早大勢の活躍がチームを勝利に導く!

野球
TEAM
チーム陸援隊
チーム海援隊

 徳島から高知へ会場を移して行われた東京六大学野球オールスターの第2戦。第1戦で法大、慶大、東大に敗れた早大、明大、立大。雪辱を誓い挑んだこの日は2回、石井一成(スポ3=栃木・作新学院)が先制の適時三塁打を放ち、6回には代打で出場の中澤彰太(スポ3=静岡)が貴重な追加点をもぎ取る。投げても2番手で登板した田中龍之介(人3=兵庫・滝川)が1イニングをピシャリと抑え流れを相手に渡さない。試合は早大勢の活躍に導かれたチーム『陸援隊』が4ー1でリベンジに成功。四国の大学野球ファンに白熱の試合を届け、三日間に及ぶオールスターは幕を閉じた。

 六大学屈指の好打者が並んだ両チームの打線。きょうその口火を切ったのは石井だった。第1戦でもスタメンに名を連ねながら悔しい無安打。しかしこの日は走者を一塁において迎えた第1打席から、さっそく結果を叩き出す。140キロ代中盤を連発し好調さを伺わせていた相手先発の熊谷拓也(法大)の直球を振り抜くと、鋭い打球は右翼線へ。迷いのないフルスイングはチームに先制点をもたらし、自身も悠々と三塁へ進んだ。最終回にも強烈な打球を右前に飛ばした石井は、初めてのオールスターの舞台でその実力を遺憾なく発揮した。

先制の適時三塁打を放った石井

 一方の投手陣では、春季リーグ戦は悔しい登板ゼロに終わった田中が好投を披露。2番手として4回からマウンドに登ると、リーグ屈指のスラッガー谷田成吾、横尾俊建(ともに慶大)を含む3人を完璧を抑え込むパーフェクトリリーフ。特に谷田に対しては緩急自在の投球で空振り三振を奪い、自らの存在を猛烈にアピールした。もう一度神宮のマウンドへ——次なるシーズンへの強い意気込みを感じさせる。

1回無失点の好投で球場を沸かせた田中

 この日も約2600人が球場に詰めかけたオールスター。東京六大学リーグを代表する好選手たちの激闘は、熱い四国の野球ファンにも支えられ大盛況の中で幕を閉じた。球場に駆けつけた地元の野球少年たちとの野球教室は、選手たちにも大いに刺激になり、未来の六大学球児たちにもかけがえのない時間となったはずだ。三日に渡って行われた夢の球宴。灼熱(しゃくねつ)の四国の夏に、六大学野球が鮮やかな華を添えた。

(記事 三井田雄一、写真 豊田光司)