先輩たちに続きたかったものの…ヤングワセダ惜しくも慶大に敗退

　華の早慶戦が終了し、東京六大学野球春季リーグ戦（春季リーグ戦）が閉幕したが、一息つく間もなく、５月３１日から春季新人戦が開幕。ヤングワセダは２日目から登場した。初回に２点を先制し、幸先のよいスタートを切ったが、中盤に追い付かれ、まさかのサヨナラ負け。早慶戦で連勝した先輩たちに続きたかったが、勝利を手にすることはできなかった。

　稲穂打線は初回から攻撃の口火を切る。１番・富田直希（教１＝東京・早実）が安打で出塁。その後２死ながらも一、二塁の好機で５番・小太刀緒飛（スポ２＝新潟・日本文理）に打席が回る。先制の好機で、この日のゲームキャプテンの一振りは、右翼への２点適時二塁打に。しかし、４回に連打と相手投手の暴投により１点を追加するものの、この後はうまく慶大投手陣を打ち崩せない。試合全体を通して７つの四死球を選んだが、これを生かせたのは一度のみ。９回には先頭の藤野恭平（人１＝茨城・江戸川学園取手）が安打で出塁。次の打者も犠打を決め、勝ち越しの好機をつくるものの、後続がつながらなかった。

２安打２打点の活躍を見せた小太刀

　一方、この日の先発投手は増田圭佑（文２＝茨城・江戸川学園取手）。４回を１安打に抑え、このまま好投が続くと思われた。しかし５回、２死から安打を許すと、慶大のルーキー郡司裕也に適時打を浴びる。６回は持ち直すものの、７回に連打と捕逸で同点にされてしまった。「体力がなかった」と増田圭本人も悔やむ。８回からは川上開誠（創理２＝東京・早実）がマウンドへ。８回を三者凡退に抑えたが、９回に先頭打者を安打で出塁させてしまう。さらにこの後、味方の失策や四球もあり１死満塁に。どうにかこのまま抑えて延長戦に持ち込みたいところであったが、左前打を許しサヨナラ負けを喫した。

先発・増田圭は課題も残ったが、今後を期待させる投球を披露した

　今春の新人戦は準決勝で敗退。３位決定戦で、立大と対戦することとなった。昨年の新人戦は春秋ともに決勝戦で立大に負けている。そして、閉幕したばかりの春季リーグ戦でも立大に連敗。３位決定戦とはいえ、昨年の、さらに先輩たちの雪辱を果たすチャンスだ。今後のヤングワセダたちの活躍に期待したい。

（記事　當間優希、写真　喜田村廉人、八木美織）

コメント

吉野亨新人監督（スポ４＝埼玉・早大本庄）

――きょうの試合を振り返っていかがですか

序盤は本当にいい流れで試合ができたと思いますが、ミスが続いて相手に流れが徐々にいってしまいました。完全に勝ちゲームの流れで、チーム全体的に『勝った』という意識があって、気が緩んでしまったところがあったので。その中で、２年生にミスが出たらこういう結果になるなというか、選手たちはそういう野球の怖さを知ったと思います。

――昨年の新人戦と比べ、１年生の起用が多くなりました。方針の転換などはあったのでしょうか

特にないですが、使える選手は使うというか、実力ある選手が多いので。試合でも１年生のミスは少なかったです。でも、４回のスクイズは決めてほしかったですね。３点差と４点差は全然違うので、４点目のスクイズは決めてほしかったですけど、１年生は本当に実力があるから使っているという感じです。

――先発の増田圭佑選手（文２＝茨城・江戸川学園取手）の投球はいかがでしたか

増田に関しては野手が苦しめてしまったというか、野手のミスでピンチが広がったことも多かったので。彼はよく投げてくれたと思います。

――後半崩れてしまったのは、スタミナ不足もあるのでしょうか

そうですね。まだ投げ込み、走り込みが足りなかったのかなと思います。後半も３人でピシャッと抑えるくらいにならないと、まだ上では投げられないかなと思います。でも、彼も自身になったと思いますし、楽しみではあります。

――打線に関しては変化球を多く捉えていた印象です。そのような指示はあったのでしょうか

そういう指示はなかったですが、低めは捨てろとは言いました。真っすぐにしろ変化球にしろベルト付近の球を狙えという指示だったので、そこは選手たちがしっかりと狙いを絞って打ってくれました。

――最後にあしたの試合に向けて一言お願いします

優勝はなくなりましたが、３位決定戦があるので、３位をしっかりと狙っていきたいというだけですね。選手たちにも伝えましたが、とにかくあしたの勝ちを目指して、切り替えてやっていきます。

増田圭佑（文２＝茨城・江戸川学園取手）

――本日のご自身の投球はいかがでしたか

新人監督さん（吉野亨、スポ４＝埼玉・早大本庄）からは、いけるところまではいこうと言われていて、自分が最後まで投げられればいいなと思っていました。でも、エラーもありましたが、疲れもあって結果時には同点に追い付かれてしまって。自分の弱さが出たピッチングでした。

――「弱さがでた」という投球でも、良かったと思う点があれば教えてください

６回のピンチで粘って連続三振で切り抜けられたことです。全体を通して、粘って投げることができたのは良かったなと思います。

――本日見つけた課題があれば教えてください

回を重ねるにつれて体力のなさが見えてきて、ボールに力も入らなくなっていった感覚がありました。回を重ねても自分のピッチングができるように体力をつけるのが課題かなと思います。

――若手主体のチームですが、雰囲気はいかがですか

みんな元気よく、良い雰囲気の中でやれています。

――次回の登板に向けての意気込み

こういう経験をさせてもらったのは、すごく自分にとっても大きなことですし、ここで投げた経験を生かして、また次はより良いピッチングをしたいなと思います。