球宴は豪華投手陣による投手戦に

野球
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チーム巻機
チーム八海 ×

 米どころ南魚沼の市制施行10周年を記念して行われた今回のオールスターゲーム。六大学が南魚沼市内にある八海山と巻機山から名前を取った2チームに分かれ、早大は明大、東大とともにチーム・マウント巻機を結成した。試合は各大学の好投手が力を発揮する投手戦の展開。早大勢では有原航平(スポ4=広島・広陵)髙梨雄平(スポ4=埼玉・川越東)がそれぞれ1イニングを三者凡退に抑える好投を見せる。しかしチーム・マウント巻機は打線が機能せず、6回に失った1点が決勝点となって敗れた。

 先手を取り、見せ場をつくったのは早大が属するチーム・マウント巻機だった。1回、2回と明大、東大の選手が、相手先発の石田健大(法大)を攻める。しかしこの日の早大野手陣は石田に対しタイミングが合わず、4打数で4三振と大ブレーキに。石田の降板後、4回無死から武藤風行(スポ4=石川・金沢泉丘)が早大勢初安打となる二塁打を放った場面では、明大、東大の打者が続かずに無得点。巻機は八海を上回る8安打を放ちながら終始つながりを欠き、結局1点も挙げることができなかった。一方の巻機投手陣は先発の竹内諒(スポ2=三重・松阪)から髙梨、有原への早大リレーで4回まで無失点に抑え込む。しかし6回に辰亥由崇(東大)が安打と暴投からピンチを招き、畔上翔(法大)に適時打を浴びて1失点。この1点が重く響き、そのまま0-1での敗戦となった。

2安打の武藤

 早大から選ばれた3投手のうち、先発に抜てきされた竹内は内容に不安を残した。「ストライク先行で追い込めた」と2イニングを無失点に抑えたが、慶大選手からは3安打を浴びる結果に。春の早慶2回戦でも打ち込まれており、秋までに対策が求められる。一方、巧みな投球術で打たせて取った髙梨と、「楽しんで投げました」と言いながらも最速152キロを記録した有原はその実力を見せた。打者は出場6選手の大半が限られた出場機会で結果を残せない中、土屋遼太(教4=東京・早実)が鋭い当たりで1安打。春の首位打者・武藤は「普段通りできた」と2安打で気を吐いた。

初回を無失点に抑え笑顔を見せる土屋(右)と先発の竹内

 随所に好守が飛び出し、慶大の速球王・加藤拓也の全力投球、立大のタフネス右腕・沢田圭佑の意外な超スローボールがスタンドを沸かせた今回のオールスター。その中で早大勢は全体として目立った活躍を残すことはできなかった。しかし秋季リーグ戦では存在感のないまま終わってはならない。これからリーグ開幕までの期間を利用して、六大学の頂点へと登る実力を身につけたい。

(記事 三尾和寛、写真 井上雄太)

コメント

土屋遼太(教4=東京・早実)

――東京六大学オールスターゲームということでしたが、出場してみていかがでしたか

楽しかったです!

――他の大学の選手ともお話されましたか

はい、結構話せました。

――東北遠征からすぐに新潟へ移動ということで、疲れはありませんか

結構きつかったですけど、これはこれでやるしかないことだったので、大丈夫です。

――試合では安打が出ました

良かったです。1本出て、ほっとしています。

――早大の3投手をリードして無失点に抑えました

1、2イニングの登板で、逆に打たれるのはどうかと思うので、良かったと思います。

有原航平(スポ4=広島・広陵)

――ナイスピッチングでした

ありがとうございます。

――春季リーグ戦からどのように気持ちを切り替えましたか

いや、特に考えずにやってきました。

――夏の練習はいかがですか

厳しかったですが、秋に向けていい練習ができていると思います。

――きょうの投球を見ると上々の仕上がりのようでしたが

いや、まだまだです(笑)。これからリーグ戦に向けてしっかり仕上げようと思います。

――きょうはリラックスして投げているような雰囲気でした

そうですね。オールスターなのであまり考えずに楽しんで投げました。

――最後の横尾俊建選手(慶大)に対しては力を入れて投げていたように見えました

いや、そういうことはなかったです。

――今後に向けていかがですか

リーグ戦があるのでしっかり調整して頑張りたいと思います。

小野田俊介(社4=東京・早実)

――東北遠征を振り返ってみて、中高生との野球交流を通じてどんな成果が得られましたか

大学に入ってからいろいろ考えることが多くなったのですが、まっすぐ野球を楽しんでいる中高生を見たらやはりそういう気持ちが必要だなと思いましたし、元気をもらえました。

――きょうのオールスターに選ばれた感想というのはいかがですか

各大学を代表する選手が集まっている中に自分がいられるということに対して光栄に思えます。そういう選手たちと肩を並べても遜色(そんしょく)のないように見られればいいなと思いました。

――試合は楽しむことができましたか

なかなか違うチームのバッターやピッチャーをベンチで応援することとかないので新鮮味がありましたし、やはりみんなうまいので近くで見ることができて良かったなと思います。

