優勝祝賀会で選手たちを祝福!

野球

 

 東京六大学野球の春季リーグ戦(リーグ戦)では6季ぶり44回目の優勝、さらに全日本大学選手権(全日本)では3年ぶり5回目となる日本一に輝いた早大野球部。激闘から1カ月半、春季リーグ戦・全日本大学選手権優勝祝賀会が行われ、野球部関係者が集合し選手たちを祝福した。

緊張した面持ちの中にも喜ばしい表情が見える選手たち

 野球部OBで構成される稲門倶楽部の主催で行われたこの祝賀会。各世代のOB、また普段神宮球場で歓声を送る熱烈なファンも一堂に会した。髙橋広監督(昭52教卒=愛媛・西条)が喜ばしい表情で優勝報告をすると、乾杯後、岩間貴弘主務(法4=東京都市大付)による4年生選手、ベンチ入り選手の紹介が行われる。その後は活躍した選手へのインタビューも開催された。4年間で2度の日本一を経験するという創部初の快挙について、河原右京主将(スポ4=大阪桐蔭)は「長い歴史の中で名を残す事ができて、本当に光栄」と語った。

鏡開きに参加する河原主将(左)たち

 祝賀会中、随所で飛び出した言葉があった。『四冠』。現在、早大野球部は春季リーグ戦、全日本の優勝で二冠を果たしている。残るは秋季リーグ戦、明治神宮大会のみ。この2大会をどちらも制すれば、早大史上、そして東京六大学リーグ史上初の『グランドスラム』達成となる。秋は前回覇者として戦う早大。他校からのマークも激しくなることが予想されるが、「自分たちができる事は限られていますが、常に挑戦者の気持ちを忘れずに戦っていきたい」と河原主将は決意を新たにした。8月1日からは夏季オープン戦が始まり、秋に向けた厳しい鍛錬が再び幕を開けた。今回の祝賀会で思いをさらに強くした選手たちは、さらなる偉業に向け歩み始める。

(記事 三上雄大、写真 杉田陵也)

コメント

髙橋広監督(昭52教卒=愛媛・西条)

本日はこのような素晴らしい祝賀会を開催していただきまして、稲門倶楽部の猪瀬様をはじめ、会員の皆様には心より御礼を申し上げたいと思います。また、ご来場の皆様に関しましては、日曜日にもかかわらず、遠路ご出席を賜りまして本当にありがとうございます。6シーズンぶり44回目の優勝、全日本(大学選手権)でも3年ぶり5回目の優勝を成し遂げる事ができました。これもひとえに河原(右京、スポ4=大阪桐蔭)キャプテンを中心に4年生、そして部員全員が一丸となってまい進したのはもちろんのこと、稲門会の皆様方の普段からのご指導ご鞭撻のお陰と心より感謝申し上げます。本当にありがとうございます。4月の就任のとき、まず目標に掲げたのは、早慶戦で勝つ、リーグを制す、大学日本一になる、という3つでした。我々の頃は野球部はリーグ戦で勝てばよいという風潮があり、大学選手権で結果を残す事があまりできませんでした。ですから選手たちにお願いしたのは、法大は44回、ワセダは43回のリーグ戦優勝経験があるのに、法大は全日本選手権を8回に比べ、早大は4回しか制していないから少ないではないか、と。私は高校野球で30年以上指導を行ってきましたが、最高成績は甲子園で準優勝でした。だからこそどうしても日本一への気持ちも強くて、選手に実現してほしいと訴えてきました。やはり、日本一の早稲田大学に日本一の選手が揃っているのだから、日本一がふさわしいではないかと。私は甲子園に出るのに20年かかりました。非常に亀のような人生をおくっていたのですが、この半年間ですべての目標を達成してしまいました。素晴らしい幸せに恵まれました。ひょっとしたら寿命が短いのではないかと、最近いささか不安に思いますけれども(笑)。自分の気力、体力が続く限り、在任中はいまの優勝回数を1回でも多く更新できるように、選手共々頑張っていきたいと思います。既にチームは昨日より、秋のリーグ戦優勝を目指してリーグ戦を開始しています。早大史上、六大学リーグ史上例のないグランドスラム。ことし、可能性が残されているのは私たちだけですから、ぜひ『一戦必勝』で頑張って、秋には嬉しいご報告ができるように精進して参りますので、今後ともにご指導ご鞭撻のほど、宜しくお願い申し上げます。

河原右京主将(スポ4=大阪桐蔭)

――ことしは昨年度のチームから投打の柱が抜け、戦力も大きく入れ替わりました。弱いのではないかと言われることもありましたが、主将としてどのように考えていましたか

新チームがはじまったときから弱いと言われ続けていましたが、それを一番わかっていたのは自分たちでした。だからこそそれを見返すために、その分一つになっていけたと思います。選手一人一人が強い気持ちを持っていたので、自分は勝てると思っていました。

――監督をはじめ、ことしはいろいろなことが変わったと思いますが、一番変化があったのはなんでしょうか

練習量です。トレーニングとランが増えました。髙橋監督は練習がきついというのは噂には聞いていましたが、その通りでした。ただ、自分たちが強くないことはわかっていたので、それくらいの練習量をやらないと勝てないということは感じていました。だからしっかりと練習をしました。

――ことしのチームは下馬評は決して高くありませんでしたが、戦っていくごとに強くなっていくような、そんな印象を受けました。どのようにリーグ戦を戦っていたのでしょうか

自分たちは挑戦者だ、という気持ちでやってきました。飛び抜けた選手がいるわけでも、優勝候補でもなかったので、チャレンジャーの気持ちで戦ってきました。それが終盤の逆転劇、粘り強さにつながってきたのではないかなと思います。

――見ている側からしても、終盤は負ける気がしないという印象も受けました。優勝がかかった早慶戦には、どのように臨んだのでしょうか

早慶戦というのは特別なもので、声も聞こえないですし雰囲気も他の試合とは違うので、自分としては少し心配していました。しかし、一人一人が確実に力を付けてやってくれたので、良かったですね。

――今季のご自身の成績に関してはいかがでしょうか

自分はチームの勝利に主将として貢献していきたいと思っていたのですが、その点に関しては良かったと思いますね。

――弱いと言われながらも大学球界の頂点に登り詰めたチームを率いる主将として、いまどのようなお気持ちですか

この後も1シーズン控えているので、秋も日本一を目指して頑張っていきたいです。

――在学中に2度の日本一を経験するというのは創部初の快挙です

ワセダの長い歴史の中でそういったかたちで名を残す事ができて、本当に光栄です。

――春秋連覇が期待されますが、その意気込みは

秋はマークもきつくなるでしょうし、そう簡単に勝たせてもらえるとは思っていません。その中で自分たちができる事は限られていますが、常に挑戦者の気持ちを忘れずに戦っていきたいと思います。