投打がかみ合い東大に大勝!/東大1回戦

野球

東大1回戦
早大 11
東大
(早)○有原、吉野和、黄本―土屋、道端

◇(本塁打)武藤2号2ラン、中村2号ソロ(三塁打)重信、渡辺(二塁打)中澤、小野田、山口、茂木

 法大、立大から貴重な勝ち点を奪取し、迎える3カード目の相手は東大。4季ぶりの優勝に向けさらに弾みをつけたい早大は、初回から武藤風行(スポ4=石川・金沢泉丘)の2点本塁打で先制すると、14安打11得点と打線がつながり大量得点を挙げる。また、投手陣もリーグ戦連敗記録更新を阻止すべく積極的に振りにくる東大打線を相手に凡打の山を築く。エース有原航平(スポ4=広島・広陵)吉野和也(社2=新潟・日本文理)、黄本創星(スポ2=千葉・木更津総合)のリレーで東大打線を封じ込め、文句なしの大勝を収めた。

 順当に得点を重ね、隙のない攻撃を展開した。1回表、不振にあえぐ中村奨吾主将(スポ4=奈良・天理)が初球を中前へ運ぶと、4番・武藤が左翼観客席中段に届く2点本塁打で早くも先制。3回には重信慎之介(教3=東京・早実)の右翼を深く破る三塁打などで追加点を挙げると、6回には中村から今季2本目となる待望の本塁打も飛び出した。その後も攻め続け、14安打で今季最多の11得点と効率のいい攻撃で東大を圧倒した。

4番の武藤が3打点と打線をけん引した

 絶好調の打線の援護を受け、赤門打線を見事完封した。1回戦の先発は、きょうもエース有原。初回から先制点をもらい臨むマウンドは1、2回と三塁に走者を背負うピンチを迎えるも、いずれも三振で後続を切って取る。「調子はあまり良くない」(有原)中で、以降も持ち味の制球力を活かし、低めに集めた投球で相手打線を軽快に打ち取る。6回無失点でマウンドを譲ると、後を継いだ吉野和と今季初登板の黄本も落ち着いた投球で得点を許さない。投手陣が打線に呼応するように躍動し、3安打完封で試合を締めた。

6回を無失点に抑えた有原

 投打がかみ合い、快勝で東大戦も順調なスタートを切った。今季ここまで実力を発揮しきれずにいた中村の復調の兆しも今後への好材料といえる。「ベストを越えるということできょう以上にいい野球を」(岡村猛監督、昭53二文卒=佐賀西)との言葉通り、内容にこだわった勝利で春季リーグ戦を折り返したい。あすの1勝への執着が、勝ち点奪取へ、そして優勝への指標となる。

(記事 村上夕季、写真 小川朝煕、谷田部友香)

★野手全員出場&4人が初安打

 大量リードを奪い、終盤には相次いで控え選手を投入。その結果ベンチ入り野手19人全員が出場した。また、山口寿明(スポ4=大阪・早稲田摂陵)、柿沼陽亮(教4=東京・早実)、渡辺琢也(教3=東京・早実)川原孝太(文構3=静岡・掛川西)の4人がうれしいリーグ戦初安打を記録。いずれも今季初打席で結果を残した。

山口

柿沼

黄字は打点付き

早大打者成績
打順 守備 名前
(二) 中村奨吾 .261 中安    四球 捕邪    左本 遊失      
  打二 川原孝太 1.000                         中安
(左) 重信慎之介 .280 中飛    右3 遊ゴ    死球 左安    右飛
(中) 中澤彰太 .346 中飛    一直    右2 二ゴ 二ゴ      
  吉野和也 .—                           
  打捕 道端俊輔 .000                         右飛
(一) 武藤風行 .304 左本    四球    左安

三失         
  打一 丸子達也 .000                      左飛   
(三) 茂木栄五郎 .364 二ゴ    死球    中飛 二ゴ    左2   
(右) 小野田俊介 .375    空振 右犠    左2            
  走右 三倉健 .000                           
  山口寿明 1.000                   左2      
  柿沼陽亮 1.000                      右安   
(遊) 河原右京 .286    一失 四球    遊飛    遊ゴ      
  石井一成 .143                      遊併   
  真鍋健太 .—                           
(捕) 土屋遼太 .400    中飛 右飛    二ゴ    左安      
  渡辺琢也 1.000                         左3
  黄本創星 .—                           
(投) 有原航平 .167    中飛   遊ゴ    空振         
  藤田恭輔 .000                   一ゴ      
  寺本雅弘 .000                         空振
早大投手成績
名前
有原航平 1.20
吉野和也 2.70
黄本創星 0.00
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コメント

