主将が存在感 連勝で勝ち点獲得/東大2回戦

野球
東大2回戦
早 大
東 大
(早)○竹内、吉野和-吉見
◇(本塁打)石井1号ソロ(二塁打)石井2、三倉

 打線が相手投手陣を攻略し、快勝した。前日は東大のエース・宮台康平(3年)に苦しめられた早大だが、この日は打線がつながった。初回に石井一成主将(スポ4=栃木・作新学院)の適時打で先制すると、その後も小刻みに加点し11安打で8得点。投げては久しぶりの先発となった竹内諒(スポ4=三重・松阪)が粘りを見せる。走者を出しながらも要所を締め、7回無失点で今季初勝利。8-0で東大を下し、連勝で勝ち点を獲得した。

 前日はわずか4安打で1得点。その鬱憤(うっぷん)を晴らすかのような猛打だった。この日は序盤から攻める。初回に石井と立花玲央(人4=千葉英和)の連続適時打で2点を挙げると、3回には石井の一発で加点し4回、5回にも1点ずつを奪った。ダメ押しとなったのは8回だ。1死満塁で打席にはまたも石井。振りぬいた打球は中堅手の頭を越え、走者一掃の適時二塁打となった。石井はこの日3安打5打点の大暴れ。「(調子が)だんだんと上がってきた」と話す主将が、バットでチームの勝利を手繰り寄せた。

5打点の活躍を見せた石井

 2回戦の先発を任されたのは4年生左腕の竹内。「粘って0点に抑えることができて良かった」と振り返るように、走者を出しても動じなかった。初回は三者凡退と上々な立ち上がりを見せるが、4回に連打と四球で無死満塁にされる。最大のピンチを迎えるが、冷静さが光った。4点のリードを意識し「長打を浴びないように」と丁寧な配球を心掛けた。結果は三振2つと内野ゴロ。無失点でこの回を切り抜け、その後も波に乗った。5回以降も走者を出すが、得点は許さない。先発の役割を果たし、昨年4月27日以来となる東京六大学リーグ戦白星を手にした。

ピンチを切り抜けガッツポーズをする竹内

 連勝で勝ち点を獲得し、幸先の良いスタートを切った。この日の試合は投打で4年生が活躍。チームを引っ張る存在が結果を残したことは頼もしいが、全てが盤石なわけではない。投手陣はここ2試合で三者凡退に打ち取ったのはわずか3イニング。この日はつながった打線も、2日間で24三振と粗さが目立つ。だが、それでも勝ち切ることに試合運びのうまさがうかがえる。打撃陣の主力が多く抜けた早大だが、ことしも勝負強さは健在。開幕カードで見つかった課題を改善し、次戦につなげたい。次のカードは23日からの立大戦だ。

(記事 石川諒、写真 井口裕太、中川歩美)

☆ついに加藤が公式戦初打席

打席に立つ加藤

 1年生離れした大きな体格と、堂々とした構え。それは将来早大の主軸となるにふさわしい。8回表の9番打者からの攻撃、先発の竹内諒(スポ4=三重・松阪)に代わり、代打で加藤雅樹(社1=東京・早実)が公式戦初打席に立った。高校時代は甲子園への切符を懸けて戦った神宮球場が、大学での戦いの場となる。記念すべき初打席の記録は四球。一度もバットを振ることはなかったが、しっかりと出塁しこの回の得点に貢献した。「大学野球のスタートが切れた」(加藤)と、試合後にはすでに次を見据えていた期待の大型新人。まずは得意の打撃でチームに新たな風を吹き込む。

