春季オープン戦ダイジェスト(3月23日~29日)

野球

 沖縄キャンプから帰京後も数多くの実戦を行っている早大。依然として勝ち試合が多いものの、3月26日に行われた社会人対抗戦以後は疲れも見られた。また、大きくメンバーが入れ替わった野手陣のメンバーも固まりつつあり、ことしの戦い方が完成されつつある。神宮の舞台へ、いよいよ早大は臨戦態勢に入る。

打線がつながり東都の強豪を下す(3月23日・対東洋大戦)

TEAM
早 大
東洋大

先制打を放った石井

 この日は東都大学リーグの強豪・東洋大と対戦。早大は3回に連打で3点を先制し、主導権を握る。その後も小刻みに加点し、3投手の継投で相手の反撃を振り切って勝利した。

 早大はエース・大竹耕太郎(スポ3=熊本・済々黌)が先発マウンドに上がる。制球力に自信を持つ左腕だが、この日は珍しくボールが先行する場面が目立った。しかし、簡単には崩れないのがエースたるゆえん。ゲームの中でしっかりと修正し、粘り強い投球で要所を締める。大竹が許した四球は4つ。決して本調子とは言えないものの、6回を1失点にまとめ、先発投手の役割を果たした。

 攻撃陣は3回、石井一成主将(スポ4=栃木・作新学院)の中越え二塁打などで3点を先制。中盤の好機も確実にものにし、点差を広げていく。2点差に迫られて迎えた9回には木田大貴(商4=愛知・成章)がダメ押しの一発。伏兵が決定的な一打を放ち、大きく勝利を手繰り寄せた。

 得点力は前チームに劣るとされることしのチーム。しかし、オープン戦を通じて徐々に打線がつながり始めている。この日は長短打を絡めて6得点。複数の選手がマルチ安打を記録し、調子は上向いている。9年ぶりの東京六大学リーグ3連覇へ、視界は良好だ。

(記事 郡司幸耀、写真 久野映)

投打がかみ合い、連日の快勝!(3月24日・対日大)

TEAM
日 大
早 大 ×

尻上がりに調子を上げた吉野和

 東京六大学春季リーグ開幕へ向け、順調な調整を続けている早大。この日も打線がつながり、序盤から試合の主導権を握る。4投手のリレーでリードを守り切り、6-3で日大を下した。

 稲穂打線に火がついたのは、1-1で迎えた2回だった。2死三塁の場面で9番打者からの3連続適時打が飛び出し、勝ち越しに成功する。4回にも下位打線が好機を作ると、さらに1点を追加。7回には今季から中軸を担う3番・中澤彰太副将(スポ4=静岡)が左中間への適時三塁打を放ち、どこからでも得点できる打線であることを証明した。2016年型の攻撃パターンが、完成に近づいてきたと言えるだろう。

 一方、投げては先発の吉野和也(社4=新潟・日本文理)が5回1失点の好投。立ち上がりこそ先制を許したが、2回以降は二塁すら踏ませない圧巻の投球を披露した。その後3点差まで詰め寄られるも、最終回を託された清水陸生(人3=宮崎大宮)が日大打線をシャットアウト。緩急をつけた投球術で2つの三振を奪うなど三者凡退に抑え、アピールに成功した。

 この日は計3盗塁に無失策と、チームの総合力も日に日に増してきている。春季オープン戦はここからがヤマ場。万全の状態で神宮への道を突き進む。

(記事 川浪康太郎、写真 新津利征)

前日の勢いなく、久々の敗戦(3月27日・対ノースアジア大)

TEAM
ノースアジア大
早 大

この試合の全得点を挙げた八木

 珍しく終始押され気味の展開であった。前日の社会人対抗戦で見事な逆転劇を見せるなど、勝負強さを発揮してきた早大。しかし、この日は先制点こそ奪ったものの、8回に逆転を許す。打線も相手投手に抑え込まれ、春季オープン戦2敗目を喫した。

 先制点を取ったのは2回だった。1死から八木健太郎(スポ3=東京・早実)が左前打で出塁すると、すかさず盗塁。下位打線で好機を広げると、内野ゴロの間に八木が生還し、鮮やかに1点を奪う。しかし、その後は完全に抑え込まれ、この試合は計4安打。7回に連続四死球によって1点を返すのがやっとの状況であった。

 一方、投手陣は毎回のように走者を背負うものの、粘りの投球で6回までを1失点で切り抜けた。しかし、7回1死から出塁を許すと、暴投や四球で徐々にピンチを広げてしまう。そして、適時2塁打で勝ち越しを許すと、続く打者にもスクイズで1点を加えられ、勝負あり。相手の堅実な野球を前に、流れを引き寄せることはできなかった。

 この日は連戦の疲れからか、前日の勢いもなくベンチからの声もいつもより少なかった。しかし、東京六大学春季リーグ戦(春季リーグ戦)は疲れと緊張感の中で試合をものにしていかなければならない。残り1週間ほどとなった春季リーグ開幕に向け、もう一度チームが目の前の試合に全力で立ち向かうという基礎基本に立ち返る時が来ているのかもしれない。

(記事 杉田陵也、写真 大浦帆乃佳)

打線がつながり、大量リードで快勝(3月29日・対拓大)

TEAM
拓 大
早 大 × 11

1軍のマウンドでしっかりと結果を残した二山

 東京六大学春季リーグ戦(春季リーグ戦)を目前に控えた早大は東都大学リーグ2部に属する拓大と対戦。石井一成主将(スポ4=栃木・作新学院)を軸に打線が奮起して、大量リードを奪う。一方、投手陣は相手打線を6回まで無安打無失点に抑え、11-3と快勝した。

 先発を任された二山陽平(商3=東京・早実)は立ち上がりから三者凡退の好投。球数も3回までに30球足らずと快ペースを見せた。4回から北濱竣介(人3=石川・金沢桜丘)がマウンドへ。毎回走者を背負うも、決定打は許さず。後の救援陣も粘投し、2失点に抑えた。

 積極的に仕掛けた打撃陣。初回から盗塁で揺さぶり、犠飛で1点を先制した。4回、先頭の石井が右翼へ痛烈な二塁打を放つと、その後は連続四死球で1死満塁の好機をつくる。そして、すかさず八木健太郎(スポ3=東京・早実)が適時打を放ち、2点を追加した。八木は6回の本塁打を含む5打数5安打の活躍ぶり。7回には、主将によるダメ押しの中前適時打で走者2人が生還。主導権を握った早大が危なげなく勝利を収めた。

 おのおのが持ち味を発揮したこの試合。守備でも中澤彰太副将(スポ4=静岡)による好プレーが見られ、攻守ともに充実したものとなった。春季リーグ戦開幕までの時間はあとわずか。本番での活躍に期待したい。

(記事 八木美織、写真 井口裕太)

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※リーグ戦開幕前の記事は都合により試合当日に公開することができないことがございます。読者の皆様には大変申し訳ございませんが、何卒ご了承頂きたく存じます。リーグ戦は従来通り、即日公開致します。