岡村猛監督(昭53二文卒=佐賀西)

――大量11得点で勝利しましたが、試合内容の評価はいかがでしょう

もう少し前半から得点を挙げられたかなと思うのですが、(追加点を奪うのが)後半になってしまいました。

――具体的な数値を設定するなど得点に対するこだわりなどはありましたか

そういうのはないですね。数値的な目標は何もなくて、ワセダの野球をやる。ただそれだけです。

――きょうは1番の中村奨吾主将(スポ4=奈良・天理)が出塁して4番の武藤風行選手(スポ4=石川・金沢泉丘)が返すという効率のいい攻撃が見られました

それぞれのオーダーの役割に応じて責任を果たしてくれたと思います。

――ベンチ入りした野手の方々は全員出場したのは点差に余裕があったからですか

そうですね。得点差が開きましたのでね、なかなか(試合に)出られなかった選手も野手は全員使いましたので、いい経験ができたと思います。

――その中で新たな発見はありましたか

いや、まあ特に。練習通りやれた選手もいれば、練習とは違ってリーグ戦の難しさを経験した選手もいたと思います。

――初登板となった黄本創星投手(スポ2=千葉・木更津総合)にはベンチで何か指示をされましたか

ちょうど審判に交代を告げていたので話はできなかったのですが、少し緊張感が浅かったような気がしますね。

――前のカードで東大が最多記録タイとなる70連敗ということで、向こうからの気迫は伝わってきましたか

初回からそういう気持ちというのは感じていましたが、相手がどうであれ我々はワセダの野球をやることに集中しようと言いました。

――では、最後にあすに向けて一言お願いします

またベストを越えるということできょう以上にいい野球をやろうと思います。

中村奨吾主将(スポ4=奈良・天理)

――きょうも初回の初球を打った結果、3試合ぶりの安打となりました

初球からというのは結果的にそうなったことなのですが、甘い球が来たしっかり捉えられるように準備していました。

――今季2本目の本塁打に関しては

ストレートではなくて、おそらくフォークが抜けた球だったと思うのですが、うまくバットに乗ってくれました。

――3得点と1番としての役割も果たせました

ずっと初回に先頭として塁に出ていなかったので、得点につながって良かったと思います。

――調子としては先週から比べて上がったということでしょうか

タイミングを取ることに関しては先週も悪くはなかったのですが、やはり力みとかがあって、微調整が足りていないところがありました。今週もしっかり練習してきたので先週よりはいいリズムで臨めたかなと思います。

――バットを振る回数を増やして臨んだ先週も復調とはなりませんでしたが、今週はどのように調整を

基本的に先週と変わることなくやってきましたが、いろんな方から連絡をいただいて、アドバイスもいただいたのでビデオとかも見ながら悪いところはしっかり直してきました。

――やはり先輩たちからの助言を受けたのでしょうか

先週の試合後とかにも何人か先輩から電話が来て、おかしいところを教えてくれて、そういったところも意識しながらきょうに臨みました。

――結果、状態は上がっていると

少しずつですが、いい方向に向いているのかなと思います。

――やはり主将としての力みもここまであるのでしょうか

自分としてはそういうのは意識していないのですが、やはり自然と力が入っている部分もあるかなと思います。

――チームとしてもいい状態が続いています

やはりこの東大戦でしっかり自分の内容も求めながらチームとしてもいいかたちで勝って、しっかり明大戦まで(好調を維持して)いけるようにやっていきたいです。

――山口寿明選手(スポ4=大阪・早稲田摂陵)らが初出場で初安打を記録しました

いつも自主練習とかを積極的にやっているので、そういったところが結果として出て自分としてもうれしいですね。

――あすの意気込みを

しっかり締まった試合になるように、きょうは少し(試合の)入りが自分の中でもちょっと良くないと思っていたので、しっかり最初から最後まで締めていいかたちで勝ちたいと思います。

