注目ルーキーを直撃! 福岡・竹田・小藤

野球

※この取材は3月12日(土)に行われたものです。

 また竹田選手、小藤選手は取材当日の練習を欠席されていたため、後日書面での取材を行いました。

 4月を迎え、早大野球部でも本格的に新1年生が練習に参加するようになった。厳しいランニングメニューなどをこなしながら、先輩たちの練習を陰から支える毎日。その中でも神宮で活躍する日を夢見て、日々技術向上に励んでいる。本記事は、数多くの新入部員の中でも注目を集める3名の選手を紹介。第1弾で掲載した加藤雅樹(社1=東京・早実)、檜村篤史(スポ1=千葉・木更津総合)に続き、第2弾として福岡高輝(スポ1=埼玉・川越東)、竹田和真(スポ1=石川・金沢)、小藤翼(スポ1=東京・日大三)にスポットを当てる。

◆福岡高輝(スポ1=埼玉・川越東)
    
 

1997年(平9)9月8日生まれ。173センチ74キロ。

埼玉県出身。内野手。右投左打。50メートル走6秒4。遠投95メートル。

先輩の中に混じりノックを受ける福岡

 埼玉の進学校・川越東高。文武両道の高校生活を送りながらも、野球で頭角を現した選手が早大にやって来る。高校時代からバットをボールに当てる能力に秀でており、打てる遊撃手として名をはせた。高校の野球部を引退後は一般入試で受験することを念頭に勉強に専念。当初は立大を目指していたが、夏に行われた練習会に参加し早大で野球を続けることを決断した。

 同じスポーツ推薦で入学した選手と共に、冬から練習に参加している福岡。「自分以外はみんな有名」と、甲子園や地方大会で数々の好成績を残してきた同期との日々は刺激を受ける毎日だ。2月にはインフルエンザを発症し、ハードな練習日程に疲れも見せていたが、現在では2軍オープン戦にも出場。一歩ずつではあるが、確かにレベルの高い大学野球の世界に対応してきている。

 目標とするのはもちろんレギュラーを早く勝ち取ること。そのためには、まず得意の打撃でアピールをしたい。一方、自らも苦手と語るのが守備。細かい動きに加え、これまでよりさらに広い範囲の打球をさばかなくてはならない内野守備に適応することが、1軍入りへの近道となる。これからの四年間は決して平たんなものではない。それでも将来の自分を語る言葉の端々には力強さがあった。中心選手として神宮の大観衆を沸かす日を夢見て――。福岡の挑戦は始まったばかりだ。

(記事 杉田陵也、写真 大谷望桜)

◆竹田和真(スポ1=石川・金沢)

1997年(平9)7月6日生まれ。181センチ78キロ。

石川県出身。投手。右投右打。50メートル走6秒6。遠投115メートル。

 待望の右のエース候補が北陸からやって来る。今春入学する竹田だ。金沢高時代、甲子園には手が届かなかったもののエースとして活躍。全国的にはほぼ無名の存在だったが、北信越地方屈指の好投手としてプロのスカウトからも注目を集めた。竹田の最大の特徴は左足をゆっくりと下ろす独特のフォーム。小学生の頃から投げやすいフォームを考えて身についたこの左足の動きは、打者のタイミングを狂わせる。

 「本気になって野球に取り組める環境」。そんなイメージを抱き、早大への入学を決意した。練習に参加した当初は周囲のレベルの高さに驚かされたという。それでも、エースとして日本一になるという高い目標を持ち日々練習に取り組んでいる。自らのアピールポイントについて尋ねられると「コントロールと、どんなピンチでも動じずに投げられること」と答えた。制球力に裏打ちされた試合をつくる能力と精神面の強さは、エースとして必要な資質であると言えよう。球種の少なさやフィールディングなど課題もあるが将来性は抜群だ。昨年3冠を達成した早大だが主力には左投手が多く、右の本格派投手は不足気味。そんな台所事情もあり竹田への期待は大きい。近い将来、この男がエースとして早大を日本一へと導いてくれることだろう。

(記事 新津利征)

◆小藤翼(スポ1=東京・日大三)

1997年(平9)8月6日生まれ。181センチ80キロ。

栃木県出身。捕手。右投左打。50メートル走6秒3。遠投115メートル。

 強肩大型捕手が早大野球部に入部。西東京の名門・日大三高で1年秋からマスクをかぶり、3年春に都大会制覇、夏に西東京ベスト4の成績を残した。遠投115メートルの肩からの送球は抜群のスピードとコントロールを誇り、走者は容易に盗塁を決めることができない。一方、自身の課題としている打撃面は、3年になってようやく開花。癖の少ないスイングで、ライナー性の打球を左右に打ち分け、公式戦では3試合連続本塁打を記録。強力・日大三高打線の中軸を担うようになった。

 早大の練習に参加してみて、個々の能力だけでなく、全体のレベルも高いと感じた小藤。高校とは異なる効率の良い練習の中で、さらに磨きたいと思っているのは「捕手としての能力」だそう。また、高校時代、同じ西東京地区のライバルとして戦った加藤雅樹(社1=東京・早実)は、大学では同じ目標に向かって共に努力するチームメイト。「互いに競い合いながら頑張りたい」と語った。

 早大の練習に参加後、ケガで思うように練習ができなかった時期もあり、本人は少し焦りも感じているが、徐々にそれも回復しつつある。伝統があり憧れだったという早大野球部で、持ち前の強肩強打を武器に、その名をとどろかす日も、そう遠くはないだろう。

(記事 大谷望桜)

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