいく中で、そういう選手を身近で見られたというのは良かったなと思います。

――これまで見てきた選手の中で一番衝撃的だった選手は誰ですか

茂木さん(栄五郎、平28文構卒=現東北楽天ゴールデンイーグルス)ですね。小柄ですが、あれだけ飛ばす力があるのはすごいなと思いました。

――茂木選手とは同じパ・リーグで戦うことになります

負けないようにというか、茂木さんにいろいろ教えていただきながらやっていきたいと思います。

――今季の東京六大学秋季リーグ戦のご自身の成績についてはどう考えていますか

前半は打てていましたが、後半は大事なところで全然打てていないので、もう少し修正していかなければいけないところがあると思います。

――具体的にどこを修正したいですか

長打を打とうと手だけで打ってしまうことが多かったので、下半身からボールに入っていければ、甘い球を確実に捉えられるようにしたいです。

――守備の面についてはいかがですか

守備の面でもまだ動きが固いところもありますし、球際が弱いところもありますし、プロにいくのでそこもしっかり練習をしてトップレベルを目指していかなければなという思いです。

――野球を始めたのはいつですか

小学校1年生の時です。

――同学年で意識する選手はいますか

特にはいないですね。

――地元が同じ明大の星知弥選手も指名されました

2位で指名されてすごいなと思っていたら自分も指名されました。同じ那珂川町(栃木県)という小さな町の出身なので、何かあるのかなと勝手に思っています。

――対戦は楽しみですか

大学で対戦することはもうありませんが、小学校の頃から対戦しているので、プロで対戦できればまた面白いかなと思います。

――中村選手は同じ早大の主将として、どういったことを意識してきましたか

中村さんからもアドバイスをいただいて、しっかり声で引っ張るタイプではないので、プレーでしっかり見せていけば付いて来るよと言っていただいたので、その教えを守ってきたつもりです。