――どういった点を良くしたいですか

ノックの入り方などがちょっと良くない部分があったので、そこも最初から(雰囲気を)締めてやっていきたいと思います。

有原航平(スポ4=広島・広陵)

――きょうはいきなりの援護点でした。楽に投げられましたか

そうですね。初回から4番がいいかたちで本塁打を打ってくれたので、だいぶ楽になりました。

――投球の調子は

あまり良くないのですが、東大はどんどん振ってくると思ったので、低めに投げてゴロを打たせようと投げていました。

――立ち上がりは先頭打者を出す場面もありました

(一塁ベースカバーの)守備がうまくいっていればアウトにできたかなとは思うのですが、びしっと三振でいけるくらいの準備をしたいと思います。

――調子が上がっていないというのは直球が良くないということですか

コントロールが、あまり低めにいっていないなと。

――球速としては

球速としてはいつもと変わらないくらい出ているので大丈夫だと思います。

――交代のタイミングは

もう少し投げたいというのはありましたが、いっぱい点を取っていて、投手陣として自分だけでは勝てないと思うので、経験も含めて投げてほしかったので良かったと思います。

――3勝目となって、目標としていた5勝6勝というところへ近づいてきました

ここから厳しい戦いが続くと思うので、気合い入れていきたいと思います。

武藤風行(スポ4=石川・金沢泉丘)

――試合を終えての感想をお願いします

勝てて良かったなというのが率直なところです。控えの選手が試合に出て、結果を出したので、チームとしては良かったかなと思います。

――1打席目は先制の本塁打を放ちましたが、どのような気持ちで打席に入りましたか

ここで打つのと打たないのでは全然違ったので、ランナーを返すという気持ちでいきました。甘い球が来たら(振りに)いこうと思っていました。

――3打席目も好機で適時打を放ちましたね

返したいという1打席目と同じような気持ちで打ちました。

――チームも14安打11得点でしたが、いかがですか

チームの状態としてはすごく良いなと思います。

――調子が思うように上がらない中で迎えたきょうの試合でしたが、どのように修正して臨みましたか

とりあえず、大きなことはしていないですが、気持ちをしっかり持とうとやっていました。

――きょうの一発で気持ちとしても楽になりますか

そうですね。またここから頑張ります。

――あすの第2戦に向けて意気込みをお願いします。

勝って、勝ち点を取って、明大戦に勢いをつけていきたいなと思います。

重信慎之介(教3=東京・早実)

――先勝となりましたが、きょうの試合を振り返って

まず勝ち星を一つ取るということは、どんなチーム相手でも大切なことだと思うので、チームとしては良かったと思います。

――ベンチの選手も含め打線の爆発した試合となりましたが、打撃陣やチームの雰囲気は

いつも通りですがすごくいい感じだと思います。ベンチからの声も出ていますし、スタンドの皆さんの声援も部員と一体となって戦えているので、チームの雰囲気はすごくいいですね。打線としては雰囲気とは少し異なりますが、自分も含め全体的に打ち上げてしまうことが多いので、そこは減らしていかなければいけないなというのはありますね。

――2番としての役割は果たせましたか

初回に無死一塁から打ち上げてしまったのは良くなかったなと思います。2番という意味では役目を完全には果たすことができなかったですね。

――その中で2安打2打点と好機を生かした印象を受けましたが

好機で自分に来たときには積極的に振っていこうとは常に考えていて、きょうも積極的に早いカウントから打っていっていい結果が出たので、その点に関しては良かったと思います。気持ち的に向かっていくこともできたので、良かったですね。

――積極走塁が2得点につながりましたね

自分の走塁をチームの得点につなげるということはチーム全体としても望んでいることだと思います。自分としてももちろんそれを意識して取り組んでいるので、結果的に得点になって良かったと思います。

――立大戦に比べ鋭い当たりが増えていましたが、調子はいかがですか

調子はいますごくいいです。

――『相手に嫌がられること』が自分の役割と以前語られていましたが、きょうはその点に関していかがでしたか

その点に関しては役割を果たせませんでしたね。盗塁も決めましたが、自分としてはまだまだ甘いと思います。

――優勝には2連勝が絶対条件と考えられますが、あすへの意気込みをお願いします

圧倒したいと思います。