注目ルーキーを直撃! 早実・加藤/木更津総合・檜村

野球

※この取材は2月28日(日)に行われたものです。

 寒い冬を越え、間もなく春がやってくる。ことしも早大野球部に新たな選手たちが加入する季節が訪れた。昨年はルーキー小島和哉(スポ1=埼玉・浦和学院)の大ブレイクもあり、躍進を遂げた早大。実力の高い上級生が数多く所属する早大であるが、ことしは出場メンバーが刷新されるため、新1年生が試合に出場する可能性も十分に考えられる。今回は本記事を含め2回にわたり、この春に正式入部をする予定の5名の選手を紹介。まず第1弾は、昨年夏の甲子園でベスト4に輝いた早実高から唯一大学での練習に参加している加藤雅樹(社会科学部入学予定=東京・早実)、そして昨年春のセンバツで注目を浴びた檜村篤史(スポーツ科学部入学予定=千葉・木更津総合)にスポットを当てる。

◆加藤雅樹(社会科学部入学予定=東京・早実)
    
 

1997年(平9)5月19日生まれ。185センチ87キロ。

東京都出身。捕手。右投左打。50メートル走6秒5。遠投110メートル。

ファーストミットでノックを受ける加藤

 大物ルーキーが早大に加入だ。昨年夏の甲子園、4番・主将として早実高を9年ぶりのベスト4へと導いた加藤。「憧れの場所」と言う聖地での経験は大きな喜びだった。しかし同時に、準決勝で敗れた悔しさと、力不足を痛感する。そこでプロに傾く気持ちを抑え、当初から思い描いていた早大を経由してのプロ入りを決意。1月末から早大の練習に合流し、上級生に混じって汗をかいている。

 加藤を待っていたのは、時間に無駄のない練習と過酷な走り込み。高校よりも内容の濃い練習に苦悶(くもん)の表情を浮かべながらも必死に食らいついている。そんな加藤の最大の魅力は長打力。この日は「(バットの)ヘッドが落ちていた」と反省したが、高校生離れした打撃を披露。軽々と外野の頭を越えていき、あわや柵越えかという打球には目を見張るものがある。守備では一塁にも挑戦。あくまで捕手として勝負するつもりだが、活躍の場を広げるために任されたポジションで全力を尽くす。

 高校時代は甲子園を懸けて戦った神宮が、東京六大学リーグ戦の舞台になる。現時点での目標を聞かれると「まずは最初の一打席。そこから全て始まる」と意気込む加藤。その一打で、凱旋(がいせん)した神宮に再び『紺碧の空』を響かせる。

(記事 郡司幸耀、写真 八木美織)

◆檜村篤史(スポーツ科学部入学予定=千葉・木更津総合)
    
 

1997年(平9)11月6日生まれ。181センチ78キロ。

千葉県出身。内野手。右投右打。50メートル走6秒6。

華麗に遊撃の守備をこなす檜村

 181センチ、78キロの大型遊撃手。「日本一に一番近い大学だと思った」と、高校時代の監督の勧めもあり、ワセダの門をたたいた。「自分の一番のアピールポイントは守備」と本人は言うものの、千葉の名門・木更津総合高時代は4番に座り、昨年春のセンバツでは本塁打も記録。守備だけではなく、打撃にも目を引くものがある。

 高校の野球部を引退後も後輩に混ざって練習を続け、万全の準備を整えてきた。大学ではバットが金属から木製へ、グラウンドが土から人工芝へと変わるなど、環境の変化もあるが、日々の練習で少しずつ慣れてきているという。すでに大学の野球部へ合流している4人の同級生とは親しい仲だが、負けたくないという思いは強い。特に同じ内野手の福岡高輝(埼玉・川越東)は、お互いを高め合える、良きライバルだ。さらに、入学予定のスポーツ科学部では「体の仕組みを学んで、ケガ防止に生かしたい」と、大学生らしく授業への意欲ものぞかせる。最初の目標はベンチに入ること。「4年間で走攻守そろった選手になり、部に貢献したい」。高校時代にはかなわなかった日本一へ、檜村のワセダでの挑戦は、いま始まったばかりだ。

(記事 當間優希、写真 後藤あやめ)

加藤(左)と檜村(右)