黄字は打点付き

早大打者成績
打順 守備 名前
(左) 八木健太郎 .111 空振 右飛    左安    捕邪    中飛 見振
(二) 真鍋健太 .333 四球    空振 左犠    左安    右安   
(中) 中澤彰太 .000 遊飛    空振 二ゴ    空振    四球   
(遊) 石井一成 .429 左2    右本    空振 右飛    中2   
(一) 立花玲央 .167 中安    四球    四球    二飛 二ゴ   
(捕) 吉見健太郎 .125 中飛    遊飛    中飛    四球 左飛   
(右) 三倉進 .375    空振    空振 右2    中飛    四球
(三) 木田大貴 .286    四球    左安 左安    空振    見振
(投) 竹内諒 .500    投ギ    中安 左飛            
  加藤雅樹 .—                      四球   
  小野寺旭 .—                           
  吉野和也 .000                         見振
早大投手成績
名前
竹内諒 0.00
吉野和也 0.00

東京六大学春季リーグ戦星取表
順位 早 大 慶 大 法 大 東 大 明 大 立 大 勝ち点 勝率
早 大 5/28
5/29
4/30
5/1
○1-0
○8-0
5/14
5/15
4/23
4/24
1.00
慶 大 5/28
5/29
○11-1
○8-2
4/30
5/1
4/23
4/24
5/14
5/15
1.00
法 大 4/30
5/1
●1-11
●2-8
5/21
5/22
5/7
5/8
4/16
4/17
.000
東 大 ●0-1
●0-8
4/30
5/1
5/21
5/22
4/16
4/17
5/7
5/8
.000
明 大 5/14
5/15
4/23
4/24
5/7
5/8
4/16
4/17
5/21
5/22
――
立 大 4/23
4/24
5/14
5/15
4/16
4/17
5/7
5/8
5/21
5/22
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コメント

石井一成主将(スポ4=栃木・作新学院)

――きょうは3安打の活躍でした。調子は上向いてきましたか

そうですね、だんだんと上がってきたかなという感覚ですね。

――これまではあまり調子が良くなかったのでしょうか

全然良くなかったです。力んでいたというか、考え過ぎていたなという反省がきのう自分の中から出てきたので。まずは自分の打撃、スイングをしようということで(きょうの試合に)臨みました。

――石井主将の吹っ切り方というのはありますか

シンプルに考えることですね。打席でいろんなことを考えると打てる球も打てなくなってしまったので、いつも通り平常心でやりました。

――本塁打を打った時の感覚はいかがでしたか

甘かったので思い切っていきました。

――狙っていた球種は何ですか

直球系を狙っていて、高めに浮いてきたので上からしっかりたたけました。

――前日の試合ではほとんどチームとして打つことができませんでしたが、石井主将から何かチームに声掛けはしましたか

いい投手で打てないのはしょうがないので、最後に1点勝っていればいいということできょう臨みました。大勝はしなくていいから最後に1点多く取ろうということで、監督さん(髙橋広、昭52教卒=愛媛・西条)からもありました。

――ご自身の勝負強さに関してはどう思われていますか

まだ粗削りというか、(安打が)欲しい場面で打てるような強さがまだないと思うので。どの試合でもコンスタントに打てるということが一番だと思います。

竹内諒(スポ4=三重・松阪)

――2回戦の先発を任され7回無失点と十分に役割を果たしました

久々の勝利だったのですごくうれしいです。

――きょうの投球については

安打を浴びて走者を出す場面も多かったと思いますが、しっかりそこで粘ることができ0点で抑えることができたのが良かったと思います。

――「点を取られない投手が良い投手」と以前に話していましたが、そういう意味で無失点に抑えられたことは満足の結果だったのではないでしょうか

点を取られていないことは良いことだと思いますし、0点で抑えるという目標をきょうは達成できたので良かったと思います。

――2回には不運なかたちで三塁打となってしまいピンチを迎えました

あの時は本塁を踏ませないという気持ちだけで。塁も2つ空いていますし、なんとか3人で1つのアウトを取れればと気持ちを楽にして投げました。

――4回、無死満塁の大ピンチがありましたが

4回の時点では点差があったので、とにかく長打を浴びないようにと思っていました。捕手の吉見(健太郎、教3=東京・早実)とは、甘い球にならないようにしようとあの場面では話しました。

