夏季2軍オープン戦ダイジェスト(8月4日~9日)

野球

 東京六大学春季リーグ戦で5位という結果に終わり、チーム再建が急がれる早大。ことしも8月4日から夏季2軍オープン戦(2軍オープン戦)が始まった。1軍と同様、2軍も多くの試合が予定されており、選手たちはあすのメンバー入りを目指してアピールを続ける。ことしは昨年よりも多くの4年生が2軍オープン戦に出場しており、チーム内の競争はより激化。チーム全体の力を向上させるためにも、ここで戦う選手たちの台頭が待ち望まれる。

大量得点で清和大に勝利(8月4日・対清和大)

TEAM
清和大
早 大 ×

長身から威力のある直球を投げ込み、リードを守り切った田邉

 東京六大学秋季リーグ戦(秋季リーグ戦)に向けて行われる夏季オープン戦。2軍は清和大と対戦した。序盤こそリードを奪われたが、3回に同点に追いつくと、4回に逆転。9-7で勝利を収めた。

 先発のマウンドに上がったのは、立川尚登(社2=東京・早実)。立ち上がりから制球に苦しみ、2回には味方の失策や不運な当たりでピンチを招く。すると次打者に高めに浮いた球を痛打され先制点を与えてしまう。3回までに4失点し、先発の役割を果たせずに降板した。その後を継いだ2投手がそれぞれ得点を奪われたが、8回からは田邉拓士(スポ3=滋賀・彦根東)が高めの直球で三振を奪うなど好投を見せ、試合を締めくくった。

 攻撃陣は1-4で迎えた3回、先頭の小野寺旭(人3=岩手・水沢)が二塁打で出塁。相手の失策が重なり2点を返すと、続く打者の連打により同点に追いつく。4回にも相手の失策や5番・戸谷光助(教3=東京・早実)の犠飛でこの回一挙4得点。逆転に成功する。また、早大は続く5回にも1点を奪い、リードを広げた。

 序盤こそ投打がかみ合わなかったものの、中盤からは好機を生かし、確実に点につなげていくことで見事に勝利をつかんだ。このことはオープン戦を戦う上で大きな自信となるであろう。これから秋季リーグ戦に向けて経験を積み、早大の王座奪還を支える戦力が台頭することに期待したい。

(記事 糸賀日向子、写真 中村朋子)

大差で敗戦 課題を残す結果に(8月6日・対東京情報大)

TEAM
早 大
東京情報大 × 13

先発するも2回途中8失点で降板した奈須

 東京情報大との一戦。試合開始直後から相手に主導権を握られる。投手陣が打ち込まれ5−13での完敗となった。

 初球から積極的にバットを振ってくる相手打線に先発の奈須怜斗(社3=宮崎・延岡学園)がつかまった。制球の定まり切らない初回から攻め込まれる。2つの失策も絡み2回途中8失点で降板。後を受けた投手陣も相手打線の勢いを止めることができない。6回を除き毎回走者を背負う苦しい投球が続き、甘い球を確実に捉えられ長打にされる場面が多く見られた。終わってみれば13失点。守備の面で課題を残す結果となった。

 一矢報いたい早大は5回、無死満塁の好機をつくる。岡大起(社3=東京・早実)の適時三塁打などでこの回3得点。なおも得点のチャンスは続いたが、後続が三振に打ち取られるなど完全に流れを引き寄せることはできない。その後も相手の失策を足掛かりに得点を挙げるも、挽回するには序盤の失点が重過ぎた。

 大差がつく試合展開となっても早大ベンチから声が止むことはなかった。投手陣には課題を残すも、攻撃陣は5得点と打線の調子は悪くない。少ないチャンスをものにするためにも気持ちを切り替えて次戦へ臨む。

(記事 杉山睦美、写真 金澤豪)

打線が奮起!秋につながる一戦に(8月7日・対福島大)

TEAM
早 大
福島大

5点目のホームを踏んだ相馬を迎え入れる早大ベンチ

 東京六大学春季リーグ戦(春季リーグ戦)を終え様々な課題を残した早大野球部。秋季リーグ戦に向け、連日夏季オープン戦(オープン戦)を重ねている。この日は2軍が福島大と対戦。相手に先制点を許すものの、5回の4得点など打線が機能し、7-3で勝利した。

 先発の川上開誠(創理2=東京・早実)は3回に四球で先頭打者の出塁を許すと、1死二塁から中前適時打を浴び先制される。しかし、その後は味方打線の援護もあり5回1失点と好投した。終盤は柳澤一輝(スポ3=広島・広陵)らが登板。3人で2安打に抑えるものの、味方の失策もあり2点失う。しかし、最後は意地の粘りで相手に流れを渡さなかった。

 一方、打撃では先制点を許した直後の4回、岡大起(社3=東京・早実)の左前適時打で同点に追いつく。続く5回の攻撃では立花玲央(人4=千葉英和)が中前打で出塁すると、中川力輝(スポ3=新潟・長岡)が右翼線に勝ち越しとなる適時三塁打を放つ。これで勢いに乗った早大打線は、その後も連続適時打などでこの回4点を奪った。さらに9回にも2点を追加。この試合を通じて11安打7得点と打線の好調ぶりをアピールした。

 打撃面は前半の大量得点に加えて、後半にも得点を重ねることができチームとしても個人としても実力を発揮することができたであろう。しかし、守備面では失策に加え盗塁を4度も決められるなど詰めの甘さが目立った。とはいえ、まだ夏季オープン戦は始まったばかりだ。この夏大きな進化を遂げ、秋季リーグ戦の舞台で観衆を驚かせてくれるのか。早大野球部の成長から目が離せない。

(記事 平松史帆、写真 加藤佑紀乃)

投打がかみ合い、城西大を下す(8月9日・対城西大)

TEAM
早 大
城西大

先発の黄本は4回2安打無失点の好投を見せた

 東京六大学秋季リーグ戦(秋季リーグ戦)を1カ月後に控えた早大。この日、2軍が城西大と対戦した。初回に打線がつながり、試合の主導権を握る。投手陣は4人の継投で相手打線を5安打1失点に抑え、6―1で勝利を収めた。

 試合は初回から動いた。早大は中前打と四球で1死一、二塁の好機をつくると、4番・小形和義(社4=東京・早実)が右翼線へ2点適時三塁打を放ち、先制点を挙げる。その後も相手の失策や四球が絡み、この回だけで4得点。8回にもダメ押しとなる2点を奪い、城西大を突き放した。

 投げては先発の黄本創星(スポ4=千葉・木更津総合)が4回無失点6奪三振の好投。2回に2死二、三塁のピンチを招くも、黄本は動じない。打者との勝負に集中し、ここは空振り三振で切り抜ける。4年生投手として経験値の高さをうかがわせた。7回、3番手で登板した末継達也(政経2=早稲田佐賀)が本塁打を浴びるが、その後は気持ちを切り替え、相手打線を封じ込めた。

 この日は投手陣の安定した投球が光った。早大の目指す『守り勝つ野球』に沿う内容である。しかし、打撃面では、好機を生かし切れない場面が何度か見られた。数少ない好機をものにする力も『守り勝つ野球』には必要である。夏季オープン戦でその力を養うことができれば、秋季リーグ戦での勝利は見えてくるだろう。

(記事 中澤紅里、写真 渡邉歩)

※リーグ戦開幕前の記事は都合により試合当日に公開することができないことがございます。読者の皆様には大変申し訳ございませんが、何卒ご了承頂きたく存じます。リーグ戦は従来通り、即日公開致します。