――他大の選手からどんな刺激を受けましたか

バッターで言うとメイジの菅野(剛士、明大)、糸原(健斗、明大)はすごく実力があると思いました。

――ここ最近の調子はいかがですか

あまり結果は出ていないですが、体の疲れなどが抜ければ絶対感覚的には良くなると思うので、そんなに心配はしていないです。

――これからオープン戦が続きますがどのように調整をしていきたいですか

実戦に入るにしたがって変化球を見極めて打っていかなくてはいけないと思うので、試合の中でなんとなく打つのではなく、感覚が早く取り戻せるように打っていきたいなと思います。

――ラストシーズンでどこをレベルアップさせたいと思いますか

得点圏での打率が自分の中で一番大事だと思っているので、長打に限らず打点を稼ぐという点で結果を残していきたいと思います。

――秋季リーグ戦へ、意気込みをお願いします

本当に最後のシーズンになりますが、自分の力というのが一番かたちとして表れるのが打点の部分だと思うので、そこで少しでもチームに貢献できるように全力で戦いたいです。

髙梨雄平(スポ4=埼玉・川越東)

――わずか7球で三者凡退でした

きょうは早打ちさせて、3人で終わりたかったので良かったです。

――狙い通りの内容だったのですね

やはり真っすぐをみんな狙ってくると思うので、そこで直球を投げて打たせました。想定通りです。

――ではその直球の走りがやはり良かったと

はい。変化球も投げたのですが、ある程度まとまったコースに(球が)行ってくれました。

――こういった代表として投げる経験はこれまでありましたか

いえ、今回が初めてです。そういったキャラではなかったので(笑)。(元は選考されていた)吉野(和也、社2=新潟・日本文理)がたまたまケガをして来れず、代役でした。これがラストチャンスでしたし、こうして投げる機会があって良かったです。

――オールスターゲームということで雰囲気はいかがでしたか

こういった試合に普段来ていなかったので友達もいなくて、若干気まずかったです(笑)。何とか打ち解けられるように頑張りました。

――他大学で話した選手はあまりいなかったのですか

東大と明大の選手と何人かは少しだけ話しました(笑)。

――調整の段階としては現在順調と言ったところでしょうか

はい、うまくいっていると思います。キャンプから通して調子もいいのでこのまま東伏見(でのオープン戦)に戻ってもしっかり抑えていきたいです。

武藤風行(スポ4=石川・金沢泉丘)

――今回のオールスターゲームはいかがでしたか

普段対戦相手として戦っている選手たちと、一緒にプレーできて楽しかったです。

――チームの4番として先発出場されました

そうですね。監督がワセダの監督だったので、打順についてはいつも通りの意識で臨みました。

――慶大の投手から2安打を放たれました。それぞれ手応えはいかがでしたか

普段通りできたかなと思います。

――他大の選手で印象に残っている人はいますか

慶大の加藤(拓也)は、やはりさすがだなと思いました。

――東北遠征から試合に毎試合出場されていますが、疲れはありますか

多少はありますね。(調子は)いいと思います。

――リーグ戦まで残り1ヵ月を切りました。ここからどのような調整をしていきたいですか

技術的なことというよりも、気持ちの面を上げていけるようにしたいと思います。

――リーグ戦への意気込みを教えてください

春は最後の早慶戦で勝てなかったので、秋こそは優勝して終わりたいなと思います。

竹内諒(スポ2=三重・松阪)

――きょうの試合を振り返って

最近のオープン戦ではボール先行の展開が増えていたので、ストライク先行で追い込んで、自分が有利なかたちにしていこうと思っていました。そのかたちを初回からつくることができたので良かったと思います。

――東北でのオープン戦の際は低めを意識したピッチングを心掛けたいと仰っていました

そうですね、きょうはそれを意識しました。

――相手のスタメンを固めた慶大の打撃陣に安打を許してしまいました

慶大に打たれてしまったので、ここで苦手意識をつくらないで、今度対戦する時は打ち取ることができるようにしたいと思います。

――試合に臨む時から慶大の打者に対して意識はありましたか

もちろん他のチームにも打たれたくないですが、特に慶大には打たれたくないという気持ちが強いです。早慶戦という大きな舞台があるので、やはり打たれたくないというのはあります。

――きょうの反省と収穫は

反省はボールが高めに浮いてしまったことです。収穫は、相手に粘られても自分の真っすぐをコーナーに決めることが出来たということです。

――六大学オールスターという試合についてどう感じましたか

出場するのが初めてだったので、ちょっと緊張しましたが楽しんで投げることが出来ました。

――この試合に先発することに関しては

光栄なことだと思いますし、すごくうれしかったです。

――グラウンドやベンチで他大学の選手との交流はありましたか

そうですね、普段話したことのない選手と話すことが出来たので学んだこともありましたし、良かったと思います。

――これからオープン戦が本格的に始まりますが、目標は

オープン戦で先発を任されることがあると思いますが、そこでしっかりと結果を残して、2戦目の先発をもう一度勝ち取ることができるように頑張りたいと思います。