――課題として取り組まれていた変化球の精度についてはいかがでしたか

直球以外のボールでもストライクを取れるようになってきたと思いますが、まだ少しコントロールが定まらない時もあるので、きょうの試合の反省として次に向けての改善点として取り組んでいこうと思っています。

――第1打席では犠打を決められたり、次の打席では2年時の秋季リーグ戦以来の安打も記録したりと9番目の打者としての役割も果たせていたと思います

まあ、(安打は)まぐれだとは思いますが(笑)。結果としてチームの勝ちにつながったと思うので、(その部分も)良かったと思います。

――東大は昨年よりも増して強くなっていると思いますが、その中でもしっかり連勝で勝ち点を取りました

連勝できたことでチームとしても良いスタートが切れたと思います。ここまでやってきたことを修正してこの1週間で調整を行って、次はきょう以上の投球ができるようにやっていきたいと思います。

吉見健太郎(教3=東京・早実)

――はじめてスタメンマスクをかぶってみて

失点ゼロというのはすごく良かったと思います。最初は緊張していたのですが、余裕ができて、声を掛けながら投手とコミュニケーションを取りつつ組み立てられたので良かったです。

――きのうも緊張はされなかったのですか

緊張したのは入りだけですね。それ以降は余裕を持ってできました。

――きょうの竹内諒投手(スポ4=三重・松坂)の調子は

良かったと思います。オープン戦の調子通り投げられたのかなと思います。

――4回無死満塁の場面で髙橋広監督(昭52教卒=愛媛・西条)に言われたことなどは

点差が開いていたので、思い切っていけと声を掛けていただいて、竹内さんも調子が悪いわけではなかったので、すごくいい球だったと思います。

――その後は三者凡退に打ち取ることができました

思い切って、投げることができたという感じです。

――きょうのリードで意識したことは

オープン戦通りと言うか、特に意識したことはないですけど、相手打者との兼ね合いで緩いのがいいか、速いのがいいかということだけを意識してやったので特にはないです。

――リーグ戦が始まって見つかった課題などはありますか

無失点だったので、あまりないです。

――今後のリーグ戦への意気込みをお願いします

失点ゼロを続けていけるように、とにかく投手を引っ張っていけるようにしたいと思います。

加藤雅樹(社1=東京・早実)

――初打席でしたが、雰囲気などは

まず、1打席から全てが始まると思っていたので、その1打席で大学野球のスタートが切れたという感じですね。

――初打席ということで打ちたいという気持ちが強かったと思うのですが、実際はボールをじっくり見てというかたちでしたね

甘い球が来たら打とうと思っていたんですけど、投手も代わったばかりだったので、厳しい球をどんどん当てていってしまうとチームの戦略に合わないのかなと。甘い球が来れば打ちにいっていましたけど、残念ながらあまり打てなかったですね。

――「残念ながら」という感じですか

四球というのは最低限の仕事だったと思います。でも、しっかり打ってアピールしたかったなという思いがあるので、その点では残念ですね。

――1年生で一人だけメンバー入りしていますが緊張などは

逆に1人なので上級生もすごく優しくしてくれますし、気持ち良くやれる環境をつくってくださっていると思います。

――高校3年生という上級生から下級生になると、環境もやることも変わってきますよね

そうですね。でも野球自体は変わらないので、環境も変わって気を遣うこともありますけど、野球の時は1年生とかは関係なく自分らしくやれればいいなと思います。

――構えは全く変わっていなかったですね

そうですね。基本的に小学校くらいからずっと変わっていないので、変えようと思ってもなかなか変わらないですね。

――初打席でもやはり冷静にボールを見てということで、選球眼も良かったと思いますが

真っすぐしか来ていなかったので、選球眼というよりは立っているだけという感じでしたかね。

――今後もリーグ戦が続きますが

しっかり準備をして、ここでいけと言われたところできちんと出て、最低限の仕事をしっかりして、チームの勝ちに少しでも貢献できるようにしたいです。