【連載】秋季リーグ戦開幕特集『アゲイン』 第9回 中澤彰太副将

野球

 東京六大学春季リーグ戦(春季リーグ戦)は深刻な打撃不振に苦しみ、なかなか思うようなプレーができなかった中澤彰太副将(スポ4=静岡)。しかし、リーグ最終戦では先制のソロ本塁打を放ち、勝利の足掛かりとなった。昨季のお気持ち、そして、ラストシーズンとなる今季の意気込みを語っていただいた。

※この取材は8月26日に行われたものです。

意識改革

――きょうは夏季オープン戦後練習をされていたのですか

 そうですね。自己申告制なんですが、試合の後は大体打撃練習をするようにしています。

――きょうは2安打を放たれていましたが、調子はいかがですか

 自分のやりたいことはできているかなと思っています。

――夏季オープン戦では長打や適時打も放っていますが、打撃の方はいかがですか

 無駄な1打席をつくらないようにしています。一打席一打席、何をやるかを状況に応じていろいろ考えて、立つようにしています。

――春季リーグ戦に比べて打たされてしまうような打席が少なくなったように思えますが

 一打席一打席考えを整理して、タイミングを合わせているので、そうなっているのかなとは思います。

――夏季オープン戦ではメンバーがたびたび入れ替わっていますが、チームの雰囲気はいかがですか

 きょうの試合は点差が離れてあまり良くなかったですが、全体的に雰囲気は悪くはないと思います。

――新たに下級生も出場していますが、声を掛けることはありますか

 特にはありませんが、のびのびとプレーができるように、環境づくりには気を付けています。

――春季リーグ戦が終わった後のオフは何をやられていましたか

 オフは静岡に帰ってゆっくりしました。

――母校には訪れましたか

 はい。

――高校野球をチェックされることはありますか

 そうですね。母校は気になったりしますね。

――高校2年生の夏に甲子園を経験されていますが、甲子園の雰囲気は覚えていますか

 甲子園は1試合しかしていないので、正直覚えていないですね(笑)。

――思い出はありますか

 ホームスチールをされたんですが、その時の解説者が今の監督(髙橋広監督、昭52教卒=愛媛・西条)で、面白いなと。

――その話を監督にはされましたか

 ないですね。引退したらしてみようと思います(笑)。

――7月末には韓国遠征があったと思いますが、韓国の選手のプレーは日本人選手と比べていかがでしたか

 韓国の選手はあまり犠打などはしてこないですね。

――技術の面では

 技術の面ではそれほど違いは感じなかったです。韓国の選手は積極的に(バットを)振ってきました。

――試合後の懇親会ではお話はされましたか

 話はしましたね。Tシャツの交換もしましたし、きのうもLINEが来ていました。

――そのコミュニケーションは英語でされるのですか

 いや、韓国語です。翻訳機能を使っています。

――海外の経験はプライベートでありますか

 プライベートではないですね。野球でしか行ってないです。

――韓国で観光はされましたか

 最終日に石井(一成主将、スポ4=栃木・作新学院)と買い物をしました。

――何か買われましたか

 二人で時計を買いました。せっかく来たのでどうせなら良い物を買おうと。

支えてきてくれた人たちのために

夏季オープン戦では復調の兆しを見せている

――春季リーグ戦は5位という結果に終わりましたが、チームがまず克服していかなければいけない点はどこだと思いますか

 チームで言えば、ピンチの場面で守り切ることであったり、チャンスメークすることであったりが重要になってくると思います。でも、春の5位という結果は自分のせいだと思っているので、反省しています。

――まずは自分からということでしょうか

 そうですね。自分から変わっていかなきゃいけないと思います。

――以前は自分がまずは出塁しなければいけないとおっしゃっていましたが

 自分が打てれば足も使えますし、攻撃パターンもいろいろとあると思うので、自分が塁に出ることを考えています。

――夏季オープン戦でも盗塁を決められていますが、だんだんと良いイメージはつくれているのでしょうか

 そうですね。今のところは。

――春季リーグ戦が終わってから少し時間が経ちましたが、あらためて振り返ると辛い時期でしたか

 そうですね。春のリーグ戦が終わって、辛い思いや自分自身の悔しい思いというのは忘れたことはなかったですね。

――20打席目で初安打を放ったときはほっとしましたか

 はい。ほっとはしましたけど、喜びはなかったですね。

――シーズン中は悔しかったり辛い気持ちの方が大きかったですか

 そうですね。

――そのような時に何か息抜きになるものはあったのでしょうか

 息抜きですか…。ないですね…。

――常に打撃のことを考えていたのでしょうか

 そうですね。考えちゃいましたね。

――いろいろな方からアドバイスをもらったと思いますが、そこから気持ちが変わったりというのは

 どれが自分に合うかは分からないですが、いろんな人が気に掛けてくれて、支えられているなと思いました。感謝しています。

――慶大3回戦では先制のソロ本塁打がありましたが、それは今の良いイメージにつながっていますか

 そうですね。つながっています。

――振り返ってみて、ご自身の一番の課題だったと思う部分はどこでしょうか

 気持ちの整理がつかないまま打席に入って、自分のスイングができなくて、焦ってという悪循環でしたね。

――それが今の夏季オープン戦では一打席一打席考えられている

 はい。自分から試合前から考えて、整理して、入るようにしています。

――秋はラストシーズンとなりますが、どのようなシーズンにしていきたいですか

 1年生からずっと出させてもらって、調子が悪い時も、岡村監督(猛、昭53二文卒=佐賀西)から髙橋監督までずっと自分に機会を与えてくれていたので、恩を返すといいますか、そういうのを含めて、優勝したいなという気持ちが大きいです。

――秋は注意したい他大の選手はいますか

 特にこの人はというのはありませんが、どこのチームのエースも主軸も良い選手なので、負けないようにやっていきたいです。

――春5位という結果から優勝に向けて、チームが埋めていかなければいけないところは

 技術的な面もあると思いますが、そんなに力のあるチームではないので、チームの輪、チーム力が重要になってくると思います。

――中澤選手ご自身、秋はこんなプレーをしたいというのはありますか

 それは勝ちにつながるプレーじゃないですかね。

――それは打撃でも守備でも

 そうですね。

――守備は夏季オープン戦でもファインプレーが見られましたが、好調が続いていますか

 守備にはそんなに不調がないと思うので、自信持ってやっています。

――最後にラストシーズンに向けて意気込みをお願いします

 四年間の最後ですし、いろんな人にも支えられてきて、それも感じてきたので、しっかり良い結果で良い報告ができるように、集大成として頑張っていきたいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 後藤あやめ)

勝利のためには中澤の活躍が不可欠だ

◆中澤彰太(なかざわ・しょうた)

1994(平6)年12月2日生まれ。177センチ、76キロ。静岡高出身。スポーツ科学部4年。外野手。右投左打。リーグ戦のときには毎週末親御さんが応援にきてくれるという中澤選手。春は気を遣ってからか、なかなかお話をされることは少なかったようですが、本塁打を放った前夜は親子で食事にいったそうです。ご家族からもらったパワーがリーグ最終戦の本塁打につながったのかもしれませんね!